BLUE ENCOUNTインタビュー「悩んでいたり、不安を持っていたりする今だからこそ、僕たちの音楽が必要なはず」

特集・インタビュー
2021年09月11日

◆デモを聴いた時の印象は?

辻村勇太(Ba.):候補は3曲あったんです。全部色が違って、僕はどれも好きでした。どれがタイアップになっても後悔のない曲たちだったし、まだ仮の歌詞ではありましたけど、サビはしっかりブルエンっぽさがあって。

高村佳秀(Dr.):「囮囚」は初期のデモでは、もうちょっとクールな感じに仕上がっていたんです。ドラマ主題歌であることはもちろんですが、今後やっていく僕らの音楽性をどう示していくかというのも形にしたいなと思っていたので、より自分たちらしく、かつドラマによく合う曲にしようと。

江口雄也(Gt.):もともとはもう少し爽やかなテイストを土台にしていたんです。でも曲作りが進むにつれて、ちょっとずつ今のダークな形になっていって…。

田邊:ポップスから、徐々に化けていったんだよね。

江口:そう。タイトルは最後に決めたんですが、曲ができていく過程が“バケモノ”になっていく様そのもので面白かったですね。

◆なぜ「囮囚」(読み:ばけもの)というタイトルに?

田邊:今作のボスキャラである白塗り野郎は、善だった人を悪にしていき、弱った人の心を毒していくのですが、それはドラマに限った話じゃないんですよね。僕らの日常でも、誰かが誰かを言葉で傷つけたり、誹謗中傷で人を殺めたりしている。その人にとっては正義で、善だと思っていたことが、他人にとっては悪になっていることもあるし、弱さに付け込まれて、気づけば自分が化け物になっていることもあるんだよと。

◆“囮”と“囚”を組み合わせたタイトル表記も話題です。

田邊:文字の二つは、もともと別個で歌詞に入っていたんです。囮にとらわれて、弱い心に付け込まれ、化け物になっている…という方程式ができた時に、二つを掛け合わせた造語を作ってみようと考えて。化け物自体もまた、足枷や首輪でつながれて囲われてるなと。これに気づいた時、結局世の中は堂々巡りなんだということがこの文字で表せるのではないかと思いました。

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