「呪術廻戦 懐玉・玉折」劇場版総集編は「うれしくもあり、正直ちょっと怖くもありました」天内理子役・永瀬アンナインタビュー

特集・インタビュー
2025年05月30日
「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」
「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」が5月30日(金)より公開される。2023年放送の「呪術廻戦」TVアニメ第2期の内「懐玉・玉折」を劇場版総集編として映画化。“最強の呪術師”五条 悟と、“最悪の呪詛師”夏油 傑。約12年前、東京都立呪術高等専門学校の学生で無敵の呪術師コンビだった2人がなぜ道を違えたのかを描く。同作で五条と夏油が護衛する少女・天内理子を演じたのが、永瀬アンナさん。最大のキーパーソンにどう挑んだのかを聞きました。

◆「懐玉・玉折」が劇場版総集編として映画化されると最初に聞いた時、率直にどう感じましたか?

うれしくもあり、正直ちょっと怖くもありました。『呪術廻戦』の中でも人気のエピソードですが、お話が残酷で…理子という役柄的にも見ていてつらかったり、しんどかったりする部分があるので。収録で演じていた当時もそうだったので、それをあらためて劇場の大画面と大音量で体感するのはなかなか勇気がいるな、心が痛いなと。

◆もともと理子役はオーディションだったそうですね。

はい。オーディションのお話を頂いて初めてこの作品に触れたのですが、理子の気持ちの流れは理解できましたし、言葉にもしやすかったので、すごく準備するというよりは自然に、変に凝り固まらずに挑めました。テープに声を録っては、マネージャーと「ここはこうかな?」「もっとこうした方がいいかな」などと話し合って試行錯誤して。時間をかけたものの、結局最初のテイクが一番よかったよねという結論になり、それを提出した記憶があります。受かった時は驚きとうれしさがあり、まだ新人で駆け出しの私をこの大役に選んでいただいたからには頑張らなければと、がぜんやる気になりました。

◆理子はまだ中学生ながら星漿体として、呪術界存続のために不死の術式を持つ天元と同化しなければならない宿命を背負った少女です。演じる上で特に大事にしたのはどんなところでしたか?

理子は心の奥底で自分の最終地点が分かっていて、覚悟もしていた。だから普段のはつらつとした明るさは、本当はみんなともっと一緒にいたい、生きていきたいという本音を抑えつけて隠している裏返しというか。誰にもその本音を知られてはいけないという反動があの明るさなんだろうなと思って演じました。「おらー!」と五条をビンタするパワフルな最初の登場シーンから、大声で誰より明るくカーンと突き抜けるようにして。その意識があったからこそ、最後に夏油の前で初めて本音を吐露するシーンが引き立ったのかなと思います。

◆星漿体としての宿命を受け入れるのか、それとも引き返すのか。夏油から問われたあのシーンには、どんな思いで臨まれたんですか?

それまでは明るく、自分の中の有り余るエネルギーでどうにかできましたが、あのシーンは慎重に、丁寧に演じないと作品が崩れてしまうので、一番緊張しましたし、一番台本も読み込みました。でも、いざ収録となって櫻井(孝宏)さんのお芝居を聞いていたら、この人になら本音を言っていいかもしれないと信頼や希望が芽生える気持ちに自然とリンクできました。印象的だったのが、櫻井さんは最初、理子への選択肢の提示を柔らかく、優しく寄り添うように言ってくださって。そしたら音響監督が業務的に言ってほしいとディレクションされたんです。どうするか選ぶのは、あくまで理子だからと。それがあってからの夏油の「帰ろう、理子ちゃん」の言葉だったので、心がよりグッとなりました。

◆なのに、直後に突然の悲劇が…。

あれはやっぱり容赦なくて残酷ですよね。理子はこの世界の本当に小さな人間の一人でしかなかったんだなと痛感させられました。TV放送時はそのままエンディングに入るのも、残酷さを増しているんですよね。衝撃の影響は大きくて、久しく交流のなかった中学時代の同級生から連絡が来たくらいです(笑)。

◆他に印象に残っているシーンはありますか?

水族館のシーンです。理子としては自分の最終地点に向かう前に楽しい時間を過ごそうと前向きな気持ちの一方で、水族館で水槽を見つめるあの表情はどこかでもっとみんなと一緒に…という気持ちもあるんだろうなと収録当時は考えていたんです。でも、今あらためて客観的に見返すと彼女に未来はないんだなと強く感じたんです。だから理子のことをどれだけ思って、どれだけ一緒のことを感じようとしても、多分隅から隅まで共感してあげるのは難しいし、違うんだろうなと。そういう意味でも印象に残っています。

◆五条と夏油の関係は、永瀬さんの目から見てどう映っていますか?

良くも悪くも、リアルな高校生ですよね。お互いに信頼し合い、分かり合っているからこそ、2人でなら何でもできる自負があったり、いろんなことに前傾姿勢で生意気だったりもする。ちょっとしたズレで関係が綻んでしまうところも含めて等身大で。TVアニメとは違って劇場版総集編は1話ごとの切れ目がないので、そういう五条や夏油たち登場人物の感情の流れが追いやすいと思います。

◆壮絶なバトルシーンも、劇場で見るとより没入できそうですよね。

そうですね。バトルシーンはTVアニメでもとても迫力があって壮大で。原作の平面の絵からあんなにたくさんの動きを入れられるなんて。監督のこだわりやアニメーターさんの高い技術力を感じました。劇場で見たらそれをより体感していただけるはずです。個人的には、主題歌としてキタニタツヤさんの「青のすみか」のアコースティックバージョンを劇場で聞けるのもうれしくて。五条と夏油の儚くて短い時間に寄り添って作られたのがよく分かる曲なので、皆さんにも堪能していただきたいです。

PROFILE

永瀬アンナ
●ながせ・あんな…3月31日生まれ。東京都出身。出演作は『ぶっちぎり?!』(まほろ役)、『異世界スーサイド・スクワッド』(ハーレイ・クイン役)、『全修。』(広瀬ナツ子役)など。

作品情報

『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』
5/30(金)全国公開

<STAFF&CAST>
原作:芥見下々
監督:御所園翔太
シリーズ構成&脚本:瀬古浩司
制作:MAPPA
配給:TOHO NEXT
主題歌:キタニタツヤ「青のすみか(Acoustic ver.)」
声の出演:中村悠一、櫻井孝宏、遠藤綾、永瀬アンナ、子安武人ほか

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

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