塩ノ谷早耶香インタビュー「いろんな角度から自分の恋愛をもう一回見直すようなアルバムになったら」

特集・インタビュー
2017年01月20日

“柔らかくミストのように”自身の持ち味をタイトルに込めた、塩ノ谷 早耶香のオリジナルアルバム「Mist-ic」が1月25日(水)にリリースする。さまざまな恋愛の形を描いた今作の聞きどころや「遊び心が満載です!」と目を輝かせて語ってくれた新曲の制作秘話、さらに4年目を迎えるアーティスト・塩ノ谷 早耶香のこれからに迫った。

塩ノ谷早耶香インタビュー

◆昨年のプレミアムクリスマスライブで「Mist-ic」のリリース発表がありましたが、ファンの皆さんの反応はいかがでしたか?

当日は限定で50名のファンの方たちに来ていただいていたんですが、発表の瞬間すごく喜んでくださって。泣いて拍手してくださる方とかもたくさんいて、本当にうれしかったです。

◆デビュー4年目へとつながる節目の作品ですが、ご自身のお気持ちとしては?

2016年は私にとって挑戦を重ねた年だったんです。フィンランドに行って曲作りをしたり、シングルの「SMILEY DAYS」では今までとは違った方向で塩ノ谷 早耶香を見せていったり。今回でアルバムとしては2作目になるんですが、そういう挑戦の中で自分が感じてきたものをこのアルバムにすべて詰め込んで、より塩ノ谷 早耶香らしさを皆さんに伝えられたらいいなと思いました。

◆前作のアルバム「Luna」はテーマが“光と影“でしたよね。今回のイメージは?

タイトルにも込めているんですが、“ミスト”というのが自分にとってのキーワードかなって思っていて。私の持っている声質的に、突き刺すようにぐさっと心に届けるというよりは、柔らかくミストみたいに優しく包み込めるような、切なさもじんわり届ける声でありたいんです。アーティストとしても「誰かのそばに寄り添える歌を」というのを塩ノ谷 早耶香のテーマとしています。そういったことを含めて今回の「Mist-ic」というタイトルにさせていただきました。すべてを通してふんわりとした世界観というか、柔らかく皆さんに届けばいいなっていう意味合いです。

◆ジャケ写もふんわりと女の子らしく、すごくかわいい世界観ですよね。

ありがとうございます! アルバム曲のほとんどが恋愛ソングなんですけど、1つの恋愛をとっても、例えばすごく幸せなときもあれば出会ったばかりでドキドキのときもある。別れが近づいてきた瞬間に涙が流れて…とかいろんな感情あると思うんです。その感情の幅というかいろんなカラーを後ろにある風船で表現していて。その風船を私が束ねて、皆に届ける“管理人”じゃないけど、そんなイメージでジャケットを撮りました。

◆なるほど。たくさんの恋愛ソングを届けてきた塩ノ谷さんですけど、曲作りや表現の仕方というのはこの3年間を通して何か変化はありましたか?

そうですね、結構変わってきたと思います。特別に意識をしてというわけではないんですけど、自分が大人になればなるほどいろんな経験をするわけじゃないですか。たくさんの人に出会って、いいことも悪いこともあって。その中で、より言葉を素直に…そこにある歌詞を自分が受け止められるようになったと思います。歌としてだけじゃなく、ちゃんと言葉としても歌に込められるようになってきたかなと感じます。

◆ご自身が作詞される際も、何かこれまでと違いは出てきました?

日常で感じたものを切り取って歌詞にしていく過程は今までと変わらないです。でも“誰かの側に寄り添う”っていう言葉の表現に関しては「魔法」(7枚目のシングル)を書くときに、改めて考えました。それまで自分で歌詞を書くときは「大丈夫だよ、一緒に頑張っていこうよ」という言葉が私にとっては“誰かに寄り添う”だと感じて書いていたんです。でも、もしかすると涙って流したくても流せない人がいて、自分もそうなんですけど強がっちゃったり。そういうときに、その我慢しているフタをぽっと開けてあげられることも歌の良さなのかなって思って。一緒に涙を流して共感し合って「つらいよね、悲しいよね」と一緒に言い合えるのも“寄り添える”なのかなと考えながら、悲しいラブソングも書かせていただいているんですけど。そういう歌詞に対する捉え方は変わってきているかもしれないです。

◆前向きになりたいんだけど、今日はただ悲しみに浸りたい…みたいなときってありますよね。悲しくて寂しい曲をあえて聴いてとことん泣きたい!っていう。

そうそう、そうなんですよね!(笑)女の子って特にありますよね。「大丈夫だよ」って言えるのは意外とそこを乗り越えて、やっと応援ソング的なのを聴けるようになったタイミングなのかなと思うので。その前の段階の曲も、自分の言葉で書けたらいいなと思います。

塩ノ谷早耶香インタビュー

◆今回のアルバムでは、映画「イタズラなKiss THE MOVIE 2~キャンパス編~」の主題歌でリード曲の「BELIEVING」など3つの新曲もあります。それぞれカラーの違う恋愛を歌っていて、塩ノ谷さんの歌声の変化も楽しいです。

「BELIEVING」に関しては、映画に出てくる女の子のハチャメチャ感というか、恋をしたら一途にそこしか見えなくなっちゃう女の子らしさが見えたので、恋愛ならではの波の激しい感じがかわいらしくポップに描けると思いました。歌うときも、主人公がかわいらしい天然な女の子なのでそこをちょっと意識しつつ、でも少し落ち着いたトーンで自分らしさを取り入れて歌うように意識しましたね。自分の中にある最大限の女の子をここに詰め込みました。

◆「イタズラな駆け引き大好きよ」なんて歌詞もありますが、ご自身は恋の駆け引きを楽しめるタイプ?

どうなんでしょう(笑)。甘酸っぱい感じでドキドキするのは好きなんですけど、向こうがあまりにも脈なしだっていうのが分かると、もう一気に寂しくなりますね。この曲みたいに、「あっちもそうなんじゃないの~?」みたいな感じだとワクワクしちゃいます。

◆「YOU&ME」もまた別の“いたずらっ子感”がありますよね。「恥ずかしがり屋的な?」っていうせりふ調の歌詞など、素直に甘えられない女の子のキャラクターがすごく想像できました。

この曲は私のデビューシングルを作ってくださったマシコタツロウさんと一緒に作らせていただいたんですが、私にとって思い入れが強い曲です。歌詞もかなり遊び心満載なんですけど「ここ、こうしたら面白いんじゃない!?」みたいな感じで一緒に楽しみながら作ったので、本当にちゃんと形になるなんて…(笑)。歌詞に出てくる女の子のイメージとして、シャイだけど強がってヒールを履いている子というのがまずあったんです。「その子がデートに行くなら遊園地かな?」というとこからストーリーができて、タイトルも遊園地→遊園ティ…で初めは「Y&T」だったんですよ! そこから「YOU&ME」でいきましょう、となったのでけっこう遊んじゃってますよね(笑)。曲調的にも80年代、90年代ぐらいのちゃめっ気のある“かわいいダサさ”みたいなのが効いていると思います。「GOOD BOY」は温かいメロディラインで、R&B調のゆったりした大人な恋愛のイメージ。10代ぐらいの恋愛を描いた「BELIEVING」「YOU&ME」とは違って、楽しんでいただけると思います。

◆そうすると、1曲目の「BELIEVING」から前半はポジティブでキラキラした恋愛、「奇跡」から始まる後半はしっとりと、はっきり曲の系統が分かれてますね。

そうなんです。出来上がったらきれいに半分半分になっちゃいました(笑)。でも1曲目を「BELIEVING」にしてますけど、聴いてもらうときはそのときの自分の心境によって「こんなにも愛してたんだ」を最初にしてもいいし、そこは聴いてもらう方の自由なので。自分自身の恋愛の形に当てはめて、いろんな角度から自分の恋愛をもう一回見直すようなアルバムになったらいいなと思います。

◆では最後に、4年目のスタートに向けてアーティスト・塩ノ谷 早耶香の展望を教えてください。

まず今年の目標としてはツアーをやりたいなというのが1つあります。大きい会場でできればもちろんうれしいですけど、テーマとして「誰かのそばに寄り添える歌を」というのがあるのでそこは忘れずに。会場が大きくなって距離が遠い分、私を遠くに感じるのではなくて、「こんなに会場が広くなってもすごく近くに感じる」と思っていただけるようなアーティストになりたいなと思います。

◆これからも“しおちー”は皆のそばにいてくれますか?

もちろん、しおちーです!(笑)本当にしおちーって呼んでもらえる感じがいいですよね。気軽に友達に相談をするように曲を聴いてもらえる、そんなアーティストになれたらいいなと思います。

 

■PROFILE

塩ノ谷早耶香インタビュー塩ノ谷早耶香●しおのや・さやか…1994年3月12日生まれ。福岡県出身。O型。2012年に「KING RECORDS Presents Dream Vocal Audition」で約1万人の応募者の中から、グランプリを受賞。2013年1月23日にシングル「Dear Heaven」でメジャーデビューを果たす。

塩ノ谷早耶香 OFFICIAL WEB SITE
http://www.shionoya-sayaka.jp/


■イベント情報

「Mist-ic」発売記念ミニライブ&握手会
1月21日(土)あまがさきキューズモール 2F緑遊広場ステージ(兵庫県)
1月22日(日)タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース(東京都)
1月24日(火)池袋サンシャインシティ噴水広場(東京都)
1月25日(水)タワーレコード横浜ビブレ店イベントスペース(神奈川県)
1月26日(木)HMV大宮アルシェ 1F(埼玉県)
1月27日(金)アスナル金山 明日なる!広場(愛知県)
1月29日(日)チャチャタウン小倉(福岡県)

 

■リリース情報

塩ノ谷早耶香「Mist-ic」「Mist-ic」
1月25日(水)発売

初回限定盤TYPE-A(CD+DVD)
4,000円(税込)
DVD:2016年7月31日に渋谷wwwで行われた「塩ノ谷 早耶LIVE 2016~always with you~」のライブ映像を収録

初回限定盤TYPE-B(CD+DVD+Photo Book)
3,500円(税込)
DVD:MV集(BELIEVING/魔法/SMILEY DAYS/流れ星)を収録

通常盤(CDのみ)
2,500円(税込)

 
●photo/徳永 徹 text/多田メラニー
styling、hair&make/KOBA(PUNCH)