The Brow Beatインタビュー「このスタイルが他にはない面白さであり、武器だと感じています」

特集・インタビュー
2022年05月01日

The Brow Beatインタビュー

2.5次元舞台を中心に飛躍を続ける俳優・佐藤流司さんがアーティスト・Ryujiとして始動させたバンドプロジェクト・The Brow Beat。ヴィジュアル系バンドにおけるレジェンド・PENICILLINのボーカル・HAKUEIさんが、プロデュースのみならずツインボーカルとしても共に唯一無二の世界観を創り上げている。昨年7月のメジャーデビュー以降、快進撃を続ける彼らが先日ついにメジャー1stアルバム「404(フォーオーフォー)」をリリース。Ryujiさんが作詞を、草野華余子さんが作曲を担当したリード楽曲「銃声」をはじめ、収録楽曲に込めた思いやねらい、お互いに感じていることなどを聞きました。

◆まず、このアルバムに込めた思いを教えてください。

Ryuji:「404」というタイトルは、まだまだThe Brow Beatの底は見えない、見つからないという意味合いがあって。

HAKUEI:今まで「The Brow Beatの曲ってこういう感じだよね」と思っていた方々も、きっとアルバムを聴くと更なる振り幅に驚かれるんじゃないかなと思います。

Ryuji:“ロック”とかそういったひと言では片づけられないというか、表現できないというか。そんな思いも込めて、「404」というタイトルにしました。

◆インディーズ時代にリリースされたアルバム「Hameln」と「Adam」では、それぞれ“グリム童話”や“人類”などのテーマがあったように思うのですが、今回は何かテーマはあったのでしょうか。

Ryuji:うーん…。実は、今までもあるようでないようなものだったんです。

HAKUEI:そうだね。世界観を分かりやすく表現するために、そういった象徴的な言葉を使っていた感じです。あまり決めすぎてしまうと世界観が小さくなってしまう気がして。歌詞もガチガチには固めず、でも何となく全体としてそのテーマを意識しながら作っていく、という形をとっていました。今回も、今の僕らが表現すべき音楽というものを追求しつつ、作品としてのまとまりが出るように…と。

◆追求した結果が、この「404」というアルバムにつながるわけですね。

HAKUEI:そうですね。もしテーマがあるとしたら、人の精神的な部分じゃないかな。この「404」というタイトルは制作中にRyuji君が出してきてくれたのですが、それに触発されて、「もっとアグレッシブに突っ込もう」とか「こういう楽曲のほうが似合うかも」と表現の仕方が変わっていった部分はあると思います。

◆今回のリード楽曲「銃声」は、作曲を草野華余子さんが、作詞をRyujiさんが手掛けられています。共に楽曲を作られてみていかがでしたか?

Ryuji:率直にタイアップがほしいです!(笑) そのくらい熱い曲ですし、すごく聞きやすい楽曲になっています。

HAKUEI:草野さんとは何度も話し合いをさせていただいたのですが、「草野さんの持ち味をがっつり入れていただきたいです」とお願いして、最終的にこの形になりました。せっかくなら、僕らに似合いそうな曲を作っていただくよりも、彼女の世界観が色濃く出ているものを僕らが歌うほうがハイブリッドで面白いなと思ったんです。

◆Ryujiさんがこの歌詞に込めた思いは…?

Ryuji:歌詞カードをじっくり見ないと意味が分からない、というようなものではなく、分かりやすくスッと入ってくる言葉で“応援歌”を作れたらなと。皆さんが聴いていて元気が出るようなワードはなんだろう、と模索しながら書きました。

The Brow Beatインタビュー

◆このアルバムの聞きどころを教えてください。

HAKUEI:「全部」って言いたくなっちゃうくらい、どのポイントをとっても濃いですし、その曲ならではの尖り方をしています。音楽を聞いてスカッとしたいなとか、別の世界に浸りたいなとか、そういった方をはじめ、刺激的な音楽が好きな人は絶対にどの曲も好きだと思います。ただ聞き流すだけでなく、歌詞をじっくり読んでみたりと、ぜひすみずみまで楽しんでいただきたいです。

Ryuji:本当に、毎度毎度言ってはいるんですけど、必ず1曲は「いいな」と思っていただける曲が入っているような、多彩なアルバムになっています。いろいろな方面に突き抜けているので、まずは聞いてみていただきたいですね。

◆「銃声」のMusic Videoも、「世界観が刺さる」「自分と重なる」などと話題を呼んでいます。監修を務めたRyujiさんのねらいを教えてください。

Ryuji:まず、見ている方が親近感を感じられるものがいいなと思ったんです。例えば、バンドマンを夢見る人を主人公にしても、きっと一部の方しか共感できないじゃないですか。でも、こういう表現であればより多くの方に刺さるのかなと。

◆確かに、私も思わず感情移入してしまう部分がたくさんありました。

Ryuji:今回のMVは主人公がサラリーマンなのですが、仕事がうまくいかなかったり、道端でヤンキーに絡まれたりと、とにかく嫌なことが続くんです。そんな彼の後ろで僕らが歌っているという構成になっているので、観ている皆さんもどこか主人公とシンクロする瞬間があるんじゃないかなと思います。映像ごと、この曲を楽しんでいただけたらうれしいです。

◆「爆風」と「21グラム」もMVを作られたとお聞きしました。

Ryuji:はい。「爆風」はもう完全に大人の悪ふざけですね(笑)。

HAKUEI:そうだね(笑)。衣装はRyuji君が決めたんですけど、”治安の悪い都市の成人式”っていうコンセプトで(笑)。メンバーみんなでコンビニに行って撮影したのですが、店内で演奏したり、ワイワイ買い物をしてみたりしています(笑)。

Ryuji:反対に「21グラム」は相当重たいですね。怖さもあるくらい。でもその分刺さる人には深く刺さるし、苦手な人にはちょっとキツいかもしれません。

◆Ryujiさんはほぼ全曲の作詞からMV監修まで手掛けられているということで、その多彩さにあらためて驚きました。

Ryuji:いやいや。でも、そうしたほうがいろいろつながりやすいのかなと思ったんです。例えば、歌詞に込めた意図をMVの監督さんにどれだけ伝えたとしても、僕の脳内を100%お見せすることはできないじゃないですか。そうなると、結局は自分がやるのが一番理想とするMVが作れるのかなと思ったんです。

◆MV撮影時に、思い出に残っているエピソードがあれば教えてください。

Ryuji:「爆風」の撮影をコンビニでするにあたって、スタッフさんから「(演出上)好きに商品を飲み食いしていただいて大丈夫です。最後に業者さんが在庫を調べるので、それをもとに代金をお支払いします」って言われたんですけど、「それ(お店で飲み食い)は止めませんか。カゴに入れるだけにしましょう」という提案をしたというエピソードはあります。この見た目でコンプライアンスを気にするっていう(笑)。

HAKUEI:しかも、一番コンプライアンスを守らなそうな見た目のChirolyn(Gt.)さんがお会計していくっていうね(笑)。

Ryuji:(笑)。「僕ら、意外とちゃんとしてるんです」っていうアピールをしてきました(笑)。

◆HAKUEIさんはプロデューサーという立ち位置でもありますが、メジャー1stアルバムということで何か意識されたことはあるのでしょうか。

HAKUEI:あらためてThe Brow Beatが飛躍するきっかけになればいいなくらいで。楽曲には直接的に作用していないですね。とはいえフィールドは変わりますし、いろいろと期待もしていただけると思うので、爆発的にバージョンアップしないとなというのはありました。そのためにも、メインボーカルであるRyuji君のパワーをもっと引き出さないといけないですし、そこは考えました。もちろんまだ完璧ではないですが、今できるギリギリまで攻められたと思います。

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◆メジャーデビューから約1年、始動からは約4年がたちますが、Ryujiさんのボーカルについてはいかがですか?

HAKUEI:僕のボーカルスタイルはわりと個性が強いほうだと思うんですけど、そんな僕にも負けないというか。お互いの声がガーッとクロスしていくようなバチバチな曲もありますが、そんなときでも彼はギラギラ光っているので一緒にやれて良かったなと思っています。彼とじゃなかったら、今のThe Brow Beatのようなスタイルにもなっていなかったなと。僕はこのスタイルが他にはない面白さであり、武器だと感じています。

◆Ryujiさんから見たHAKUEIさんというのはどのような存在でしょうか。

Ryuji:昔から見ていましたし、今でもヴィジュアル系のレジェンドとして君臨している、本当にすごい方だと思います。一緒にこうして音楽をやっているというのは、いまだに実感が湧かないというか…。どこか夢心地みたいなところはありますね。

◆あらためて、RyujiさんがThe Brow Beatを始めたきっかけというのは?

Ryuji:「3日以内にバンドやりたいな」「あ、やろう」と思い立って始めました(笑)。

HAKUEI:そんなノリだよね(笑)。でも、物事が動くときってそういうものだと思っていて。ある日、Ryuji君と偶然再会して呑みながら話している中で、瞬間的に「やろうか」となったんです。僕も気づいたら体が動いていたというか、「いいね、面白そうだね」って。そこから今の形が作られていった感じです。

◆5月6日(金)の大阪公演を皮切りに全国ツアーも始まります。既に構想はありますか?

HAKUEI:今回は公演数も多いので、しっかり楽曲を届けながらバンドとしても成長していけたらなと。あと、声は出せないまでも有観客なので、お客さんと一緒にライブを作っていきたいですね。一瞬一瞬を大切に、何が起こるか分からないワクワク感を楽しんでいきたいなと思っています。

◆では最後に読者へのメッセージをお願いします。

HAKUEI:他にはない面白さやカッコよさ、不思議さや鋭さ、そういったオリジナリティがふんだんにあるバンドだと自負しているので、ぜひ音源から入ってみてください。それでちょっとでも気になっていただけたら、ライブでお会いできるとうれしいです。

Ryuji:僕たちの曲をまだ聞いたことがない、という方がいたらぜひ聞いて覚えていただけたらなと。今後トレンドになると思いますし、必修科目です(笑)。ヴィジュアル系というとイメージが先行して、「ロックや重たい曲は苦手だから」という方もいると思うんですけど、聞きやすい曲はもちろん本当にいろいろな楽曲があるので、ぜひ食わず嫌いせずに聞いてみていただけたらと思います。

The Brow Beatインタビュー

リリース情報

Major 1st Album「404(フォーオーフォー)」
2022年4月27日(水)リリース

Type A 初回限定盤(CD+DVD):4,950円(税込)
Type B 初回限定盤(CD+特製TBBバンダナ):4,000円(税込)
Type C(CDのみ):3,000円(税込)

PROFILE

The Brow Beat(ザ ブロウ ビート)
俳優・佐藤流司がアーティスト・Ryujiとして結成したバンドプロジェクトで、PENICILLIN・HAKUEIとのツインボーカル&トータルプロデュースにより、ヘヴィ、オルタナティブで骨太なサウンドから軽快なロックまで、多種多様なRyujiの世界を表現し続けている。

公式HP:https://thebrowbeat.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/The_Brow_Beat
公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCUBbwMZpLI6RphRylO22ROw
LinkFire:https://lnk.to/TBB_404

●photo/小澤正朗 text/片岡聡恵

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2022年5月10日(火)午後11時59分

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