飯田里穂インタビュー「無理に作り込まず、ナチュラルな自分でいたい」

特集・インタビュー
2016年11月16日

テレビ東京系のアニメ『デジモンユニバース アプリモンスターズ』のエンディング曲「青い炎シンドローム」を担当している飯田里穂さん。『デジモン』への思いとともに11月から始まるライブツアーへの展望、そしてソロデビューして思うことなどを語ってくれた。

無理に作り込まず、ナチュラルな自分でいたい

飯田里穂インタビュー

◆「青い炎シンドローム」を聴いたときの印象は?

最初に聴いたときは、作曲の筒美京平さんが作ってくださったままの、まだシンプルな状態だったんですね。まっさらな分、耳に入りやすかったですし、エンディング曲らしい柔らかさとのほほんとした聴き心地の良さを感じました。詞は真心ブラザーズの桜井秀俊さんに書いていただいたんですけど、“メラメラ”のようなフレーズが入っていて。小っちゃい子でも分かりやすく楽しめる感じだったから、『デジモン』にぴったりだと思いました。

◆歌う上で苦労したところはありますか?

「シュッと立って」というフレーズの“シュッ”の言い方です。「“シュッ”ですか?」「“シュッ”だよ」みたな、文章だと分かりにくいやり取りを何回もして(笑)。何となく動きのある、アクション性を感じられる言い方を心掛けました。

◆放送開始から18年目を迎えた『デジモン』シリーズですが、飯田さんも子供のころはご覧になってましたか?

夢中になって見てました。やっぱりこれだけ長くやっている作品だと、時代の流れを感じますね。私のころは恐竜みたいなモンスターだったのに、今のはまさにデジタルなモンスターになっていて。GPSを狂わせたり、“自撮り”なんて技を使うんですよ。今の子供はこれが分かるんだ、面白いんだって考えると、ちょっとすごいですよね。

◆アニメの中ではいろんな特技を持ったアプリモンスター=アプモンが登場しますが、飯田さんはどんなアプモンが欲しいですか?

私、旅行が好きなんですけど、その前にいろいろ計画するのが面倒になっちゃうんです。だから私の代わりに計画してくれるアプモンがいたらうれしい。飛行機や新幹線のチケットも取ってくれて、宿泊先のホテルにもちゃんと予約を入れてくれたりして。必殺技は“五ツ星ホテル!”かな(笑)。

「見てました!」って言われると、めちゃめちゃうれしい

◆そして11月19日からはツアー「rippi-echolic」がスタートします。

「私の中毒になって欲しい」という願いを込めて夏のアルバムに『rippi-holic』って付けたんですけど、同じように私のライブ会場そのものの中毒になってもらえたら。「echolic」って、タクシーに乗っているときに思いついた造語なんですよ。座席の前にあったエコーカードを見て、「コレだ!」って(笑)。“中毒”って言うと悪いイメージですけど、何となくハマッて、クセになって。また行きたいねって思ってもらえるライブにしたいですね。

◆既にライブグッズとかも考えていたりしているんですか?

はい、グッズ好きですから(笑)。特にポーチとトートが好きで、それはマストでお願いしてます。あとは日常で使えるデザインということ。ちょっと前に朝のニュースを見ていたら、私のライブTシャツを着ている男の子が映ったんですよ。大学の駅伝部らしいんですけど、めっちゃうれしくて。そんな感じで普段から着られる、使えるものを作りたいです。

◆プレイヤーとしてやりたいと思っていることは?

今年の夏、アニサマで弾き語りをやったんです。そこから自分がプレイヤーとして楽曲に参加することの楽しさや意義を感じたし、またそんなことができたらいいなって。人前でピアノを弾くのなんて『天才てれびくん』以来ですから、緊張しましたけどね。当時はまったく怖くなかったのに、大人になるってこういうことかと(笑)。思えばあのころって、本当に無敵でしたね。いつも「おなか減った!」と言っていた記憶があります。

◆『天才てれびくん』時代のことを言われるのって、正直どうですか?

めちゃめちゃうれしいです。当時から自分のことを知っていてくれて、今もまだそれが記憶にあって、声をかけてくれるってことですから。またちょうど『天てれ』を見ていた世代の方が今社会に出て、働き出してるからいろんな場所でお会いするんですよ。それでうれしそうに「見てました!」って言われると、長くお仕事してきてよかったと思います。

今、一番楽しいのはライブ。でもリハは嫌いです(笑)

飯田里穂インタビュー

◆声優や歌手といったお仕事を通して、何か感じることはありますか?

子供のころからいろんなお仕事をさせてもらって来たから、もう新しいことはないだろうと思っていたんです。でも『ラブライブ!』をきっかけに、今まで縁のなかった音楽番組や媒体に出ることができて。新しいことってまだまだあるんだって発見させられました。

◆ソロ歌手としてのご自身にどんな魅力があると思いますか?

やっぱり飾らないことが私らしさなのかなと思っていて。歌っているときも、MCでもそうなんですけど、無理に作り込まずにナチュラルでいようと心掛けています。

◆今この取材中もそうですけど、どんなときも楽しそうですね。

よく言われます(笑)。でも最近、一番楽しいのはやっぱりライブ本番かな。リハはいろんな方がいてプレッシャーを感じちゃうのであまり…(笑)。本番でも関係者席は何か盛り上がっちゃいけないみたいなムードがあるので、そういう人たちも盛り上がれるようなライブができたらって思っています。

◆今年も残すところあと1か月余りとなりましたが、振り返ってどうでしたか?

μ’sとして『NHK紅白歌合戦』で年を越せて、春には東京ドームみたいな大きな会場でライブもさせていただいて。2、3年前のような気がするんですけど、まだ今年のことなんですよね。ソロとしての活動も思い出深いし、濃厚な時間を過ごしている気がします。プライベートでも大学時代の友達とお出かけしたり、家族との時間も作れたし。うん、いい1年でした。

◆何かやり残したことはありませんか?

そんなこと言われたら、いっぱいあるかも(笑)。でもあと2キロ痩せたかったとか、服の整理をしたかったとか、細かいことなので。大きなやりたかったことはだいたいできたから満足しています。ダイエットと服の整理に関しては、来年の課題で!(笑)

 

■PROFILE

●いいだ・りほ…1991年10月26日生まれ。埼玉県出身。B型。愛称はりっぴー。
『天才てれびくん』に出演するなど、子役として活躍。その後、2010年から『ラブライブ!』プロジェクトに参加し、声優ユニット・μ’sの一員としてライブやCDリリースを行うなど、活躍の幅を広げる。15年夏にはアルバム『rippi-rippi』でソロ歌手としてもメジャーデビュー。現在までにシングル2枚、アルバム2枚をリリースしている。11月19日(土)より3都市4会場を巡るツアー「rippi-echolic」を開催。

12.14 Release!
青い炎シンドローム
初回限定盤A、B(CD+DVD)2315円+税
初回限定盤C(CD+DVD)1389円+税
通常盤(CDのみ)1111円+税

 
●photo/干川 修 text/小山智久