「となりの関くん」でドラマ初主演!渡辺佑太朗インタビュー

特集・インタビュー
2015年07月23日

累計発行部数320万部突破(2015年4月現在)の大人気コミック「となりの関くん」と、業界で大注目の「るみちゃんの事象」が豪華2本立てで実写ドラマ化。「となりの関くん」パートの主人公・関俊成役の渡辺佑太朗さんに撮影エピソードや、自身の学生時代について伺いました。

主演が決まったときは「嘘だろ!」と思いました(笑)

――原作を読んだことはありましたか?

役が決まってから、原作を読みました。漫画としてはすごく面白いと思ったんですけど、『これをドラマにするのか?』と、驚きました(笑)。
電話で役をもらったことを聞いて「『となりの関くん』の関くんの役だよ」と言われて。あれ…となりの関くんの関くん役ってことは…って(笑)。嘘だろ!と思いました(笑)。

――初めての主演作となります

関くん役に決まったときは、うれしさというよりは不安しかありませんでした。
全然世に知られていない自分が主役をやるのか…と思って。でも原作が面白かったので、頑張ろう!というのはありました。正直、漫画を実写化するのって難しいというか、「えー…」って思う人もやっぱりいると思うんです。人気の漫画だし、しかもその主役を僕がやるので…。だからそんな人を見返したいというか。「実写化するのは不安だったけど、いざ見たら面白いじゃん!」って思わせたくて。その反骨精神みたいなものがあって、絶対面白くしてやろう! という気持ちです。

――漫画の世界観がリアルに再現されていますよね。

そうなんです。関くんは先生にばれないようにしながら、授業中に机の上でいろんな遊びをする天才なんですが、そのちっちゃい遊び道具がどんな物になって出てくるんだろうと、全く想像がつかなくて少し不安だったんです。でも、いざ撮影が始まると美術さんがすごくて。漫画のまま、そのまま持ってきました!みたいな物を、どの作品も作ってくださって。特に将棋には感動しました。複雑な仕掛けが完全に再現されていて。漫画を読んで「これはどうなるんだろう?」と特に思っていただけに、「すげー!!」と思わず声を出してしまいました(笑)。

小道具がこんなに完成度が高いんだったら絶対面白くなると思うし、僕も身が引き締まりました。ここまでやってもらったんだから、僕も関くんをちゃんと頑張らなきゃ、という気持ちです。

清水さんはさっぱりとしていて、独特な方

(C)2015森繁拓真・KADOKAWA刊/ドラマの関くん製作委員会

――関くんとご自身が重なるところはありますか?

学生時代はずっと野球をやっていて、関くんみたいにこっそり遊んだりはしませんでした。特に高校生の頃は、授業中はいつの間にか寝ているという感じで(笑)。
関くんは少年の心を持っているというか、あれだけ遊びに没頭しているじゃないですか。自分の妄想の世界もあると思うし。僕も妄想してずっと考えて「ふふふ」と笑っちゃうところがあるのでリンクしているのかな、と思います(笑)。

――せりふのない関くんを演じるにあたって気をつけていることはありますか?

せりふは物語を伝えるための、すごく重要なツールですよね。演じていても、しゃべりたい! と思うことはあるし…(笑)。でも原作は大事にしたいので、我慢をしている部分はたしかにあります…(笑)。表情だけの演技は、ちょっとした目線や口の動きで全部意味合いが変わってくるし、微妙なニュアンスをちゃんと表現しないと伝わらないし、すごく難しいです。でも関くんは漫画なので、ある程度の表情の完成形は出来ています。撮影では、僕が大きめに表情を作って、監督に抑えてもらいながらちょっとずつ作っていく、ということをやっています。台本と漫画を交互に見て、これはこういう表情か、たしかに関くんならこんな表情だ、と見て確認して、関くんを作っています。

――関くんのとなりの席のマジメ女子・横井さん役を清水富美加さんが演じています。

仲良くなったのは、撮影が始まって3日くらい経ってからでした。意外と波長が合う人だな、と。すごくさっぱりとしていて、面白い、独特な方です。お互いせりふがないから撮影中はシーンとしていて、ストレスが溜まるというか(笑)、発散したくなるんですよね。
「カット」がかかってから2人でずっとしゃべっていて、よく分かんない話をしています。「粉ミルク」って面白い言葉だよね、とか(笑)、あとは立ち相撲をしたりとか。何年間もクラスメイトだったような、本当に同級生のような感じです。僕もすごくやりやすいし、感謝しています。

微妙なニュアンスを伝えられる役者になりたい

――俳優を目指したきっかけは?

父の影響で野球を始めて、学生時代はずっとやっていたんです。甲子園に行けるような強い学校で、練習も厳しかったし。でも甲子園には行けなくて、野球終わったらどうしようかな…と、何をこれからやっていくんだろう…と考えていたら、ふと“役者”が思い浮かんだんです。それから強烈に興味を持ち始めて、それまでは映画もドラマも全く観てこなかったけどはまりだして。こんなに面白いものなんだ!と気づいてから役者やりたいな、と思いました。

――これからやってみたい役はありますか?

狂気を持った役をやってみたいです。関くんも、ある種の狂気を持っているとは思うんですけど(笑)。せっかく役者としてやらせていただくんだったら、日常生活では絶対体験できないことをやる役がいいですね。サスペンスとか、バイオレンス的なものとか。映画もそういうジャンルが好きだし、今読んでいる本もそんな話です(笑)。

――どんな俳優を目指していますか?

お芝居の幅が広くて、微妙なニュアンスもきちんと形にして表現できる、そんな俳優になりたいです。10人お客さんがいたら、10人に“この人こういう気持ちなんだな”と伝えることができる俳優になりたいですね。

ドラマ史上今までないような独特な作品

「となりの関くん」(C)Takuma Morishige

――今回のドラマは「るみちゃんの事象」と2本立てになります

「るみちゃんの事象」も漫画を読みましたが、とんでもない感じですごく面白くて(笑)。
2本立てなので、30分で2度おいしい、みたいな(笑)。るみちゃんはすごいよくしゃべるんですよね。僕のほうの関くんの、全くしゃべらないのと、すごくしゃべるのと、この振り幅も楽しんでいただけると思います。30分の中でいろんな感情だったり、面白い体験を、見ていただく方にも画面を通して感じていただけるかな、と思います。

――最後に見どころをお願いします。

「となりの関くん」は会話が全くない、ドラマ史上今までないんじゃないか、というくらい独特な作品です(笑)。本当にそのまま、原作を実写化しました!というようなドラマになっています。原作ファンにも楽しんでいただけると思いますし、漫画を読んだことのない人でも楽しんでいただけると思います。関くんもるみちゃんも1話完結なので、最悪1話見逃しても次からまた楽しめます(笑)。両方何も考えず、頭を空っぽにして軽い気持ちで見ていただける、良い意味で気楽なドラマだと思います。僕も放送が楽しみです!

 

PROFILE

渡辺佑太朗
わたなべ・ゆうたろう…1994年3月14日生まれ。新潟県出身。
趣味は映画鑑賞。特技は小・中・高の9年間続けた野球。ポジションはピッチャーでサウスポー。劇団ハーベスト「MIRACLE8」@中野MOMO 8月5日~9日への出演が控えている

公式ブログ(http://ameblo.jp/yuutaro-w/

 

作品情報

「となりの関くんとるみちゃんの事象」
MBS7月26日(日)スタート 毎週日曜深0・50~1・20
TBS7月28日(火)スタート 毎週火曜深1・11~1・41

『となりの関くん』
原作:森繁拓真「となりの関くん」(KADOKAWA「月刊コミックフラッパー」連載)
演出:細川徹、平林克理
脚本:細川徹
出演:渡辺佑太朗、清水富美加ほか
制作:ダブ
製作:ドラマの関くん製作委員会・MBS

『るみちゃんの事象』
原作:原克玄「るみちゃんの事象」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載)
演出:月川翔、深迫康之
脚本:月川翔
出演:トミタ栞ほか
制作:ダブ
製作:るみちゃんのドラマ製作委員会・MBS

公式サイト(http://www.drama-sekirumi.com/
公式Twitter(https://twitter.com/sekirumi

 

●取材/田代良恵