柏木由紀が語る、AKB48とWACKの違いとは?「AKBでは怒られるけど…」

特集・インタビュー
2021年12月12日

柏木由紀「柏木由紀なりのWACK」インタビュー

柏木由紀さんがWACK所属の7グループに加入するプロジェクト「柏木由紀なりのWACK」のシングルが11月30日(火)に7作同時リリース。今回、BiSH、EMPiRE、BiS、豆柴の大群、GO TO THE BEDS、PARADISES、ASPとコラボレーションを果たした柏木さんに、楽曲の聞きどころや活動を通して得たものなどについて聞きました。

 

◆今回7グループに参加された感想から教えてください。

まずこの企画が始まると聞いて、「楽しみだな」という気持ちが半分、「WACKの皆さんやファンの方はどう思うんだろう?」という不安な気持ちが半分でした。でもこうして貴重な機会を頂いたからには精一杯やりきりたいなと思って。“それぞれのグループのカラーに馴染む”ということを目標に取り組みました。これまでAKB48として活動する中では王道のアイドルソングを披露する機会が多かったので、「夏のバカヤロー」や「ずっと気になるズッキーニ」はいつもの自分らしさが出せた楽曲だなと思います。反対にASPやGO TO THE BEDSのように振り切った楽曲は表現が難しかったです。

◆そんな中で特に苦戦された楽曲は?

BiSHの「BAD TEMPER」ですね。すごく振り切っているわけではないけれど“BiSHらしさ”というものを強く感じて。特にパフォーマンス面では、感情を乗せて踊ることの難しさを痛感しました。どう表現したらいいのか悩みましたが、アイナ(・ジ・エンド)君(と呼ばされてます(笑))がマンツーマンでいろいろと教えてくれたおかげもあり、私なりの見せ方が出来たような気がします。

柏木由紀「柏木由紀なりのWACK」インタビュー

◆どの曲も個性豊かですが、それぞれにキャッチコピーを付けながら楽曲紹介をしていただけますか?

はい! まずBiSHの「BAD TEMPER」は個人的な考えになってしまいますが“私のための応援歌”だなと思います。以前、脊髄空洞症の治療で休養することになり、このプロジェクトをはじめとしたスケジュールを予定通りこなせなくなってしまったことがあったんです。そんな時にこの楽曲を聞いて、歌詞がすごく自分とリンクしているなと感じて。私自身とても励まされましたし、この曲をより大事にしたいという気持ちになりました。

◆応援ソングというとBiSさんの楽曲「ANYTiME ANYTHiNG」にも近い部分があるような気がします。

まさにそうですね。BiSは応援ソングの中でも“不器用な人に向けた応援ソング”だなと。悩んでいてもなかなか周囲に助けを求められない人に向けて、歌で優しく救いの手を差し伸べてくれているような印象を受けました。サウンドプロデューサーの松隈(ケンタ)さんが私の声は「BiSと一番合っている」と言ってくださったんですが、レコーディングした時は実感がなくて。でも完成した曲を聴いて曲のまとまりを感じることができたので、自分でも納得できました。

◆続いてEMPiREの「時間が足りない」について。

とても簡単な歌詞で“時間が足りないということだけを歌っているんですが(笑)、覚えやすいし耳に残るので”気付いたら歌いたくなるクセになる曲“だと思います。サウンドとして強烈なインパクトがあるわけではないけど、同じフレーズを何回も繰り返すことによってキャッチーな印象になる。スルメ曲ですね。

柏木由紀「柏木由紀なりのWACK」インタビュー

◆豆柴の大群「ずっと気になるズッキーニ」は先程おっしゃられていた王道のアイドルソングです。

この曲は安田大サーカスのクロちゃんが作詞をしてくれた曲。正直初めて歌詞を読んだ時はあまり内容や意味がピンと来なくて(笑)。でもこれまで私がAKB48の一員として活動する中で姉妹グループを兼任していたり、今回も同時期に7グループに参加させていただいたりと、いろんな場所で活動している姿を“渡り鳥”にたとえているということを知ってからは「なるほど!」と。直接的に私だと分かる内容ではないけど、だからこそ豆柴の大群にも合う曲になっているんだなと思いました。キャッチコピーを付けるなら、ストレートに“クロちゃんからもらったアイドルソング”ですね(笑)。PARADISESの「夏のバカヤロー」も曲調はアイドルらしさ溢れる楽曲なのですが、実はストーカー目線で歌詞が書かれていて。そう言われてからあらためて歌詞を読み直してみると「分かる! 愛が強い!」と鳥肌が立ちました(笑)。キャッチコピーは“ストーカーの愛、爆発ソング”です。

◆残すはGO TO THE BEDSとASPの二曲です。

GO TO THE BEDSの「TRUE SONG」はこれまでに歌ったことのないような楽曲で、とにかく新鮮でした。私自身聞いていて感情を揺さぶられる一曲でしたし、まさに“魂の叫び”だなと。ちなみに私の母の推し曲でもあります(笑)。ASPの「AGAiNST THE WORLD」は“チャレンジ”。独自の世界観があって、今回のメイクでもそれが表されていると思うのですが、曲を聴くと“自分を貫くんだ!”という強い意志も感じられるんですよね。そういったメッセージ性のあるイマドキの楽曲を、この印象的なメイクを施した顔でどう見せるのかということを考えたり、普段なかなか披露することのないラップにも挑戦したので、そういった意味でもチャレンジだったなと思います。

柏木由紀「柏木由紀なりのWACK」インタビュー

◆では各グループのメンバーの皆さんとのエピソードを教えてください。

普段ほかのアイドルグループの方と交流する機会がなかったので、レッスンやMV撮影の合間にいろんなお話ができたことが本当に楽しかったです。お互い同じアイドルですが、環境ややり方が全く違うので、話を聞いていると面白くて。例えばWACKの皆さんはパフォーマンス後に衣装を持って帰って自分で洗って持ってくるそうなんです。でもAKB48はそうではないし、逆に何かを持って帰ったら怒られるくらいなので(笑)、その違いに驚きましたね。他にもヘアメイクのことやセットリストの構成の仕方など、意外な発見が多くてみんなでワイワイ話しているうちに自然と距離が縮まっていきました。

柏木由紀「柏木由紀なりのWACK」インタビュー

◆今回の企画を通して刺激を受けたことは?

アイナ君のパフォーマンスに対する意識ですね。あらためて近くで踊っている姿を見たり直接教えてもらったりすると、アイドルとしてだけでなくクリエイターのような雰囲気も感じて。上から目線のような言い方になってしまうのですが「この人天才だ…!」と圧倒されました。あと、BiSの自由さ。ジャケット写真の撮影時にスタッフさんから「自由に動いてみて」という指示があったんですが、メンバーのみんなはその場で逆立ちをしたりお弁当を食べ始めたりと予想外の行動ばかりしていたんです(笑)。私だったら自由にと言われても、ある程度の限度を決めてその中で動いてしまうと思うので「自由って本当に何でもいいんだ!」と勉強になりました。

◆身になる経験ばかりだったんですね。活動を通して一番得たものは何だったのでしょうか?

かわいく見せるだけがアイドルじゃないということですね。メンバーの皆に話を聞くと「命をかけてこの仕事をしています」とか「ライブも死ぬ気でやってます」と言っていて。とにかく熱いんですよ。私も長年アイドルとして活動してきましたが、テレビ番組や雑誌の撮影ではなるべくかわいく見られたいと思っていましたし、ライブでは「あと半分あるからペース配分に注意して体力を残しておかなきゃ」などといつの間にか考えるようになっていたんですよね。むしろ、考えるべきだとさえ思っていた。でも皆と話したことで、アイドルとして大切な聞く人に届けるための熱量を忘れてかけてしまっていたと気付かされました。自分の想いを曲に込めるには、全身全霊をかける必要がある。WACKの皆さんはそれを体現しているからこそ、見る人の心を動かすパフォーマンスができているんだなと思いました。

◆では、あらためて最後にメッセージをお願いします。

それぞれのグループのカラーを生かした魅力的な楽曲に仕上がったと思っています。曲ごとに異なる新たな柏木由紀を見てもらえると思うので、7曲全て見たり聞いたりしていただいて、お気に入りの私を見つけていただけたらうれしいです。また、今回のコラボレーションを通してWACKのファンの方は私やAKB48を、私のファンの方はWACKを知る良い機会になったんじゃないかなと思っています。私がこの企画に参加したことで少しでも多くの方にAKB48を知っていただくきっかけになれたらと思っていますし、お互い違った良さがあるので少しでも興味を持ってもらえたらなと。シングルは1枚550円という手に取りやすい価格ですし(笑)、総選挙などのユニークな企画もあります! そういった部分も含めて“柏WACK”をぜひ楽しんでいただきたいです!

柏木由紀「柏木由紀なりのWACK」インタビュー

リリース情報

「柏木由紀なりのBiSH -BAD TEMPER-」

 

「柏木由紀なりのEMPiRE -時間が足りない-」

 

「柏木由紀なりのBiS -ANYTiME ANYTHiNG-」

「柏木由紀なりの豆柴の大群 -ずっと気になるズッキーニ-」

「柏木由紀なりのGO TO THE BEDS -TRUE SONG-」

「柏木由紀なりのPARADISES -夏のバカヤロー-」

「柏木由紀なりのASP -AGAiNST THE WORLD-」

現在発売中/各550円(税込)

公演情報

『柏木由紀なりのWACK EXHiBiTiON and SELECT 7』
2021年12月27日(月) 東京・TOKYO DOME CITY HALL
開場:17:00 開演18:00
出演:ASP / BiS / BiSH / EMPiRE / GO TO THE BEDS / PARADISES / 柏木由紀 / 豆柴の大群

チケット料金:通常チケット 全席指定 ¥9,000(税込)
※チケットは電子チケットでの取り扱いとなります。
※小学生以上有料。未就学児童は入場不可。
※行政の指示により夜の部の開場/開演時間が早くなる可能性がありますので予めご了承下さい。

柏木由紀オフィシャルサイト:https://yukikashiwagi.jp/

 

photo/ota_sam text/矢嶋咲良

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