林遣都インタビュー「(溝端)淳平君とはどのシーンでもせりふを交わしているだけで特別な気持ちになります」『愛しい嘘~優しい闇~』

特集・インタビュー
2022年02月11日

『愛しい嘘~優しい闇~』

愛本みずほによる人気コミック「愛しい嘘 優しい闇」をドラマ化した現在放送中の『愛しい嘘~優しい闇~』(テレビ朝日系)がいよいよ中盤に突入。主人公・望緒(波瑠)の身に降りかかるいくつもの事件、謎だらけの雨宮(林遣都)に翻弄されていく恋愛模様、そして登場人物たちを今も縛り続ける14年前のある出来事など、複雑に絡み合う多くの謎に視聴者も大きな盛り上がりを見せている。TV LIFE webでは主要キャストをつとめる、波瑠、林遣都、溝端淳平、本仮屋ユイカ、黒川智花、新川優愛の6人によるリレーインタビューを実施。第5回にご登場いただくのは、雨宮秀一役の林遣都さん。「第5話からいわば第2章のスタート」と話す林さんに、後半戦に向けてのドラマの見どころを伺いました。

 

◆ドラマ撮影前のインタビューでは雨宮役に対して、「自分とはかけ離れたキャラクターになりそう」とお話をされていました。実際に演じられてみていかがですか?

今もものすごく感じています。“あ〜、これは自分とはまるで違う、作り物の姿だな”って(笑)。メイクさんに毎朝、髪形をセットしていただくことがスイッチになって雨宮秀一に没入できているんですが、彼はいろいろと完璧な男ですし、実際の僕は比べようもないほど雨宮とは違います。

◆演技にも難しさを感じますか?

難しさとは少し違いますが、最初に原作を読んで画のタッチを見た時に、これは困ったなと思いました(笑)。どうしても漫画だからこそ表現できる表情や仕草などがあって、それを実写でそのまま演じようとすると不自然さが出てしまうんです。その後、脚本を拝読したら、せりふの言い回しにも普段使い慣れていない言葉遣いがあり、また悩んで…。なんとかクランクインまでには自分の中に雨宮を染み込ませていこうと試行錯誤を重ね、撮影に臨みました。そうしたら、いつの間にか私生活でも自分のことを“僕”って呼ぶようになっていたので、知らないうちに役が少しずつ馴染んでいたんだなとホッとしました。

◆先ほど雨宮を「完璧な男」と表現されていましたが、このドラマの中では、かえってそれが怪しさにつながっていますね。

そうですね(笑)。もちろん雨宮だけじゃなく、登場人物全員が嘘を抱えているから、怪しいところがあるんです。撮影が始まった頃は、共演者の皆さんと「誰が黒幕なんだろうね?」という話もよくしていました。でも撮影が半分を過ぎて、おおまかな展開はプロデューサーさんから伝えられていたので「そうなるのか」と驚きつつ、今は演じています。先日、第1話を見返してみたのですが、「あ、この役はこんなところで伏線を張っていたんだ!?」とたくさんの発見があり、みんな知らないところでいろいろ仕掛けていたんだなって、改めてミステリー作品の面白さを堪能しました。

『愛しい嘘~優しい闇~』

◆この連載では、キャストの皆さんから何度か「望緒が最終的な黒幕だったら面白い」という意見が出ていましたが…。

波瑠さん自身が以前そういった役を経験したことがあるようで、現場でも「望緒の本性が犯罪者だったら一番意外な展開だね」って話していました。ただ、もしそうだとしたら、これまで雨宮が頑張って望緒のことを支えたり、アドバイスを送っていたことは全部意味がなかったってことになりますよね。それはそれで寂しい気がします(笑)。

◆そんな雨宮と望緒の恋の行方も気になります。林さんから見て、望緒はどのような女性に映っていますか?

最初は気持ちの弱い部分がフィーチャーされていましたが、どんどん強くなっているなと思います。それに、波瑠さんのこれまでの出演作品を拝見すると強い女性を演じている印象が強かったので、望緒のように自信がなく、控えめで健気な役はすごく新鮮でした。でもそれがすごく素敵で、雨宮としても何の迷いもなく守りたくなる女性だなと感じています。

『愛しい嘘~優しい闇~』

◆では、改めて第4話までを振り返り、この作品の魅力を教えてください。

ミステリーとしての素晴らしさはもちろんですが、登場人物たちの心情がリアルに表現されているなと感じます。生きていれば、誰にだっていろんな感情が芽生え、それを隠したり、時には嘘をついてごまかしてしまうことが1つや2つはあると思うんです。場合によっては、誰かのためを思って振る舞っていたことが、知らず知らずのうちにその人や、別の誰かを傷つけてしまっていたり。望緒や奈々江(新川優愛)の関係性や2人の感情だって、デフォルメされて描かれてはいますが、誰も悪くないのにぶつかりあって、不幸なことが生まれてしまった。そうしたリアルさが詰まったドラマでもあるなと思います。

◆林さん自身は、他人の嘘には気づくほうですか?

気づいたり、見抜いたりすることはできませんが、普段からお芝居をしているからか、常に他人を観察しちゃうところはあります。話し相手の表情を見てしまったり、心の奥にあるものを探ろうとしてしまったり。…ほんと、イヤなくせですよね(笑)。

◆無意識のうちにしてしまうんですね。

そうなんです。そんなことをしても疲れてしまうだけですし、仮に何か隠しごとがあるのかなと感じても、自分からは触れられないので、こんなくせは早くなくしたいです。

『愛しい嘘~優しい闇~』

◆ちなみに本作は14年ぶりに同級生たちと再会したところから物語が始まっていますが、林さんは14年前の自分と今を比べて変わったなと感じるところ、変わらないなと思う部分はありますか?

昔から小さなことを気にしがちなのは、今も同じですね。あと、こうしたインタビューを受けている時にパッと答えが出ず、考えすぎてしまうところも変わらないかもしれません。逆に変わった部分と言いますか、最近すごく大切にしているのは、共演者の方やスタッフさんに自分からコミュニケーションを取るようにすること。つい相手がどう思っているんだろうと考えすぎて踏み込めないことが多かったんですが、そうならないように心がけています。

◆それは何かきっかけがあったんでしょうか?

いろんな先輩方の姿を見て、ですね。僕自身、共演者の方やスタッフさんから話しかけてもらえるとすごくうれしいですし、だったら自分も同じことをしようと思って。それに周囲への気配りができる方って、一緒にいるだけで楽しいですし、素敵だなと思います。なので、人見知りだという自分の性格を言い訳にせず、なるべく積極的にコミュニケーションをとっていこうと思うようになりました。

『愛しい嘘~優しい闇~』

◆今回の座組でいうと、稜役の溝端淳平さんとはまさに14年ぶりの共演です。先週の連載インタビューで溝端さんから、「第2話のワインのシーンが久々の共演の撮影だった」とお聞きしました。

あのシーンは僕もたまらなくうれしかったです。映画「DIVE!!」で共演し、当時はこの仕事を始めて間もない頃でしたので、お互いいろんなことを学びながら必死でした。淳平君とはその後、一度も共演がなくて。こうして14年ぶりに共演できて、しかも最初のカットが2人きりのシーンだったことがすごく感慨深かったです。撮影中は、「お互いずっと続けられることが当たり前じゃない世界で役者を続けてこられて、しかもこんなにも面白い作品で再会できるなんて、本当に幸せだね」といった話をしていました。淳平君は僕にとって、ライバルとか負けたくないという感情とはまた違った形で意識し続けてしまう役者さんなんです。だからこそ、どのシーンでもせりふを交わしているだけで、なんだか特別な気持ちになりますね。

◆溝端さんからは、林さんと「舞台で共演したい」というメッセージもいただいています。

本当ですか? うれしいです。いつか実現させたいです。

◆また、次週の連載にご登場いただく波瑠さんとは15年前に共演されていますね。

はい。初めてご一緒したのは映画「ちーちゃんは悠久の向こう」でした。その後、何度か共演させていただいていますが、波瑠さんはいつも一緒にお芝居をしていて楽しい方ですし、10代の頃から、他にはない安定感をお持ちだなという印象があります。波瑠さんの演技を見るたびに、僕ももっと良いお芝居をしないといけないなと励みになりますし、これからお互い40歳、50歳と年齢を重ねながら、また別の作品で共演できたらいいなと思います。

◆では最後に、第5話の見どころをお願いします!

これまでのストーリーは原作に沿った部分が多かったので、何となく次の展開が予測できていた方も多かったのではないでしょうか。でも、ここからはドラマオリジナルの要素がさらに増していきます。僕自身、第5話と第6話の脚本を読んだ時、あまりの面白さに熱くこみ上げるものがありました。新しい登場人物も出てきますし、その意味では第2章のスタートとも言えますので、ぜひ楽しみにしていてください。

PROFILE

『愛しい嘘~優しい闇~』

林遣都
●はやし・けんと…1990年12月6日生まれ。滋賀県出身。O型。2007年のデビュー作『バッテリー』で多くの新人賞を受賞。最近の話題作にドラマ『失恋めし』(Amazonプライム)、『ドラゴン桜』(TBS系)、映画「恋する寄生虫」「護られなかった者たちへ」「犬部!」など。4月4日(月)から舞台「セールスマンの死」が東京・パルコ劇場ほかにて全国で巡演。

番組情報

金曜ナイトドラマ『愛しい嘘~優しい闇~』
テレビ朝日系
毎週金曜 後11・15~深0・15ほか
※2月11日(金)放送の第5話は、後11・25~

原作:愛本みずほ
脚本:丑尾健太郎、神田優
演出:樹下直美、日暮謙、木内健人
出演:波瑠、林遣都、本仮屋ユイカ、黒川智花・徳重聡・新川優愛、溝端淳平ほか

公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/itouso/
公式Twitter:@itouso_tvasahi
公式Instagram:@itouso_tv_asahi

第5話(2月11日放送)あらすじ

望緒(波瑠)の初恋の人で、中学時代の仲良し6人組の1人・雨宮(林遣都)が刺された。犯人は、毒入りワインを飲んで亡くなった6人組のメンバー・優美(黒川智花)の夫である野瀬正(徳重聡)。どんな確証があったのかは分からないが、妻の不倫相手が雨宮だと考え、凶行に及んでいた。この事件を機に、仲間であるはずの雨宮に対して不信感を強めた本田玲子(本仮屋ユイカ)は、こっそり身辺調査を開始する。
一方、雨宮を信じたい一心で、望緒は彼の潔白を証明しようと決意。幼なじみの稜(溝端淳平)と共に、優美の車のカーナビ走行履歴を調べる。すると、優美が同級生“連続不審死”事件の第1犠牲者・奈々江(新川優愛)を殺した日、喫茶店に行っていたことが判明。店主に確かめたところ、優美は男性と一緒に来店したという。しかもその男性は、店主が娘の名前を呼んだ瞬間、ギョッとしたように振り返ったというのだ。その名前とは「ミユキ」―今から14年前、中学生だった稜と玲子、優美、奈々江が打ち上げた花火によって自宅が火事となり、転校した同級生・中野幸と同じ名前だった。
望緒と稜は中野のことを調べるため、恩師のもとへ。火事で両親を亡くした中野が身を寄せていた親戚の家の住所を教えてもらう。そんな中、“耳を疑うような衝撃の事実”が次々と発覚。さらに、望緒のもとへ、またしても命を脅かす黒い影が迫り…。

 

photo/中村功 text/倉田モトキ

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