霜降り明星・せいやインタビュー「松本人志さんは一番笑ってほしい存在」『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』シーズン7

特集・インタビュー
2019年05月23日

Amazon Prime Videoで全話一挙配信中の『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』シーズン7に初出演した霜降り明星のせいやさんにインタビュー。


本当に『ドキュメンタル』は思い通りにいかない(笑)

霜降り明星・せいやインタビュー

◆『ドキュメンタル』の招待状を受け取った時のお気持ちはいかがでしたか?

お笑いの世界に入ったときの夢が“お笑い純度100%で活躍したい”だったので、松本(人志)さんに芸人として認められた感じもして、最初はめっちゃうれしかったです。でもだんだん日を追うごとに現実が迫ってきました。現場をイメージしようとするんですけど、誰がおるのかも分からないので仕掛けようがなくて(笑)。僕は仕掛けを考えるとき、“人”をある程度イメージして絡みを考えるんです。だから、この人にはこれをしようという用意ができなくて、恐怖が大きかったです。

◆収録までの期間は、どのように過ごしていましたか?

『ドキュメンタル』の収録は、『R-1ぐらんぷり』の準決勝の翌日で。僕はピンネタがなかったんで、『R-1ぐらんぷり』の一回戦から全部違うネタを考えていたんです。そのネタ作りの時期に招待状が届いたので、うわ、やばいな、パンクすると思って、泣きそうになりました。『R-1』の決勝進出者は大阪で夜の11時くらいに発表されて、その後敗退した人は敗者復活戦の打ち合わせをして、マネージャーと集まってネタ台本を送らなあかんくて。それから始発に乗って、東京で『ドキュメンタル』の収録というスケジュールに、俺どうなってしまうんやろという思いもありましたが、逆にもうええわ、あとはやるだけって吹っ切れていたかもしれないです。

◆参加メンバーを見た時の感想を教えてください。

僕は部屋に入ったのが4番目だったんですよね。先に後藤(輝基)さん、ノブ(千鳥)さん、加藤歩(ザブングル)さんがいらっしゃって。扉を開いて、まず後藤さんの顔が見えたときは、やったって思いました!後藤さんがおったら、チームとしても盛り上がるし、仕切りが上手な方なので、『ドキュメンタル』自体の士気が上がる。僕のお笑いのタイプとして、ツッコんでくれたら笑いにつながりますしね。さらにノブさんもいたので、“最強”だと。そして最後に加藤さんが見えて“最悪や”と思いました(笑)。めちゃくちゃやばい人おるって。ボケの僕からしたら絶対ぶつかると思いましたし、僕も“パワー100%タイプ”なので、加藤さんの存在でその日の出方を変えましたね。正直、様子を見ました(笑)。それからハリウッドザコシショウさんが来られて、あ~あって(笑)。僕自身が笑っちゃうなって思いました。

霜降り明星・せいやインタビュー

◆収録中に感じたことはありますか?

とにかく難しかったです。自分がイメージしていた『ドキュメンタル』の26倍くらい難しかったです。これほんまは25でええんですけど(笑)。どっちかっていうと僕はフォワードタイプですし、ボケなので点を取りにいきたい。その中で、加藤さんもザコシショウさんも芸歴は圧倒的に上ですし、どうしようかなと思いました。若手の痛々しさも出したくないからいき過ぎてもあかんなって。若手で爪痕残そうと力だけ入っているってなったら誰も笑わんでしょ(笑)。それに僕がイメージしていたより皆さんは笑わないし、僕は笑ってしまうし(笑)。あとゾンビは、絶対無理やんって思いながらも“笑かしたい”からやるっていう純粋なお笑い、魂の叫びだと思いました。笑かす必要がないところで笑わすゾンビが1番純粋なお笑いですよね。

◆具体的にはどういうプランで挑んでいたんでしょうか?

僕の想定していた計算なんて、開始10分で飛びました。だって笑福亭仁鶴師匠のものまねは後半にやろうとしてたんですよ。本編を見た方は分かると思うんですけど、ザコシショウさんが急に何にもない状態で振ってきたじゃないですか(笑)。そこでもちろん、後でやるんですよって言えないですし。最終奥義として用意していたものを1発目に振られて、頭真っ白になって。自分のでかいと思っていた武器が一瞬でなくなって、パニックになりました。だから用意していたネタはほぼできなかったです。どんどん“出されへん”、“弱いわ”っていうのがいっぱい出てきて。僕が用意していた武器がいかに小粒だったかっていうのがよく分かるんです。それでも振り絞っていかなあかんっていう恐怖。本当に『ドキュメンタル』は思い通りにいかない(笑)。

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◆今シーズンでは、チェアマン・松本さんが期待する“二次災害”がせいやさんにも起こりましたね。

あれは、本当に二次災害なんですよ。僕が起こしているわけじゃないので、一切手応えはないです(笑)。運でしかないので、味をしめるとかもないですし、松本さんもおっしゃっていましたが「あれを狙いにいくと全く起こらない」というお笑いの難しさ。遠ざかろうとするからこそ、起きたものなんです。これは僕にお笑いの神様がほほ笑んでくれた出来事ですよね。あと印象的なのは、僕が出前を取るところ。意外な結果になるので、皆さんにも見てほしいです。僕が変な出前にしようとしていたら、あんな風にはならなかったはず(笑)。意識してなかったから起きた“出前の二次災害”も楽しんでほしいですね。あと僕の鼻水のくだりも面白くて、ほんまに後藤さんのツッコミが笑いそうになるんですよ(笑)。会話としてはベタ過ぎて、めちゃくちゃしょうもないんですけど、面白くなってしまう。こういうのも『ドキュメンタル』ならではですよね。

霜降り明星・せいやインタビュー

◆収録を振り返って、思うところはありますか?

僕は、人の攻撃は全部見るようにしました。逃げたくないというか、目を背けたりすることもできたんですが、初参戦なので全部受け止めました。だから『ドキュメンタル』に向き合うことは頑張りましたね。“爪痕残したった”っていう思いはないです。オンエアを見て、松本さんがこんなに笑ってくれてんねやっていうのはありましたが、個人としての手応えは本当になくて。“なんやったんや、今日”って思いながら、めちゃくちゃ落ち込んで帰りました。


やっぱりハリウッドザコシショウさんを倒したい

霜降り明星・せいやインタビュー

◆せいやさんにとって、シーズン7まで続く『ドキュメンタル』の魅力とは?

ファンの人の熱さが違いますよね。街中でも「『ドキュメンタル』見ました」って声をかけられるんですが、男人気が半端ない! 何なんですかね、この男ウケ(笑)。それから業界の人もめっちゃ見てますね。テレビのバラエティが物足りない人、もっと攻めたものを見たい人が見てくれていて、怖いもの見たさというか好奇心旺盛なお笑いファンのコアな層の方が楽しみにしているっていうイメージです。僕マーベルが好きなので、『ドキュメンタル』をマーベル作品で例えるなら、“アイアンマン”よりは“バットマン”かな(笑)。

◆『ドキュメンタル』への出演で、周囲の反響はありましたか?

芸人仲間から「面白かったよ」っていう言葉をもらって、こんだけ周りが面白かったと口をそろえる番組は珍しいんじゃないかなと思いました。普通、芸人同士だと悔しさとかあるじゃないですか。でも『ドキュメンタル』だけは、「面白かった」って言いたくなるんです。僕もそうでしたが、『ドキュメンタル』のパワーって不思議ですよね。

霜降り明星・せいやインタビュー

◆また参加するなら、挑戦したい相手はいますか?

やっぱりザコシショウさんを倒したいですね。僕ザコシショウさんの芸、めっちゃツボなんですよ。でもそのツボが分かるってことは、ザコシショウさんのツボも分かるはずなんです。シンプルに笑ってしまうってことは研究すれば、通ずるものがあるってことじゃないですか。ザコシショウさんが3回目出演してくださったら、絶対笑かしたいです!

◆せいやさんにとって、松本さんはどのような存在ですか?

一番笑ってほしい存在、かな。松本さんが笑ってくれたら、疲れも全部吹っ飛ぶんです。僕は学生時代に松本さんにたくさん笑かしてもらったんで、次は僕が松本さんを笑わせなあかんなって思っています。

 

■PROFILE

霜降り明星・せいやインタビュー
●せいや…1992年9月13日生まれ。大阪府出身。A型。お笑いコンビ・霜降り明星のボケ。『M-1グランプリ2018』14代目王者。『霜降りバラエティ』(テレビ朝日)、『衝撃のアノ人に会ってみた!』(日本テレビ系)など数々のバラエティ番組に出演。

 

■番組情報

『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタルシーズン7』
Amazon Prime Videoにて全5話一挙配信中

出演:松本人志(ダウンタウン)、宮迫博之(雨上がり決死隊)、たむらけんじ、ハリウッドザコシショウ、小籔千豊、後藤輝基(フットボールアワー)、ハチミツ二郎(東京ダイナマイト)、加藤歩(ザブングル)、ノブ(千鳥)、みちお(トム・ブラウン)、せいや(霜降り明星)

https://www.amazon.co.jp/documental