『泣くな研修医』奥山かずさ、野村周平から人生初の“壁ドン”「本当にドキドキしました」

特集・インタビュー
2021年05月29日

研修医たちが医療現場で葛藤しながら成長していく姿を描くドラマ『泣くな研修医』(テレビ朝日系 (土1100)の第6話が、2021年5月29日に放送される。TVLIFE webでは、メーンキャストへのリレーインタビューを実施中。今回登場するのは、主人公の雨野隆治(白濱亜嵐)ら研修医たちと共に働く看護師・相沢千夏役の奥山かずささん。しっかり者だが、ぶっきらぼうでだるそうな態度を隠そうとしない今時の若者という役どころに挑んでいる。そんな千夏役を通して得た経験と、女優としての目標についてお聞きしました。

◆千夏のどんなところにキャラクターとしての面白さを感じていますか?

看護師としてはまだまだ新人で、研修医たちよりも年下なのに、彼らに対して当たりが強いところが面白いなと思いました。特に白濱さん演じる雨野君に対しては「〇〇持ってきて!」とか「それ違う!」とか、言い方が本当にキツい。同じドクターでも、ベテランの佐藤先生(木南晴夏)や岩井先生(高橋和也)には絶対にそんな言い方しないのに。でも、そうやって相手次第でコロッと態度を変えるところは演じていて楽しいです(笑)。

◆看護師役を演じるに当たって、どんな準備をされましたか?

医療機器の扱い方や立ち居振る舞いなども勉強したのですが、よりリアルな部分を表現したくて。それで、実際の看護師や研修医の方々のエッセーを拝見したんです。看護師さんが日々どんな気持ちで仕事に取り組んでいるかとか、研修医さんの目に看護師さんはどんなふうに映っているかとか、いろいろなことが書かれていました。中でも印象的だったのが、“忙しすぎて自分の時間が取れない”という悩み。それが原因で仕事を辞めてしまう方々も少なくないようで、衝撃を受けました。ドラマの後半には千夏の看護師としての葛藤が描かれるシーンもあるので、そういうリアルな声はとても参考になりました。

◆第5話では、末期がんの患者・石井(須賀健太)が“死ぬまでにやりたいこと”をかなえるためにくるみ(恒松祐里)の同行で外出。最後に訪れたのは、自身もがんを患っていながら周囲の人間を気にかける徳田(清水ミチコ)の病室で、彼女を見舞う姿が感動的に描かれていました。奥山さん自身は、この回にどんなことを感じましたか?

医療というのは、病気を治すだけではなく、人として患者さんと向き合うことが大切なんだと、この回を通じて思いました。石井さんや徳田さんだけでなく、病院には他にも拓磨君(潤浩)などの患者さんもいて、それぞれの思いがある。きっと実際の病院も同じで、だからお医者さんや看護師さんはいろんな視点を持たないといけない。そういう意味でも、本当に大変なお仕事だなと思いました。

◆その一方で、千夏が実は野村周平さん演じる研修医の川村と付き合っていて、“壁ドン”されるという場面もありました。

壁ドンなんて人生で初めてのことだったので、本当にドキドキしました。野村さんも経験がなかったらしく、「こういう役は俺じゃなくて亜嵐だろ!(笑)」とおっしゃりつつも、本番では役に入り込んでカッコつけながら演じていらっしゃったのが面白かったです(笑)。千夏と川村先生は、今後も “密会”を重ねていきます。研修医さんのエッセーにも“看護師さんと付き合いがち”と書かれていたので、まさにこういうことなんだろうなと。今後の2人の動向にも注目していただけたらと思います。

◆続く第6話では、研修医たちを厳しく指導する佐藤の知られざる過去が描かれます。

お医者さんは誰でも研修医の時代があって、葛藤しながら一人前になっていく。佐藤先生のそういう背景を知ったことで、雨野君も視聴者の皆さんも佐藤先生の見え方が違ってくるはずです。過去と現在の結びつきが、1つの見どころになるのではないかと思います。

◆撮影は既に全部終えられているそうですね。今回共演には同世代の方々が多かったですが、どんな刺激を受けましたか?

1か月半くらいの短い撮影期間でしたが、研修医役の皆さんは本当に仲が良くて。その雰囲気の良さはお芝居にも反映されていたので、普段からコミュニケーションを取って信頼し合える関係を作っておくことは大事なんだなとあらためて思いました。その輪の中心にいた白濱さんは、とにかくタフ。主演なのでセリフも多く、座長としての役目もあって大変なはずなのに、撮影がない日にはアーティスト活動もされていて。それでも現場では疲れた素振りを全く見せず、いつも笑顔でした。私もそのタフさを見習いたいなと思いました。

◆そういった経験を経て、奧山さん自身、役者さんとして今後どうなっていきたいと考えていますか?

今はただ、頂いた役を1つひとつ丁寧にしっかりと演じていくことを心掛けています。その上で、共演者の方々と積極的にコミュニケーションを取るとか、座長になったらタフでいるとか、今回の現場で吸収したことも生かしながら進んでいけたらなと。スモールステップを積み重ねることで、いつか女優として確かな評価をいただけるように頑張りたいと思っています。

PROFILE

奥山かずさ
●おくやま・かずさ…1994310日生まれ。青森県出身。B型。女優デビュー作は、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』。以降、ドラマ『ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~』『キワドい2人-K2-池袋署刑事課 神崎・黒木』『先生を消す方程式。』などに出演している。

番組紹介

『泣くな研修医』
テレビ朝日系 毎週(土) 後11001130

STAFFCAST
原作:中山祐次郎
脚本:樋口卓治
演出:豊島圭介、朝烏ツワ子、小松隆志
出演:白濱亜嵐、木南晴夏、野村周平、柄本時生、恒松祐里、木村昴、山口智充、高橋和也ほか

(第6話STORY
連日病院に泊まり、疲れがたまっている様子の隆治(白濱)。末期がん患者の石井(須賀健太)からも心配されてしまう。その石井は、やりたいことリストを着々と実行してエンディングの準備を進めているようで、隆治は石井から佐藤先生(木南)と徳田(清水ミチコ)への手紙を託される。が、そこに自分への手紙がないことに少し引っかかる。そんな中、佐藤が病院へ出勤する姿を見かける。佐藤は最近、週1くらいのペースで病院の前にどこかへ寄っているようで、隆治は気になっていた。
いっぽう、川村(野村)と滝谷(柄本)は、疲れている隆治に息抜きさせようとある企画を立てる。間もなく七夕ということもあり、「織姫様に会いに行くぞ!」と無理やり隆治を連れ出した先は合コン。川村や滝谷は女の子たちと盛り上がるが、隆治は1人席を外して外へ。そんな隆治の元へ、合コン相手の1人のはるか(芋生悠)がやって来る。2人で話していると、亡くなったはるかの母の話になり、その母が入院していた時、当時研修医だった佐藤が担当していたことが分かる。さらに、現在の姿からは全く想像できない、意外な佐藤の姿が語られる。
その夜、何度も病院から連絡が入っていたことに気がつかなかった隆治は、合コン終わりに急いで連絡すると、拓磨(潤浩)がまた吐いてしまったと聞き、病院に駆けつけるが…。

text/海老原誠二