『おんな城主 直虎』岡本幸江プロデューサー インタビュー【前編】「南渓和尚と猫の人気も高いんです(笑)」

特集・インタビュー
2017年02月04日

第1話から異例の“4週連続子役”の放送回を終え、2月5日(土)放送の第5話から柴咲コウ、三浦春馬、高橋一生らが登場する大河ドラマ『おんな城主 直虎』。制作統括の岡本幸江プロデューサーに、今後の見どころのほか、制作の裏側を中心にインタビュー。

■プロフィール

制作統括 岡本幸江

●おかもと・ゆきえ…1992年NHK入局。これまで、連続テレビ小説『ごちそうさん』(13年)、ドラマ『経世済民の男/小林一三』(15年)などを担当。

『おんな城主 直虎』

子役たちのお芝居のほか、南渓和尚と猫の人気も高いんです(笑)

『おんな城主 直虎』

◆1月から放送がスタートしましたが、どういった反響が寄せられていますか?

おとわ(=次郎法師、井伊直虎)役の新井美羽ちゃんをはじめ、子役たちのお芝居に対する反響が大きく、彼女たちの頑張りに共感する声も多いです。わりと早い段階から子供たちに戦国の厳しい現実が突きつけられるので、視聴者の皆さんはびっくりされたようですが、そういった戦国時代らしさも楽しんでいただけているみたいです。あとは、南渓和尚(小林薫)と猫も人気ですね。この猫ちゃんがすごくいい子で、人が通ればちゃんとその方向を見るし、基本的にすごくおとなしいんです。物語上、特に名前はありませんが、柴咲さんは「にゃんけい」と呼んでいるみたいです(笑)。

『おんな城主 直虎』

◆第5話では、逃亡生活を終えた亀之丞(三浦)が10年ぶりに井伊谷(いいのや)に帰ってきます。

颯爽と帰ってくる直親、直親と再会し複雑な立場に追い込まれる政次(高橋)の葛藤、そして次郎法師(柴咲)の決断には注目ですね。柴咲さんは、妄想シーンもあってかなり思い切ったお芝居をされているので、その振り切り具合も面白いですよ。目いっぱい振り切った柴咲さんのお芝居や、幼なじみ3人の関係性に注目していただければと思います。

『おんな城主 直虎』

◆井伊のふるさとである井伊谷ですが、井伊谷を再現するため、岩手に大規模なオープンセットを造られたとうかがいました。

スタッフや地元の方たちが一生懸命探してくれたおかげで、川があり、そのすぐ横にむき出しの岩肌もあるという井伊谷に似た土地を岩手に見つけました。井伊谷は非常に水が豊かで、井伊家もご先祖様が井戸で拾われたという言い伝えが残るほど、水との関わりが非常に強いお家。川が流れ、それを撮影に取り込めるという点が絶対条件だったんです。岩が柱の代わりになっていたり、入り口に石が積んであったりと、自然豊かな土地で育った、地に足を着けてしっかり生きていった人たちというイメージを具現的なモチーフで表しています。これは、ロケでもセットでも共通のイメージとして持っています。

『おんな城主 直虎』

◆キャストの皆さんが、ロケーションやオープンセットについてよく「おとぎ話の世界のようだ」とおっしゃっていましたが、断崖絶壁に建つ井伊谷城もまさにそのとおりですよね。

雨が多く撮影は苦労しましたが、結果的に霧がすごくきれいにかかって、神秘的な画が撮れました。山奥の秘境感が出て、「ここはブータンか!?」みたいな(笑)。『真田丸』よりもちょっと前の古い戦国時代を描いているので、昔話的な物語性が強いんだと思います。

『おんな城主 直虎』

◆岩手以外に、地元・浜松でもロケをされたんですよね。

そうですね。7話(2月19日放送)には、地元・浜松の棚田が出てきます。棚田は耕すのが大変で休耕田もあったのですが、今回は地元の方々が撮影のために映るところをすべて耕してくださいました。おかげでとても美しい風景が撮影でき、役者の皆さんも「こんなところで撮影できるなんて」と感激していて。浜松で撮影することで、井伊谷という土地の実感が役者さんたちの中にもしっかり生まれたんじゃないかと思います。

◆今後はどんな場所でロケを予定されていますか?

今度は田んぼではなく、山奥の山林のような場所でロケをしようと思っています。ここである事件が起こるんですよ。あとは、井伊谷から川を下った先にある「気賀」という港町が新たに登場するんですが、気賀は牧歌的な井伊谷とはちょっと違う、香港にあった九龍城のようなイメージ。大規模なオープンセットを組んで、いろんな人が行き交うコスモポリスみたいな雰囲気を出そうと思っています。放送は6月ぐらいになるのでまだまだ先ですが、きっとこれまでとは違った雰囲気が味わえると思います。

《インタビュー後編はhttps://www.tvlife.jp/pickup/100616にて公開中》

 

■放送情報

大河ドラマ『おんな城主 直虎』
NHK総合 毎週(日)後8・00~8・45
BSプレミアム 毎週(日)後6・00~6・45

<第5話「亀之丞帰る」(2月5日放送)ストーリー>

天文23(1554)年春。成長した次郎法師(柴咲コウ)は僧としての修行を積みながら、行方知れずの亀之丞(三浦春馬)の帰りを待つ日々を過ごしていた。駿府では今川義元(春風亭昇太)が武田・北条との縁戚関係を背景に一層権勢を振るい、いよいよ三河平定へと乗り出し始める。今川家の威光をかさに着て井伊家中での発言力をさらに強める小野政直(吹越満)は、嫡男・政次(高橋一生)と奥山朝利(でんでん)の娘を夫婦にし、その子を井伊家の後継者にしようと画策する。しかし、小野家を毛嫌いする直平(前田吟)ら家臣たちはこれに猛反対。そんな中、突然政直が病に倒れる。

公式HP:http://www.nhk.or.jp/naotora/
公式Twitter:https://twitter.com/nhk_naotora
公式Instagram:https://www.instagram.com/nhk_taiga_naotora/
公式LINE:@nhk_naotora

©NHK

●text/金沢優里