『泣くな研修医』野村周平、学生時代からの友人・白濱亜嵐との共演に「やりやすいです」

特集・インタビュー
2021年05月08日

研修医たちが医療現場で葛藤しながら成長していく姿を描くドラマ『泣くな研修医』(テレビ朝日系 1100)の第3話が、202158日に放送される。TVLIFEwebでは、メーンキャストへのリレーインタビューを実施中。今回登場するのは、主人公の雨野隆治(白濱亜嵐)の同期の研修医で、医師一家に生まれた御曹司の川村蒼を演じている野村周平さん。にぎやかな現場の様子や、作品を通して伝えたい思いを語ってくれました。

◆今回演じている川村という人物像をどう捉えていますか?

川村は総合病院を営む両親の元で何不自由なく育った“ボンボン”ですが、そういう環境だったからこその葛藤を抱えている。遊び人で女性関係にだらしないという一面も、恵まれ過ぎた育ちや、何かと干渉してくる親への反動からきているのかなと思います。

◆研修医を演じるに当たり、大変なことはありますか?

この作品は医療現場の現実がリアルに描かれていて、専門用語が飛び交うカンファレンスや手術シーンも当然出てくるのですが、物語の主軸はあくまで研修医同士や先輩医師、患者さんたちとの人間ドラマ。川村が出てくるシーンでは難しい医療用語や医療技術的なものを求められるシーンがそう多くはないので、そういう意味では医療ドラマ特有の大変さはないですね。

◆現場の雰囲気はいかがですか?

楽しいです。特に(白濱)亜嵐とは学生時代からの知り合いなので、とてもやりやすいです。まぁ、そもそも僕は現場で誰かとギスギスするようなこと自体なくて、誰とでもハッピーにやろうと心掛けています。現場では、(同期の研修医・滝谷すばる役の柄本)時生君の顔写真を撮るのがはやっていて。時生君って、たまに面白い顔をするんです(笑)。みんなその瞬間を捉えようと、撮影の合間は常にカメラを構えていて。実年齢で言うと、時生君は僕より4つ上なんですけど、いつもすごく気さくに接してくれます。

◆第2話では、隆治が事故で重傷を負った10歳の男の子・山下拓磨(潤浩)の診療や家族への対応をめぐり、未熟さ故に打ちのめされる姿が描かれていました。野村さんは、どんな感想をお持ちになりましたか?

この作品では患者さんと向き合うのは、隆治がほとんど。川村は患者さんと直接かかわるシーンがあまりないので、僕自身は「研修医って大変なんだな」という客観的な目線になりがちなのですが、それでも第2話は研修医のつらさがにじみ出ていたなとしみじみ思いました。撮影で印象的だったのは、同期の研修医4人で仲良く飲みに行く回想シーン。クランクインからあまり時間がたっていないうちにこういうシーンがあると、流れをつかみ切れていなかったりするので大抵ぎくしゃくしてしまうのですが、この時は全くそんなことなくて。僕らは最初からいい人間関係が作れていたので、その普段の空気感があのシーンでも出せたのではないかと思います。

◆第3話では、隆治は認知症の胃がん患者と、恒松祐里さん演じる中園くるみはシングルマザーのがん患者と向き合うことになります。どんなところが見どころでしょうか?

隆治たちが患者さんの抱えたものにどう道筋をつけてあげられるか、その過程ですね。川村はあくまでアドバイスを送ったり、ヒントを与えたりする役回りなので…あぁ、でも、川村が滝谷さんと将棋を指すシーンがあって。その唐突感は面白いと思います(笑。単なる暇つぶしのような何気ないシーンに見えるかもしれませんが、後々の展開につながっていくことになります。

◆研修医たちがそれぞれ壁にぶつかり、成長していく姿も見どころです。川村には今後、どんな変化が訪れそうですか?

川村は今後、ある事件をきっかけに人生を左右する大きな分岐点に立たされることになります。それがどんなもので、どんな決断を下すのか。ぜひ注目していただけたら。それと、恋愛要素…とまでは言えないかもしれませんが、そういうシーンも出てくるので、作品の一つの彩りとして楽しんでいただけたらと思います。

◆この作品を通して、どんなことが伝わったらいいなと思いますか?

コロナ禍の今、それぞれの持ち場で頑張っていらっしゃる医療従事者の皆さんに感謝の気持ちが少しでも届いたらいいなと。ドラマを見ている余裕はないかもしれませんが、仕事の合間の話題の1つにでもしていただけたら本当にうれしいです。

PROFILE

野村周平
●のむら・しゅうへい…19931114日生まれ。兵庫県出身。AB型。最近の出演作に、ドラマ『アプリで恋する20の条件』『DIVER-特殊潜入班-』など。WOWOWのレギュラー番組『HI-FIVEURBAN SPORTS for LIFE~』では特技を生かしてMCにも挑戦中。

 

番組紹介

『泣くな研修医』
テレビ朝日系 毎週(土) 後11001130

STAFFCAST
原作:中山祐次郎
脚本:樋口卓治
演出:豊島圭介、朝烏ツワ子、小松隆志
出演:白濱亜嵐、木南晴夏、野村周平、柄本時生、恒松祐里、木村昴、山口智充、高橋和也ほか

(第3話STORY
隆治(白濱)は、胃がんで入院している87歳の患者・森山から聞き取りを行い、病状を含めた情報収集する業務(=アナムネ)を任される。でも、認知症でもある森山に何を聞いても隆治は会話にならず、結局看護師の吉川(西尾まり)が事前にヘルパーに聞いていた情報をもらうことに。その情報を基に、今後の治療方針を決めるカンファレンスで隆治は治療方針を提案するが、先輩医師たちは森山の年齢や認知症などの状況を考え、手術を行わず、BSCでいく方針を決める。納得のいかない隆治は、森山に申し訳ない気持ちに。そんな中、森山が夜、ベッドに立ち上がって転倒してしまう。認知症の森山は、その後ベッドに拘束されてしまうが、隆治はなぜ森山が立ち上がろうとしたのかが気になり…。
いっぽう、くるみ(恒松)は、担当する頭部にがんが見つかったシングルマザーの患者が、治療をすれば根治も目指せるのに、娘の中学受験まで待ってほしいと言われてしまう。先延ばしにすればリスクが高まるため、なんとか説得して治療を行いたいが…。

photo/映美 text/海老原誠二