◆そんな中で役作りに関して、意識されたことは?
まずは彼女の強さ。あとは、シェアハウスに潜入取材した浩子は、自分の身を隠して、シェアファミリーたちと接しているんですが、終盤になるにつれ、何とか真相を突き止めようとするライターとしての顔を垣間見ることができるお芝居をあえて意識しています。
◆シェアファミリー役の鶴田真由さんや戸次重幸さんらとの現場でのエピソードはありますか?
本当のことを何も知らない浩子だけが浮かれている感じもしますが、「役を通して」という意味でも、不思議な緊張感がある現場だったと思います。「ここに一緒に住まわせてもらえないでしょうか?」と言ったことで、皆さんからジロッとにらまれるシーンは、一気に空気感が変わり、演じていてもとても怖かったです。ただシェアハウスの舞台となる家は、日当たりが良く、とてもすてきな部屋だったこともあって、不穏な空気を持つ怪しい人たちが住むイメージとは真逆でした。あと、朝ご飯や赤ワインで煮込んだ牛肉など、食事のシーンが多いんですが、出てくる料理もおいしかったです。
◆仕上がった作品をご覧になった感想は?
どこか不穏な展開も衝撃のラストも知っていたことで、楽しんで見ることができました。「まだ浩子は、何も気づいてない…」と思いながら(笑)。あと食べながら飲みながらといった、何かしながらのお芝居が多かったのですが、それが自然とリアルさとつながっていて。見ていていろいろと納得するところもありました。
◆そのほか、本作の見どころについては?
『世にも奇妙な君物語』なので、その“奇妙さ”には注目してもらいたいです。そして、私が最初に脚本を読んで、ざわざわ感じた時のように、「何かあるぞ」と予想しながら見てもらって、ラストではいい意味で裏切られてほしいです(笑)。