元宝塚・音月桂×真彩希帆インタビュー「現役時代だったらかなわなかった共演」『山里亮太の宝塚男子になってもいいですか?』

特集・インタビュー
2022年06月24日

◆宝塚の皆さんとファンの皆さんとの結びつきがすごくすてきだなと思うのですが、お2人のファンの方で印象的な方はいらっしゃいますか?

音月:今でこそないんですけど、客席降りをしてファンの方とハイタッチする機会があったんです。そうしたら、ハイタッチしたファンの方から、当時、私がつけていた香水をプレゼントしていただいたことがありました。私は身長が高い方ではないし、キザった男役というより中性的な役が多かったんです。だから、ショーの時はバリバリにキザりたいっていうのもあって、男役でいる10何年間はメンズの香水しかつけなかったんですよ。ある日、香水を変えて、みんなのところへハイタッチした時の出来事だったので、ハイタッチしたその瞬時に匂って分かったの!?と驚きましたね。私のファンの方っていうよりも、宝塚のファンの方だと思うんですがが「つけていた香水、消耗品だと思うんでどうぞ」といったお手紙と一緒に頂いて。以前つけていた香水は何かで言っていたかもしれないんですけど、新しく変えた香水で公言してなかったので…。

真彩:「音月さんはこの匂いか!」って匂いを頼りに、その香水にいきついたんですね!

音月:ハイタッチした時の手を洗いたくないっていうファン心理もあるんでしょうけど、それには感動しましたね。目や耳だけじゃなくて、嗅覚でも好きでいてくれている、五感を使って感じてくれているんだって。

◆真彩さんのファンの方には、どんな方がいらっしゃいますか?

真彩:コロナ禍になってファンの方と交流できる時間がすごく減ったんですよ。それこそ、客席降りもなくなりましたし、お手紙を差し入れしてくださることも減ってしまいました。その中で、公演が止まってしまった時に、劇団にお手紙をくださったり、私のファンクラブ宛てに、「会えない時間ができても離れることはないです。再開を待ってます」というものすごく温かい言葉をたくさんの方がくださって。自分たちが不安になっている時もファンの方は常に信じてくれていて、再開した時は誰よりも喜んでくれて、「お客様がいるから、ファンの方たちがいるから自分は舞台に立てているんだ」っていうことをあらためて感じました。私のお茶会に幼稚園生ぐらいのころから参加してくれて、今はもう小学生っていうファンの子がいるのですが、お茶会に来るたびにどんどん大きくなっているのを感じて。最初はお話もたどたどしかったのに、今や「ご自愛ください」って、お手紙に書けるようになっていて。

音月:かわいい♡

真彩:そのお手紙もつたないひらがなから、漢字が使われるようになって、「お元気でいらっしゃいますか?」って気遣ってくれて。しかも、その子が今、娘役を目指しているみたいで!退団公演のショーで「続く誰かの道になろう」っていう歌詞を先生が書いてらっしゃったんですけど、それって宝塚がずっと続いていくよねっていうこと、誰かが誰かの夢になるっていうことなのかとすごく染みて…。私も音月さんの姿を見て宝塚に入りたいと思ったことが、自分も誰かの道になっているんだとファンの女の子に教えてもらったことがすごく印象的です。

◆最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

真彩:この番組に呼んでいただいて、すごく熱量が上がってしまって、個人的な趣味みたいな感じになってしまったんですが、宝塚を愛する方、タカラジェンヌさんを愛する方は、皆さんきっと熱を持って愛してくださる方がたくさんだと思います。なので、真彩希帆も宝塚ファンの1人なんだなと温かく見ていただけたら(笑)。私のファンの方は、私が音月さんのことが大好きで、目指して入ったってことはご存知のことだと思うので、きっと私がうれしくて興奮している姿に、「良かったね」と親のような目線で見てくださるんじゃないかな。自分が舞台に立てていることが、自分の楽しみというより、自分の姿を見て元気になったとか、エネルギーをもらって明日を迎えられるっていう方だったり、皆さんの源になれたらいいなというところで舞台に立っています。今日はそんな舞台に立つエネルギーとはまた違ったエネルギーを発していたので、そこでも「真彩ちゃんがこんなに元気だったら私も元気になるわ」みたいなものを受け取っていただけたらありがたいです。

音月:それこそ現役時代だったらかなわなかった共演。違うトップコンビの男役と娘役がこういうふうに共演することは、ほぼないと思うんです。今回本当にお初なので、そういうレア感は、この番組ならではですね。私もすごくオンエアが楽しみだし、安心していろいろと話せました。一番は生で舞台を見ていただくのがうれしいのですが、観劇の予習復習としてスカパー!さんを見ていただいて、「こういうふうに見えたけど、実はこうだったんだ」といった見方もできるんじゃないかなと。逆に、「映像では見られなかったけど、この角度だとこうなんだ!」みたいな楽しみ方もあると思うんです。そういった楽しみ方を皆さんもそれぞれ見つけていただいて、私もこの番組を楽しみに拝見させていただきたいです。

PROFILE

音月桂
●おとづき・けい…1980年6月19日生まれ。埼玉県出身。愛称、KEI、キム。元雪組トップスター。1998年、第84期生として宝塚歌劇団に入団。宙組公演「シトラスの風」で初舞台。その後雪組に配属。2010年、雪組トップスターに就任。2011年、「ロミオとジュリエット」で大劇場トップお披露目。2012年「JIN-仁/GOLD SPARK!」で退団。現在は女優として活躍しており、開場25周年記念公演「レオポルトシュタット」(2022年10月)が控えている。

真彩希帆
●まあや・きほ…7月7日生まれ。埼玉県出身。愛称、まあや、きぃちゃん、きーやん、なっちゃん、まあやきぃ。2012年、98期生として入団。宙組公演「華やかなりし日々/クライマックス」で初舞台。2013年組まわりを経て花組に配属、翌年星組へ組替、2017年雪組トップ娘役に就任。「ひかりふる路/SUPER VOYAGER!」で大劇場トップお披露目。入団6年目にして5組全組への出演を果たす。2021年「fff/シルクロード」で退団。オリジナルミュージカル「流星の音色」(2022年8月2日~)が控えている。

番組情報

『山里亮太の宝塚男子になってもいいですか?』
BSスカパー!
毎月最終土曜 午前10時30分~11時

公式HP:https://www.bs-sptv.com/takarazuka-danshi/

●text/田中ほのか

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