桜井玲香×中田圭祐インタビュー『灰色の乙女』実写化への手応えを語る「リアリティーを持たせてしっかりと表現している作品に」

特集・インタビュー
2023年09月12日
MBS/TBSドラマイズム『灰色の乙女』©「灰色の乙女」 製作委員会・MBS

MBS/TBSドラマイズム『灰色の乙女』(MBS 毎週火曜 深夜0時59分~/TBS 毎週火曜 深夜1時28分~)でW主演を務める桜井玲香さん、中田圭祐さんにインタビュー。お互いの印象やドラマの見どころを聞きました。

本作は、2019年より電子コミック配信サービス「コミックシーモア」で連載をスタートし、累計670万DLを超える新田チハルによる人気コミック「灰色の乙女」が原作。広告会社に勤めるOL・鏡蔦子(桜井)は、20年間ずっと片想いしている維井莇(中田)に対し、ストーカー行為をしている。ある日、いつものように莇を付けていた蔦子は、彼が車にひき逃げされる現場に遭遇。莇が記憶喪失になったことを知った蔦子が、長年の自分の思いをかなえようと、自分たちは恋人同士だとうそをついたことから、純愛と狂気の物語が幕を開ける。

◆演じられる役について教えてください。

桜井:私が演じる鏡蔦子という女の子は真面目で真っすぐな女の子なのですが、その性格が災いしたのか、学生の頃からずっと片思いをしている莇君のストーカーになってしまうという、いい子なんですけど少しずれているような不器用なキャラクターです。20年間片思いしてる人と向き合うことになるので、感情の起伏がすごく激しくて、急に泣き出したり、怒ったりとそのポイントが独特なので、撮影する上で漫画を読んで感情づくりをしています。

中田:僕が演じる維井莇君はそんな蔦子さんから小学生のころからストーカーされていたことに全く気づかず、そんなある日、ひき逃げにあってしまい倒れていたところをその日も莇君をストーカーしていた蔦子さんがすぐに通報してくれたことで一命を取り留めることができたんです。その時に莇君は記憶をなくしてることを知って、蔦子さんがお見舞いに来てくれたときに「僕は、あなたのことは知っていたんでしょうか?」と質問したところ、蔦子さんから「実は私はあなたの彼女なんです」と言われ、不安と「本当なのかな?」という気持ちになります。そんな中、家族や叔父が協力して莇君の記憶が戻るように動いてくれて、どんどん記憶が戻っていくので、本当はどうだったのかっていうところを演じていきます。

◆原作や台本を読んだときの感想を教えてください。

桜井:最初に漫画を読んだとき、いろんな要素が詰まっている作品だなと思いました。女性漫画らしいピュアなラブストーリーも織り交ぜつつ、ダークサスペンスのような少し過激な部類に入るダークな表現なども随所に書かれていて、パンチもありつつ、青年漫画と少女漫画のいいとこ取りをしている作品だなという印象を受けました。

中田:僕も漫画を読ませていただいて、記憶がなくなってから、彼女ですと言われてどうなっていくんだろうと続きが気になって読み進めました。最初に読んだときは、ダーク蔦子の描写もすごいタッチで描かれていたりしたので、これを実写にするとどうなっていくんだろう、蔦子さんが怖いなと感じたんです。ですが、何回も読んでいると蔦子さんはただ怖いというよりは、真っすぐですし、なんとなく蔦子さんの気持ちも理解できなくないなと読めてきました。莇君も最初は蔦子さんが怖かったけど、蔦子さんの真っすぐな気持ちだったり、いろんなことを経たことで、最後につながっていくんだなと、少しずつですが理解もできたので、演じていく上でそこを大事にしていけたらなと思いました。

◆どのようなところが怖いなと思いましたか?

中田:結構序盤なんですが、蔦子さんが僕の家に勝手に入って空気を取ったり、ベッドに寝転がって「莇君の細胞が私の中に入ってるー」みたいなところは、漫画として読んでいたらクスッという感じでしたけど、リアルだったら怖いなと思いました。

MBS/TBSドラマイズム『灰色の乙女』©「灰色の乙女」 製作委員会・MBS

◆桜井さんから見た莇の印象はいかがですか?

桜井:明るく、周りの人にすごく愛されて、何不自由なく育ってきているのかなという印象です。莇君のお母さんが出てきて、蔦子とバトルを繰り広げるところがあるんですが、急に息子の彼女ですとやって来て、攻撃的な姿勢なのでそれはお母さんも警戒するよなと思うし、ふとした親子の会話も普段からすごく仲がいいんだな、いい子だなと思いました。

◆お互いの印象は?

桜井:明るいなって思います。ずっと笑っている印象です。私は包帯を巻いてベッドに寝ている莇君の姿を多く見ているので、弱っている莇君がきゅるきゅるとした目をしているところがかわいらしいなと思います。

中田:笑いのツボが浅いかもしれません。よく笑っていますね。桜井さんは器用で度胸のある人なんだなと、近くで見ていて思います。なので僕は安心して身をゆだねて撮影に臨んでいて、いつも現場でも、明るくいてくださるので、僕は一緒に頑張れています。

◆演じる上で意識した点や監督とお話したいことがあれば教えてください。

桜井:ドラマの演出、表現として、ピュアな蔦子と黒い蔦子、その二面性をいかに楽しんで表現するかというところは監督と話しています。なので、私からもアイデアを出して、「やれるところまで、やってみよう」と言っていただいているので、現場でキャラクターを作っています。どうしてもストーカーをしている女の子なのでせりふ回しも結構きついことが多かったりするのですが、蔦子って本来は決して強い意地悪な女の子ではなくて、とても純粋で心が優しい女の子だと思うので、そういう見え方は忘れないように今もいろいろとあんばいを考えながら、どこまで攻めて、どこで引いてという足し算引き算を常に考えながら演じています。

中田:記憶を失っていることでどこまで恐怖を抱えているのか、そのあんばいがこの作品の中でどこが正解なのかなと監督と話して探っています。恐怖に重きを置きすぎると蔦子さんや周りの人たちとの記憶がなくなった後に過ごしていくという過程で、拒絶しすぎてしまうと話も進んでいかないですし、きちんとそこに一つ怖いものがあるのかなと自分も悩みながらお芝居をしています。そこは監督と話し合って、不安や拒絶と前向きに向き合っていくバランスを意識しながら演じています。

◆印象的なシーンはありますか?

中田:初めてダーク蔦子を見たときはすごくビックリしました。完璧に作られているなと現場で話をしていました。そのメイクと衣装が合っていて、これは怖いなと。

◆ダーク蔦子は、二役のような感じですか?

桜井:そうですね。一応、視覚的に蔦子の中にいるダークさみたいなものを分かりやすく、二役とまではいきませんが、序盤に出てきますね。声色を変えたりはしています。

MBS/TBSドラマイズム『灰色の乙女』©「灰色の乙女」 製作委員会・MBS

◆これから楽しみにしているシーンはありますか?

中田:結構本音でぶつかり合っていくので、記憶が戻るまでは本音をかわしていくだけなんですけど、物語の後半では記憶が戻ってきて、蔦子さんに対するツッコミも鋭くなっていくんです。徐々にミステリー要素が強くなっていって、最後にぶつかり合っていくっていうところが楽しみです。

桜井:ラストに向けて、記憶がない莇君と蔦子が幸せな愛を育むシーンをこれから撮っていくので、その撮影の中でいかに蔦子の存在をアリに感じさせられるか、頑張ろうと思っているところです。

◆最後にメッセージをお願いします。

桜井:原作の漫画が映像化不可能というような言葉が並んでいて、それぐらい過激な表現がたくさんありますが、それをよりドラマではリアリティーを持たせて、しっかりと表現している作品になっていると思うので、そこもぜひ期待していただき、どういうふうに映像に落とし込んでいるのかを見ていただきたいなと思います。

中田:内容的には非現実的なところもありますが、登場人物もいろいろ思いがあって、それを成立できるように、みんなで作っているので、そこが見どころだと思いますし、期待を裏切らないように作っていきたいなと思っているので、そこを見ていただけたらうれしいです。

PROFILE

桜井玲香
●さくらい・れいか…1994年5月16日生まれ。神奈川県出身。A型。

中田圭祐
●なかた・けいすけ…1995年11月27日生まれ。神奈川県出身。O型。

番組情報

ドラマイズム 『灰色の乙女』
MBS
毎週火曜 深夜0時59分~

TBS
毎週火曜 深夜1時28分~

<配信>
TVer、MBS動画イズムにて無料見逃し配信

出演:
桜井玲香 中田圭祐
桃月なしこ 松本大輝 鈴々木響
六角慎司

監督:椿本慶次郎、戸塚寛人
脚本:天野千尋、熊谷まどか、野崎浩貴
原作:新田チハル「灰色の乙女」(ソルマーレ編集部)
制作プロダクション:ソケット
製作:「灰色の乙女」製作委員会・MBS

オープニング主題歌:Hilcrhyme「十字架」(Universal Connect)
エンディング主題歌:緑仙「ヒロイン」(ユニバーサルミュージック / Altonic Records)

ドラマ公式HP:https://www.mbs.jp/haiironootome
ドラマ公式X(旧Twitter):@dramaism_mbs
ドラマ公式Instagram:@dramaism_mbs

©「灰色の乙女」 製作委員会・MBS