お笑いトリオ・トンツカタンの森本晋太郎さんがTV LIFEで連載中のコラム「トンツカタン・森本晋太郎のネクストブレイク紀行」。「今年売れる」と言われ続ける中での出来事や本音が綴られた“飛躍を夢見る芸人の備忘録”をwebでも公開します。今回は、番組で共演しているGENICの話。(TVLIFE 2025年8月20日発売号より転載)
「まず僕の知名度が…はいったん置いといて」
8月7日から読売テレビでスタートした『GENIC hour』(毎週木曜24:59~放送)という番組のMCを朝日奈央さんと務めさせていただいている。この番組のメインはGENICというavex所属の男女7人組ダンス&ボーカルグループで、彼らが様々なミッションに挑戦し、知名度とスキルをアップして一流アーティストを目指すという内容だ。
事前にGENICのパフォーマンス映像を何個か見させていただいたのだが、そのどれもがとんでもなく素晴らしいクオリティで、この方たちのMCをするのかと思うとじんわり手汗が出てくるくらいには緊張していた。
そんな心持ちで臨んだ初回収録。メンバーそれぞれの自己紹介を聞いていくと、
「私は気付いたら数時間、じーっと壁を見続けています」
「俺はいつか東京ドームに立って、大声でおっぱいと叫びたいです」
「それ、実は僕もなんです」
なんだこのえげつないギャップは。ちょっと前まで思い描いてたGENIC像が気持ちいいくらいキレイに崩れていく。メンバーそれぞれが持つ強烈な個性に振り落とされないよう必死にツッコんでいると、気付けば手のひらは乾き切っていた。
その後、初回からGENICの知名度が今ひとつという内容の街頭インタビュー映像を見せられるなど、冠番組とは思えない酷な仕打ちを受けるものの、それをすぐさまバネに変えて与えられたミッションに全力で取り組む姿勢はそばで見ていて心が打たれるものがある。というのも、彼らがデビューしたのがちょうどコロナ禍の5年前。出鼻をくじかれた当時に比べたらそんじょそこらの逆境なんて大したことないのだろう。
バラエティとはいえ、素人目にもなかなか過酷そうなミッションが連続するのだが、それでもみんなが楽しそうにやってくれるのでこちらも全力でサポートしたいと思わせてくれる。そしてスターたるもの、普段はふざけていてもキメる時はキメる。そんなシーンも多々あるのだが、たまにおふざけの分量を間違えてしまってキメるところでぜんぜんキメられないことがあるのもまた彼らの魅力なんだなと感じた。
もしかしたら全国的な知名度はこれからかもしれないが、きっとこの先GENICは日本を席巻していくのだろう。そしてそんな彼らに、僕はまた手汗をかいてはひいてを繰り返すのだろう。
森本晋太郎
●もりもと・しんたろう…1990年1月9日生まれ、東京都出身。お笑いトリオ「トンツカタン」のツッコミ担当。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオで活躍中。趣味でもあるツッコミに特化したYouTubeチャンネル「タイマン森本」も好評。初の書籍「ツッコミのお作法」(KADOKAWA刊)も好評販売中!「タイマン森本 THE LIVE」アーカイブ配信販売中!