吉沢亮・黒崎博インタビュー「『生きてるな』と感じた時間でした」『青天を衝け』

ドラマ
2021年12月19日

◆栄一に対する思いに変化はございましたか。

吉沢:最初は調べれば調べるほど偉大な功績に関する情報ばかりが出てきて、とんでもないスーパーヒーローを演じるんだなという印象を持っていました。でも、演じていくうちに少し抜けている部分があったり、失敗していく姿も見えてきて、そしてそんなところもすごく魅力的に感じて。人間臭い男だなと思いました。

そして、本作にはその瞬間瞬間の主人公がたくさん存在するんですよね。そういった一人ひとりの主人公たちが何かを成し遂げた瞬間や失敗した瞬間、そして散っていく瞬間まで、時代の変化をずっと見つめてきた栄一はたくさんの人からバトンを渡されて、生きて、つないで…人に愛された人なんだなと感じています。僕も栄一が好きでした。

黒崎:演出としても、まさに栄一の“失敗だらけ”な部分はすごく大事に作ろうと思っていたところなんです。ただの成功者じゃなかったからこそこの物語の主人公になって、そして吉沢さんが演じてくださったからこそ愛すべき栄一になったんだと思います。なので、そんな栄一をみなさんに愛していただいたのだとしたら、とてもうれしいことです。

◆吉沢さんご自身には、撮影前と今とではどのような変化があったのでしょうか。

吉沢:1年以上同じチームで誰1人欠けることなく、そこにその人がいたから1つの要素ができていって、僕が栄一を演じることができて。みんなで作り上げた渋沢栄一という感覚を強くもっています。そして大河の主演として、うれしい思いも苦しい思いも、辛い思いもたくさん経験してきてめちゃくちゃ「生きてるな」と感じた時間でした。こんなにも刺激的な現場はそうそう出会えるもんじゃないですし、それは一生、言い続けていそうですね。年相応のところからかけ離れた年代を長い間演じてきたので、人としても成長できていればいいなと思っています。

◆最後に、いよいよ最終話を迎える物語のみどころを教えてください。

黒崎:この物語を最後どう閉じようかということをずっと考えてきたのですが、綺麗に閉じるのは無理でした(笑)。栄一は最後の最後まで駆け抜けるように生きた人で、次から次へとこれをやった、あれをやったということがたくさん出てくるので、収束しきらない物語になりました。最終話まで吉沢さんが全身全霊で演じてくださったので、そのパワーが皆さんに伝わることを信じております。エネルギーに満ちあふれた物語を、ぜひ楽しみにお待ちいただけたらうれしいです。

吉沢:終わりに向けてまとめに入るのではなく、最後まで現役でやりたいことをやって、失敗もして…というように、栄一はどんなに年を重ねても挑戦し続けます。その姿がこの作品の肝だとも思いますし、自分自身も最後まで演じきれたなと感じているので、そういった部分を観ていただきたいです。

番組情報

『青天を衝け』第41回(最終回)
2021年12月26日(日)
NHK総合:毎週日曜日 後8・00~
BSプレミアム・BS4K:毎週日曜日 後6・00~

公式サイト:https://www.nhk.or.jp/seiten/

©NHK

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