永野芽郁インタビュー「お仕事を頑張っている人は男女問わず素敵です」『ユニコーンに乗って』

特集・インタビュー
2022年07月05日
『ユニコーンに乗って』
『ユニコーンに乗って』©TBS

7月5日(火)からスタートする『ユニコーンに乗って』(TBS系 毎週火曜 午後10時~10時57分)で主演を務める永野芽郁さんにインタビュー。作品の見どころや撮影エピソード、共演者の印象などを聞きました。

本作は、教育系スタートアップ企業「ドリームポニー」の若き女性CEOの元に、ある日突然会社の雰囲気とは全く異なるおじさんサラリーマンが部下として転職してきたことで、仕事に恋に奮闘しながら、夢に向かって真っすぐ生きる主人公たちが成長していく姿を描く“大人の青春”ドラマ。

永野芽郁が演じるのは、スタートアップ企業の女性CEO・成川佐奈。佐奈の元に部下として転職してくる、おじさんサラリーマン・小鳥智志役に西島秀俊。佐奈と共に「ドリームポニー」を起業し、最良のビジネスパートナーとして一番近くで苦楽を共にしてきた須崎功役に杉野遥亮。さらに、坂東龍汰、前原滉、石川恋、青山テルマ、山口貴也、武山瑠香、広末涼子が出演する。

◆オファーを受けた時のお気持ちはいかがでしたか?

TBSの火曜10時のドラマ枠は、仕事に恋に頑張る女性のドラマだと思っていたので、そこに自分が出演できるのはうれしかったですし、私もその枠に出演できる年齢になったんだなと思いました。

◆本作でCEOを演じるに当たって、CEOの印象や心掛けていることはありますか?

最初はCEOという役職に戸惑いがありました。私がCEOになって会社を引っ張っていく立場にふさわしい女性像を演じられるのか…と思いましたが、私が演じさせていただく成川佐奈という女性は、フラットで、会社のみんな全員で前に進んでいこうという人だったので、そこにはとらわれすぎずに演じられるかなと思いました。

◆台本を読まれた時の印象はいかがでしたか?

本当に個性豊かなキャラクターが集合しているのですが、西島さん演じる小鳥さんなど、年齢も性別も違うけど全員で同じ目標を持っているという、1つの思いが交わる部分があれば皆で成長していけるんだと感じて面白かったです。

『ユニコーンに乗って』
『ユニコーンに乗って』©TBS

◆オリジナルストーリーで演じるに当たり、結末を細かく知らなかったりと原作のある作品とは違いが出るかと思います。その上でオリジナルの面白さなどはいかがでしたか?

IT企業や教育企業、ユニコーン企業って何だろうとか、そもそもドラマのベースになっているところの知識が全くなかったので、事前にみんなで会社の方たちの話を聞いたり、資料をもらって勉強したりしました。演じながらその部分もみんな自分の中で理解していって、本当にみんなで大きな企業を目指そう!という気持ちでできているのは新しくて。今までのドラマにはない感覚で現場を過ごしている気がします。

◆成川佐奈は貧しい家庭に育って、学校では周りとなじめなかったりと、少し暗い学生時代を過ごしていますが、そこをバネにして会社を設立する佐奈に、共感するところや尊敬できるところなどはありますか?

自分にとっては不遇な時期があって、あまり恵まれていない時期があった過去を思い起こしながら今につなげられるのは佐奈の魅力だと思います。思い起こして何かをするって、良いことだったら楽しい気持ちになれるけど、自分の中で引っかかっている時のことを思い出すのは大変なことだし、それを誰かのためにと変換できるのはすごいと思います。

◆逆に、自分とここは違うなと思うところはありますか?

行動力はやっぱり違います。佐奈の行動力は普通じゃないというか。もちろん自分がやりたいことをかなえる努力はみんなすると思いますが、自分のことプラス自分が経験してきたことで誰かを救いたい、それによって結果的に自分も救われる、みたいなループを自分で作れて。会社を立てて人を入れて、みんなで成功させるためにどうすればいいかと考えられる行動力はすごいです。

◆スタートアップ企業に取材されたりもしていますが、面白いところやギャップなどはありましたか?

もともと脚本を読んだ時に、こういう会社って本当にあるのかな?と思っていたんですけど、実際に会社の方とお会いしてみたら本当に皆さん自由にやられていて。それぞれが得意な分野で自分の才能を伸ばすということに特化していたんです。脚本と実際の企業にギャップがあると思っていましたが、入ってきたときに皆さんがそれぞれ好きなお洋服を着ていて、会社の滞在時間もおおよそは決まっているけど、基本的にその前後は自分たちで決めて、残りたい人は残ればいいという感じでした。ドラマだから脚色した感じがなくて「あ、こういう会社あるんだ。良いな、面白い!」と思いました。

『ユニコーンに乗って』
『ユニコーンに乗って』©TBS

◆それでは役に関してお伺いしたいのですが、佐奈を演じるに当たって工夫していること、意識していることなどはありますか?

周りに引っ張ってもらっている女性ではあるけれど、周りのことも考えられている女性になりたいと思っています。ちょっとした変化に気づいているけどあえて言わない時もあれば、杉野さん演じる須崎功だったら言えるな、という関係性もあったり。距離感の詰め方みたいなものはなんとなく意識しながら演じられたらいいなと思っています。

◆現場で監督と話し合いながら決めたことはありますか?

監督とはいろいろ相談させてもらいながら撮影をしています。それぞれの関係性をどう見せたいのか、細かく計算が必要だなと思うシーンもあったりするので、どういう気持ちでこの台詞を言ったのか、など監督と意見を交わしながら、共通認識を持って撮影をしています。みんな疑問に思ったことをそのままやらずに、みんなで話し合いながら疑問点を解決していくことができる現場になっている気がします。

◆若いスタッフ・キャストの方たちで撮影されているかと思いますが、ドラマとリンクするものもありそうですね。

そうですね。それがそのままドラマのシーンにも生きている気がします。

◆若くしてCEOを務めている佐奈ですが、仕事をバリバリ頑張る佐奈の生き方はどう思われますか?

素敵!仕事を頑張れる人って、男女問わず素敵じゃないですか。大変なことももちろん経験しながらだけど、それでも頑張れるっていうのは素敵ですよね。

◆最初はCEOは難しいイメージが…みたいなお話もありましたが、見え方が変わったりしましたか?

たしかに見え方は変わりました。すごくドンって構えて、みんなのいろいろなものを吸収しないといけない責任重大な人、という印象があったから、最初は大丈夫かなと思いましたが、そこだけではない穏やかな部分が会社によっては流れるということも分かりました。素敵な立場の人だなとは思ったけど、やっぱり私には無理ですかね…(笑)。

『ユニコーンに乗って』
『ユニコーンに乗って』©TBS

◆現場のお話をお聞きしたいのですが、雰囲気はいかがですか?

みんなできゅっとまとまって楽しくお芝居する時間や、そうじゃない時は各々やりたいことをやっていたりと、居心地がいい現場です。

◆ムードメーカーはどなたですか?

ムードメーカーは青山テルマさんだと思います。本当に楽しい方で、お話も上手ですし。でもお芝居のことになるとすごく真面目に取り組まれていて。そのギャップもキュンとくるところですよね。

◆西島さんと一緒にお芝居されてみていかがですか?

なんでも受け止めてくれるんだろうな、と思います。西島さんが演じる小鳥さんが持つボールペンもそうだし、衣装もそうだし、役に対しての見え方を細かく研究されている方だなと思っていて。企業の方と勉強会みたいなことをした時も、「ずっと作業をしている時に何か食べるものはあるんですか?」とか、すごくリアルなものを吸収しようとされていて。そうやって細かく自分にないものを自分の中に蓄えるのはすごいなと思いましたし、勉強になりました。

『ユニコーンに乗って』
『ユニコーンに乗って』©TBS

◆杉野さんはいかがですか?

杉野さん演じる功と、前原滉さん演じる栗木と佐奈の3人で会社を立ち上げているんですけど、功と栗木のバランスがすごく絶妙で。栗木がいるから功もクールで俯瞰で見ることができる、でも栗木も功と佐奈のことを俯瞰で見ているっていう、本当にいいバランスの3人です。

◆佐奈の憧れの人・羽田早智を演じている広末さんとは久しぶりの共演ですが、いかがですか?

広末さんは本当に明るい方で。朝から明るくて気さくで、どれだけ長い台詞があるシーンでも最後まで付き合ってくれて、「芽郁ちゃんなら大丈夫だよ」って励ましてくださるので心強いです。私も広末さんに憧れるし、佐奈が早智さんに憧れているので、そのままの関係性でできちゃいます。早智さん役が広末さんで本当にありがたいです。

◆撮影で印象に残っている台詞やシーン、見どころなどがあったら教えてください。

佐奈が、仕事がうまくいかなくて落ち込んでいる時に、小鳥さんと会話するシーンは印象的です。小鳥さんとちゃんと2人でお芝居したのもそのシーンが初めてだったし、落ち込んでいる時にスッと入って来てくれるのが小鳥さんのすごいところ。こっちもあまり構えずにいられるというか、佐奈としてすごく救われたシーンでした。

◆難しい台詞も多いと思いますが、苦労した台詞などはありますか?

イントネーションはみんなで苦労しています。どっちでも伝わる言葉が結構多くて。アバターとかエドテックとか。台本で覚えている時のイントネーションでそのまま撮影して、「あ、イントネーション違います」って言われたらすっごく焦るんですよ。なので、事前に監督に正しいイントネーションを聞いてそれを覚えています。

◆セットや小道具もかわいいものが多いと思いますが、お気に入りポイントはありますか?

どこを抜いても色とりどりなセットです。佐奈が座っているCEOのデスクはらしさが溢れている、緑を基調とした色合いで揃っていて。ほかの人たちも、キャラクターの個性が出るように、それぞれがちゃんと細かく再現されるように私たちが入る前から作ってくれていてすごいと思いましたね。

◆このドラマは、新しいことにチャレンジする人を応援したい、というテーマがありますが、今までご自身が応援されて励みになったことやうれしかったエピソードなどはありますか?

『ユニコーンに乗って』は撮影が始まって1か月くらいたって、(取材時では)まだ放送されていないので、視聴者の方の感想も聞けないじゃないですか。なので、どんな感じのドラマになるかな、という楽しみもあり不安もあり…みたいな感じなんですけど…。放送がスタートして見ていただいた方から、「頑張ろうと思った」とか「自分の心が前向きになった」とか感想をもらえると、励みにもなるし、頑張ろう!とも思うので、見てくれている方たちの言葉っていうものはいつも自分たちの力になっています。

◆最後に、視聴者の方へのメッセージをお願いします。

頑張る人たちの背中を押したいというのはもちろん、ドラマを通して、頑張っている人って素敵だな、見ていて楽しいなと思ってもらえるような、面白くてスッキリするドラマになったらいいなと思っています。火曜10時はテレビの前で皆さんが楽しんでいただけるように頑張りたいと思います。ぜひ楽しんでください!

PROFILE

永野芽郁
●ながの・めい…1999年9月24日生まれ。東京都出身。AB型。

ストーリー

成川佐奈(永野芽郁)は23歳で起業した、教育系アプリを手掛けるスタートアップ企業(※1)「ドリームポニー」のCEO。無謀かもしれないが10年以内にユニコーン企業(※2)となり、世界中の人々が利用できるようなビジネスにすることを目標に日々奮闘している。立ち上げ当初こそ急激に成長したものの、次なるサービスの展開が打ち出せず設立から3年目を迎え、売上・技術ともに行き詰まる毎日に焦っていた。プライベートでも日々仕事を第一優先にしており、恋愛に関して無頓着。共同創設者の須崎功(杉野遥亮)からひそかに思いを寄せられるも、全く気づいておらず…。
そんな彼女の元に、ある日スタートアップ企業の雰囲気とは似ても似つかない中年サラリーマン・小鳥智志(西島秀俊)が転職してくる。歳が離れた小鳥が転職してきたことで、佐奈の環境は大きく変化していく。
最初は小鳥を疎ましく思う佐奈だが、その経験の豊富さからくるアドバイスや生き方に助けられ、親しみを持つように。一方、佐奈の絶対的ビジネスパートナーの須崎も、小鳥の出現により長年胸に秘めていた佐奈への思いが抑えきれなくなり、チームの均整が崩れる危機に。突如仕事と恋のトライアングルに巻き込まれた佐奈たちの、切ない大人の青春模様が動きだす。
果たして競争の激しいIT業界で「ドリームポニー」はユニコーン企業となり成功するのか。

※1…スタートアップ企業…誰もが考えつかないアイデアで市場を開拓し、短期間で急成長する企業。
※2…ユニコーン企業…評価額が10億ドル以上(1ドル110円換算で1,100億円)、設立10年以内の非上場のベンチャー企業を指す言葉。

番組情報

火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』
TBS系
2022年7月5日(火)スタート
毎週火曜 午後10時~10時57分

番組公式サイト:https://www.tbs.co.jp/unicorn_ni_notte_tbs/
番組公式Twitter:@unicorn_tbs
番組公式Instagram:@unicorn_tbs
番組公式Tiktok:@unicorn_tbs

この記事の写真

©TBS