堀家一希「役が抜けず、無意識でポケットに手を…」映画「東京リベンジャーズ」パーちん役で出演

特集・インタビュー
2021年07月09日

映画「東京リベンジャーズ」(2021年7月9日(金)全国公開)で、公開前から「原作を完全再現」と話題のパーちんこと林田春樹を演じる堀家一希さん。食事は145回、プロテインを飲みながら筋トレに励み、役作りのため15キロ増量したという。そんな堀家さんに、ヤンキー映画ならではの撮影の苦労や、堀家さんご自身のキャラクターについて伺いました。

◆実際にお会いしたら、パーちんの面影が感じられないほど穏やかな方で驚きました。

そうですよね(笑)。あれから15キロほどやせたんです。確かに今の僕からは想像できないかもしれません。

◆今回、堀家さんは映画「東京リベンジャーズ」にパーちん役での出演です。出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

原作を読んでいたのでめちゃくちゃうれしかったです。

◆パーちんはどんな役ですか?

パーちんは、吉沢亮さん演じるマイキー率いる「東京卍會(とうきょうまんじかい)」のメンバー。親友が「愛美愛主(メビウス)」のメンバーに暴行されてしまい、その敵を討つために「愛美愛主」との抗争を起こすことを決意する、友情に熱い男です。

◆主演の北村匠海さんをはじめ、先ほどあがった吉沢さんらそうそうたるメンバーとの共演ですが、その中でパーちんを演じてみていかがでしたか?

共演者の方の名前を聞いた時に、僕が演じるのは二枚目の役ではないんだなと確信しました(笑)。実際、登場人物みんなキャラが濃くて、パーちんを演じることに不安を感じることもありました。でも、マイキーやドラケン(山田裕貴)たちがみんなカッコよく戦っている中で、1人泥臭く戦うパーちんはすごく男らしくて。実際、演じてみてすごく楽しかったです。

◆役に共感できる部分はありましたか?

パーちんが、仲間のことを思って抗争を起こす理由には共感できました。僕も大切な人を傷付けられたら許せないので。でも、あのけんかっ早さはちょっと…(笑)。僕はああいう大きな抗争が一切起きない、本当に平和な学生生活を送ってきたので、そもそも不良でいることや大勢で殴り合いのけんかを始める状況にいることについては、自分とは全然違うところだなと思いました(笑)。

◆そうなると、あの世界観に入るのは大変だったのでは?

原作を読んでいたので、イメージはしやすかったかもしれません。監督からは原作のキャラクターにそんなに寄せなくてもいいからと言われていましたし、ある程度のイメージは持ちつつ現場でつかんだ雰囲気をパーちんという役に落とし込んでいけたと思います。実際に演じてみたら、自分とは正反対の学生生活だけど、タケミチ(北村匠海)みたいにヒナ(今田美桜)を深く愛したり、大切な仲間を作れたりというのはなかなかできることではないと思うので、登場人物たちのことを少しうらやましくも思いましたね。

◆演じてみて、困ったことなどはありましたか?

役の不良っぽい態度が抜けなくなってしまったんです(笑)。僕、ドラマや映画の撮影期間は普段の日常生活においても、この役だったらこんなふうに考えるんだろうなとか、こんな気分になったら何を食べるのかなとか、演じる役のことを考えすぎてしまうタイプなんですけど。今回もパーちんの気分が入りすぎてしまい、いつのまにかポケットに手を突っ込んでたり、眉間にしわを寄せる表情をしていたりしていて、自分自身に驚くことがよくありました(笑)。

◆コロナ禍で撮影を中断していた期間が1年間あったと伺いました。1年振りに役作りをするのは大変ではありませんでしたか?

「東京リベンジャーズ」の撮影が中断している間、『君と世界が終わる日に』などほかの作品の撮影もあったので、さすがに1年間ずっとパーちんの役を覚えていることはできないなと。撮影再開の目途がたつまで、そこは割り切って考えるようにしていました。でも、ほかのキャストの皆さんは常にいろんな作品に出てらっしゃるので、僕よりももっと大変だったと思います。なのに撮影が再開しても、皆さん何も変わらずで。こういう方たちが売れるんだな、と思いました(笑)。

◆本作には、パーちんのほかにも個性豊かなキャラクターが登場します。堀家さんご自身に一番近いキャラクターは?

あんなにカッコよくはないですが、ドラケンかなあ…。僕も周りを俯瞰して見ているほうだと思います。

◆それは学生時代からそうだったんですか?

そうですね。例えば、学生時代、クラスの中で静かにしている人やあまりなじめていない人がいたら、その人のところに行って声を掛けるとか。友達の間に入ってその場をなじませるのが好きだったので、うるさいわけでもなく静かなわけでもなく、本当に中間の立ち位置で周りを見ていました。

◆ちょっと落ち着いた感じだったんですね。

どちらかと言うと、現実的なタイプなんです。原作を読んだ時も、タケミチみたいに過去に戻らなくてもいいように今をしっかり生きなきゃと思いましたし。物語としてはすごく面白いけど、タイムリープできないのが人生なんだから、人生やり残しがないようにちゃんと生きようって(笑)。

◆体作りもかなりハードに取り組まれたと伺いました。

そうなんです。撮影が始まる前にマネージャーさんからプロテインを渡されて、それを毎日飲みながら筋トレをしたり、1日に45回食事を取ったりして体作りをしました。ある程度の筋肉がないと、衣装の特攻服をカッコよく着こなさせないじゃないですか。監督やプロデューサーさんからも「太ってね」と言われながら頑張りました。

◆現場の雰囲気はいかがでしたか?

寒い時期での撮影だったので、みんなでストーブを囲んでお話したり、僕は共演者の皆さんにいじっていただくことも多かったり、分け隔てない良い現場だったと思います。

◆見せ場のシーンも見どころです。プレッシャーも大きかったのではないでしょうか。

撮影前はすごく緊張していました。でも、共演者の皆さんもスタッフさんも皆さん本当に優しくて、「パーちん、元気か?」とよく気遣ってくださったり、お芝居が終わった後は笑顔で迎えてくださったり。だから不安はもちろんありましたけど、どちらかと言うと楽しさの方が勝っていたと思います。

◆特に楽しかったことは?

三ツ谷役の眞栄田郷敦君と空き時間一緒に過ごしたことです。英語を教えてもらったり、しりとりをしたりして和気あいあいと過ごしていました。三ツ谷はクールでお兄ちゃん的なキャラクターなのに、それを演じる郷敦君って、実際にしゃべってみたらかわいい弟みたいな感じなんですよ。休憩中は特攻服を着ているままで見た目はいかついので、そのギャップがいつも面白かったです。

◆「東京リベンジャーズ」についていろいろお話を伺いましたが、堀家さんご自身について教えてください。今年は堀家さんにとって大きな変化があったそうですね。

はい。事務所主催の「感動シネマアワード」企画の1つ、飯塚花笑監督の映画「世界は僕らに気づかない」で主演を務めることになったんです。今年は『ネメシス』や『イチケイのカラス』などに出演させていただく機会があったんですが、僕の中の一番の変化は、この映画で初主演を務めたこと。撮影を通じて、いい意味で力の抜きどころを知ることができた気がして、すごく成長することができたと思います。

◆撮影を振り返ってみていかがですか?

演技をするという面での気持ちにあまり変わりはないんですけど、全体を見る景色が違うなって。今までは自分の役に集中することで精いっぱいだったんですけど、今回は主演ということもあり、周りの共演者さんやスタッフさんの動きがいつもよりも一層目に入ったし、自分1人でやっているわけではないということが身に染みて分かりました。周りを俯瞰で見る、学生時代の癖が生きて、あまり気負いせずに挑めたんじゃないかなと思います。

◆その作品で演じられるのはどんな役ですか?

フィリピン人と日本人のダブルで、母子家庭で育ったゲイの役。まだ公開は先ですが、ぜひ見ていただきたいです!

◆そんな堀家さんですが、今年、ついにInstagramを始められたとか。

きっかけは『君と世界が終わる日に』のスタッフさんとの何気ない会話から。「堀家君、Twitterしかやってないよね。時代はインスタだよ」って言われて(笑)。

◆昔の映画のレビューなど、興味深い投稿ばかりです。

映画好きなんです。特にロビン・ウィリアムズが好きで、「パッチ・アダムス」「いまを生きる」は繰り返し見てますね。これからも投稿頑張るのでぜひ見てください!

PROFILE

堀家一希
●ほりけ・かずき…19971121日生まれ。岡山県出身。最近の出演作にドラマ『君と世界が終わる日に』『ネメシス』『イチケイのカラス』など。映画「東京リベンジャーズ」(202179日(金)公開)にパーちん役で出演する。

作品情報

映画「東京リベンジャーズ」
202179日(金)全国ロードショー

STAFFCAST
原作:和久井健「東京卍リベンジャーズ」(講談社「週刊少年マガジン」連載中)
監督:英勉
主題歌:SUPER BEAVER「名前を呼ぶよ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
出演:北村匠海、山田裕貴、杉野遥亮、今田美桜 、鈴木伸之、磯村勇斗、間宮祥太朗、吉沢亮ほか

STORY
うだつの上がらない毎日を過ごすタケミチ(北村)は、ある日、人生唯一の恋人だったヒナタ(今田)が殺されたというニュースを目にする。事件を知った翌日、タケミチは駅のホームから転落し電車にひかれそうになるが、目を覚ますとそこは10年前の世界で、負け犬人生を歩むきっかけとなった最悪の高校時代にタイムリープしてしまっていた。もう一度繰り返される、あのころ。最悪の過去でようやく見つけたヒナタを救う唯一の方法は、ヤクザも恐れる危険な組織“東京卍會”を消滅させること。熱い仲間たちとの出会いの中で、ヒナタを救うため、逃げ続けた人生を変えるため、タケミチは弱虫だった“過去”にリベンジし、“今”を変えようとするが…。

photo/映美 text/山村千晴

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