健太郎×山田裕貴インタビュー「撮影後は“デメキンロス”がすごくて(健太郎)」映画「デメキン」

特集・インタビュー
2017年11月24日

切ない“二番手男子”として注目を集める健太郎さんが、「福岡連合」元総長のお笑い芸人・佐田正樹(バッドボーイズ)さんの不良時代を演じる青春アクション映画「デメキン」(12/2(土)公開)で映画初主演を務める。親友役・山田裕貴さんとアツいトークを。

撮影後は“デメキンロス”がすごくて(笑)(健太郎)
厚成の真っすぐさを出したかった(山田)

健太郎×山田裕貴インタビュー

◆佐田さんの実話を基にした本作。親友の正樹(健太郎)と厚成(山田)を軸に、ケンカに明け暮れた青春や、男の友情を描いています。

健太郎:原作漫画を読んでいてもそう思ったのですが、佐田さんご自身がとてもアツい方だというのをお会いしてさらに強く感じました。そして、仲間を思うってすごくいいことだなって。たとえ口では言えても、実際に友達のためにあそこまで行動に移せる人はなかなかいないと思います。とらえ方は人それぞれあると思いますが、少なくとも僕や山田さん、ほかのキャストも、原作で描かれる男同士の信頼関係は絶対的に素晴らしいものだと思っていて、それが映画でもリアルに描けたんじゃないかと思います。

山田:佐田さんは壮絶な世界で生きてこられたはずなので、まずその世界観に僕たちが負けてはいけないし、それを超えるものを作らなきゃいけないっていうのは最初から思っていました。あと、僕はキャストの中でちょびっとだけ年上で、ちょびっとどころかもじゃないかもしれないけど(笑)、厚成は正樹より少し先を歩む存在なので、みんなより年上の僕が厚成を演じる意味をすごく感じながら接していました。もう本当の仲間みたいで、厚成としても僕自身としても健太郎君を支えたいって思ったりとか。かわいらしい一面も見えたし、「本当は言いたいけど言えない」みたいな顔も何となく分かるようになったし(笑)。

健太郎:本当ですか!?(笑)

映画「デメキン」

◆それぞれ、どのように役にアプローチされたんですか?

健太郎:主役が初めてなので右も左も分からなかったのですが、佐田さんが当時のことをとても楽しそうに話してくださるので、この作品に関してはとにかく自分が一番楽しむこと、愛することが引っ張ることだと思ったので、その気持ちを常に持って演じました。

山田:厚成の真っすぐさはすごく出したくて。厚成は正樹に相談せず1人で勝手に動いたりするんですけど、それはみんなを守りたい一心でのことだし、彼女がいて、子供が出来て、そういう守るものが出来てもチームのみんなを捨てきれない気持ちがあるのは真っすぐだからで。厚成は、多分僕が演じた悪い役の中で一番真っすぐな人じゃないかな。

映画「デメキン」

◆リアルなケンカのシーンが多数出てきますが、撮影はいかがでしたか?

健太郎:事前にアクション練習はしたのですが、きれいにカッコよくというよりも、本当の喧嘩のように、泥臭く、とにかく来た人を倒す感じでした。だから、リアルな喧嘩の雰囲気が出ていると思います。

山田:決め込んでやっちゃうとアクションになっちゃうし、そこをどうリアルに見せるのかは考えてたよね。そういう生々しさは意識しました。僕はやられるほうが多かったから「当ててください」って感じだったけど(笑)。

健太郎:撮影期間は全部で2週間ぐらいだったのですが、その間は全員が“デメキン”だったんです。僕の場合は家に帰っても厚成や仲間のことを考えていて。寝ている時もそうだし、もはや24時間体制で。常に頭の中で「デメキン」のことを考えていたので、キャラクターもどんどん近づいていって。だから“デメキンロス”がすごくて(笑)。

映画「デメキン」

◆印象に残っているシーンを教えてください。

健太郎:本当に全シーン好きなので難しいんですが…。でもあの、くっきー(野性爆弾)さんとのシーンはめちゃくちゃ大変で!

山田:あははは!(笑) あれ面白かったなあ~。

健太郎:大好きな芸人さんなのですが、本当にむちゃくちゃ言われるので対処法が分からなくて(笑)。笑いすぎて死ぬかと思いました!

山田:あれ大変だったな~。僕(健太郎君に)任せてたもん(笑)。

健太郎:厚成が働いているラーメン屋さんでのシーンだったので、「厚成の店なのに何で僕が!?」みたいな(笑)。

山田:自分の店だから手出せんやん。それを見越して正樹が「厚成は下がっとけ」って言ってくれたから、「あ、分かった」って(笑)。

健太郎:みんな端でクスクス笑っているんですよ(笑)。うまくカットしてもらっていますが、僕も笑いが抑えられなかったです。

山田:僕フツーに笑ってたからね。映ってると思うよ、多分(笑)。

映画「デメキン」

◆山田さんの好きなシーンはどこですか?

山田:いやあ、本当決めかねるというか。最初の拳合わせるシーンも好きだし、皆で走って行くところも好きだし、正樹が高校の先輩からボコボコにやられるけど立ち上がるのも好きだし、チームを作ろうって持ちかけるシーンも好きだし、「亜鳳」を結成してからの走りも好きだし…。

◆止まらないですね(笑)。

健太郎:全部ですよね。

山田:全部ね。

2人(爆笑)

山田:でも、素直に一番よかったなって思えたのは、正樹が総長になって、厚成が自分のことのように本気でうれしくなれたところ。正樹と厚成の関係性は、演じていても「あ~いいな」って思えるところがいっぱいあるんですけど、1つだけ挙げるとしたらそこですかね。

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◆最後にメッセージをお願いします。

健太郎:世代、性別を問わず、できるだけ多くの方に観てもらって、生きる上で忘れていた部分を思い出していただきたいです。女性の方には「男ってばかだけどいいなあ」と思っていただけたらすごくうれしいです。きっと映画館を出る時に「何か始めよう」とか、「人を思う気持ちってすごく大事なんだな」とか、そういう気持ちになれると思うので…いや、なれるので、ぜひご覧ください。

山田:「デメキン」はただのヤンキーものじゃなくて、人に対して熱くなれる人たちのドラマだと思っています。そういう人ってカッコよく見えると思うし、そういう人たちの生き様を見て、例えば友達といつもより会話が弾んだりとか、少しでも自分を支えてる人に何かを与えようと思ってもらえたらうれしいです。友情を超えた愛情みたいなものがあると思うので、「デメキン」が皆さんに響いてくれたらなってめちゃくちゃ思います!

 

■PROFILE

●けんたろう…1997年6月30日生まれ。東京都出身。ドラマ『アシガール』(NHK総合 毎週(土)後6・05)に出演中。

●やまだ・ゆうき…1990年9月18日生まれ。愛知県出身。映画「HiGH & LOW THE MOVIE 3 FINAL MISSION」が公開中。

 

■映画情報

映画「デメキン」映画「デメキン」
12月2日(土)シネマート新宿ほか全国公開

監督:山口義高
原作:佐田正樹(バッドボーイズ)
脚本:足立紳
出演:健太郎、山田裕貴、栁俊太郎、今田美桜、髙橋里恩、田中偉登、福山翔大、三村和敬、藤木修、岩永ジョーイ、神永圭佑、成田瑛基、笠松将、黒石高大、くっきー(野性爆弾) 、ケン(水玉れっぷう隊) 、坂田聡 ほか

公式HP:http://demekin-movie.com/

<ストーリー>
元いじめられっ子の正樹(健太郎)は、いつしかケンカでは敵なしの存在となり、親友・厚成(山田)と共にケンカに明け暮れていた。ある日、厚成は福岡一のチームを作ろうと正樹に持ちかける。

©よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ©2017映画『デメキン』製作委員会

 
●photo/金井尭子 text/金沢優里 hair&make/橋本孝裕(SHIMA)(健太郎)、仲田須加(山田) styling/高橋毅(健太郎)、小田優士(Creative GUILD)(山田)