7ORDERが“真夏の大冒険”を経て見せた進化と決意【武者修行TOUR・豊洲PIT公演レポート】

7ORDER初の全国ツアー『7ORDER 武者修行TOUR～NICE“TWO”MEET YOU～』追加公演が8月27、28、29日に豊洲PITで開催された。29日はメンバー・阿部顕嵐の誕生日前日ということで、サプライズもあった29日の夜公演をレポート。

7ORDERおなじみの“雨”を予感させる午前中の曇り空から、一転晴れ上がり青空となった29日の豊洲PIT夜公演。会場の期待が高まる中「Break it」で勢いよくスタートし、すぐに会場の熱気は最高潮に。バンド演奏で「タイムトラベラー」「LIFE」と畳みかけた後は、「Perfect」「Make it true」でクールなダンスを披露。

5曲一気に駆け抜けたあと、安井謙太郎の「豊洲～！ようこそ7ORDERのライブへ！」という言葉を皮切りにそれぞれあいさつ。声が出せなくても、会場の盛り上がりを感じていた7人。森田美勇人は「（難しい）ダンス曲『Make it true』とかも踊ってくれて」と会場を見渡すと「ありがとうございます！」と感謝を伝えた。

最初から全力で、早くも汗だくなメンバー。それぞれ汗をふいたり水分補給する中、すぐにスタンバイができる最年少・長妻怜央に「（準備）早いな！（笑）」とツッコむ安井。そして、長妻がふいにキーボードで「エリーゼのために」を弾きだすと、それに合わせてすぐさま優雅に踊ってみせる諸星翔希。それを見た長妻が次にアップテンポな曲を弾くと、諸星と安井が息ぴったりで踊り始め、7ORDERらしいノリの良さとサービス精神を発揮した。

続いて、初めてのカバー曲「花」と「SUMMER様様」を披露。この楽曲はORANGE RANGEが手掛けた全く印象の異なる2曲。「花」は2004年に発売されたORANGE RANGEの大ヒット曲で、しっとりと力強く歌い上げる。

ポップでエロさも感じさせる夏にぴったりな「SUMMER様様」は途中、長妻が振りをレクチャーしながら会場を盛り上げた。

MCでは、振りの話からスタート。長妻はお祭りっぽく盆踊りをイメージしていたそうで、「秋のお祭り好き」という安井の言葉に「分かる！　いいよね～！」とうなずく6人。諸星が「地元の友達と会えるからいい」と笑顔になると「モロ、地元の友達大切にするタイプだから！」「めっちゃいいやつ！」と諸星の人柄を褒めたたえてほっこりするひと幕も。

「花」については、映画「いま、会いにゆきます」の主題歌だったことから「終わってほしくないから、（演奏の）最後の一音弾きたくない」と作品をイメージしていると明かす長妻に森田は「だからか！　すごいためてる」と納得。

さらに、映画の主題歌つながりで真田佑馬は「『月のしずく』がめっちゃ好きなのよ」と告白すると、森田は「世界が終わるまでは～♪」と熱唱。安井は「それスラダン（スラムダンク）だよ！（笑）」とツッコみつつ、「みんなスラダン知ってる？」「カラオケで何歌う？」と会場とのやりとりを楽しんだ。

7人はカラオケに行った時に「アルマゲドン」の主題歌を大熱唱したことがあるそうで、「俺らこれからどうする？　みたいな話をしたあとだったから壮大だったよね（笑）」と思い出話もしつつ、次の楽曲へ。

雰囲気をがらっと変え、原曲とは違うアレンジで聴かせたアコースティックバージョンの「BOW!!」と「27」。照明の光も音も最小限で、観客の手拍子と共に歌い上げる。真田が生み出した歌詞がよりダイレクトに伝わるようなアレンジで、優しくも力強い歌声を届けた。

その後はスタンドマイクを使ったオシャレな「Monday morning」や諸星と安井の美しいアカペラが印象的だった「What you got」など、数々の楽曲を7ORDERらしく、豊かな表現力で披露した。

そして、メジャー1stシングル「雨が始まりの合図」を披露する前に安井が代表してあいさつ。

「皆さん本当に今日この場所、この時間、この時をここに来て、楽しんでくれてありがとうございます。いろんなことがあって、みんなここに同じ気持ちでいるわけじゃなくて。めちゃめちゃいいことがあった人もいれば、あ～なんか最近気分乗らないなとかいろんな思いで来た人がいると思うんだけど。この1時間半という時間をみんなと一緒に過ごして楽しんで。本当にこんなに幸せな空間はないなと、本当にこういう仕事をしていてよかったなと思う瞬間です。この武者修行ツアーでいろんなことを話し合いました。7ORDERとしてはこうして全国を回らせてもらうのは初めてのことで。憧れのようなものも持っている部分もあって、本当に1公演1公演かみしめるように大切にやっています。こうやって毎回違う公演ができるのも、お客さんが違って、みなさんのリアクションが違うことで、それに応えることで僕たちも違うパフォーマンスをして。そうやって一緒に作り上げるのがライブであってほしいと思います。これからもいろんな形を試していくと思います。ですが、必ず皆さんを楽しませるという気持ちを持ってステージに立ち続けると思うので、これからも僕たちのいろんなことを判断してください。よろしくお願いいたします」

ファンへの感謝と決意が込められた「雨が始まりの合図」。観客もその想いに応えるように会場一体となって盛り上がった。

会場の手拍子に応えて、「SUMMER様様」のイントロが流れて始まったアンコール。「明日、8月30日誕生日なのは誰だぁ～!?」という諸星の掛け声に「♪オレ、阿部顕嵐！」と歌いだす阿部。すると曲が止まって、バースデーソングが流れ、サプライズで阿部の似顔絵が書かれた誕生日ケーキが登場。阿部は「ありがとうございます！」と喜び、メンバー全員笑顔に。24歳になるということで、2と4のバルーンを持って阿部の後ろに立つ萩谷慧悟が、こっそり数字を入れ替えて42にするかわいいいたずらもしつつ、記念撮影。

阿部は「今まで以上にいい男になろうと思います！　あと、もっと一緒の時間を共有できるように頑張ります！」と抱負を語り、「顕嵐が頑張るって言ったら頑張るんだよな」とメンバーは阿部の決意を認めていた。

仕切り直して、あらためてアンコール。諸星の「顕嵐ちゃん！　一緒に誕生日を祝ってくれたみんなにひと言！」に対し、阿部は「♪みんな、ありがとう！」と曲に合わせて感謝の気持ちを伝え、歌詞を“顕嵐おめでとう”バージョンにアレンジした「SUMMER様様」を披露。

そしてラストは「BOW!!」。安井の「一番の盛り上がりを見せてくれますか！」のあおりに、会場全体がリングライトの光で応え、7人と共に作り上げた“Happy”な空間を染め上げた。

最後にメンバー一人一人があいさつし、楽しく幸せな時間は興奮のうちに幕を閉じた。この夏の“武者修行”を経て、まさに“SUMMER様様”の進化を見せた7ORDER。この制限下にあっても、「Happyを届ける」という想いを確実にかたちにする7人の強い決意を感じるライブとなった。