浅野忠信の心に強く刺さったせりふとは?永瀬廉との関係性も明かす『おかえりモネ』

特集・インタビュー
2021年07月08日

現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)で、ヒロイン・百音(清原果耶)の幼なじみ・亮(永瀬廉)の父である及川新次役を演じる浅野忠信さん。

本日7月8日に放送された第39話では、行方不明になっていた新次が見つかり、永浦家に連れられてくる。そして耕治(内野聖陽)や亜哉子(鈴木京香)、龍己(藤竜也)の前で、長い間抱えてきた苦悩を吐きだすのだった。

引き金になったのは、漁に出ている息子・亮から大漁の知らせを受けたこと。「俺に似て、あいつ筋がいいかもしれない」という喜びが湧き上がるのと同時に、それを分かち合える妻・美波(坂井真紀)がいない悲しさや寂しさに襲われたのだろう。

物語の時間軸は、東日本大震災から5年後の2016年。新次は「5年って長いですか」「俺はどん底で何も変わっていない」と切々と思いを語り、迷惑をかけたと頭を下げる。そこから長い続いた沈黙を破ったのは、港から駆け付けた亮だった。

やけになったように美波の“十八番”だった「かもめはかもめ」を歌い、新次の古い携帯電話をつかんで叩きつけようとする亮。だがその手は握り締めたまま、ゆっくりと落ちていく。そんなやりとりにあふれる思いを止められない新次が発した「俺は絶対に立ち直らねえ」というせりふは、浅野さん自身にも強く刺さったという。

◆及川家の過去が描かれた第8週の撮影を振り返って、お気持ちを教えてください。

台本を読みながら涙が止まらなかったです、本当に。せりふの練習をしなくちゃいけないのに、一つのシーンを読むだけで涙が止まらなくて、練習にならないんですね。「俺は絶対に立ち直らねえ」という新次のせりふは、丸め込まれていなくて、僕自身にも強く刺さりました。僕を信頼してあのせりふを言わせてくれた安達さん(※脚本の安達奈緒子)やスタッフさんに感謝ですし、僕にとっても非常に大事なシーンです。

◆息子・亮役を演じる永瀬さんとの共演シーンはいかがですか?

撮影では、廉くんと良いコミュニケーションが取れていると思います。この第8週のシーンを撮影した後も僕の楽屋に来てくれて、2人でそのシーンがどうだったかっていう話もしたりしていて、とてもいい親子関係を作れていると思います。

◆耕治と新次の関係性についてはどう思われますか?

ずっと一緒に育ってきた幼なじみで、強い絆があると信じています。新次は、誰が悪いわけでなく、地震というものによって大切なものを失いました。親友である耕治との関係も、仲がよかったからこそお互い複雑な気持ちを持っているのではないかなと。そういう意味では、耕治に甘えている部分があって、強く当たってしまうんだと思います。

番組情報

連続テレビ小説『おかえりモネ』
NHK総合ほか
毎週月〜土曜日 前8・00〜8・15ほか

©NHK