石橋静河「隆子さんの『私は私で行く』という生き方を見て、それでいいんだと思えました」『探偵ロマンス』

ドラマ
2023年02月01日
『探偵ロマンス』石橋静河 ©NHK

土曜ドラマ『探偵ロマンス』(NHK総合 毎週土曜 午後10時~10時49分)で、村山隆子役の石橋静河からコメントが到着した。

『探偵ロマンス』は、新進気鋭の脚本家・坪田文が書き下ろすオリジナルドラマで、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』制作チームがNHK大阪放送局から送る、ロマンスあり、笑いあり、涙あり、魂の叫びあり、アクションありの珠玉のエンターテインメント活劇。江戸川乱歩が作家デビューを果たした1923年から100年という節目を迎える今、“知られざる江戸川乱歩誕生秘話”を描く。

石橋が演じる村山隆子は、太郎(濱田岳)がかつて働いていた造船所があった鳥羽の小学校教師。太郎が親愛を寄せる文通相手で、新しく小説を書くたびに隆子に送り、彼女の感想を心待ちにしている。

石橋静河 コメント

◆『探偵ロマンス』に出演することが決まったときのお気持ちは?

『探偵ロマンス』はフィクションですが、隆子さんは後の江戸川乱歩・太郎さんの奥さんとなる実在した人物。当時としては珍しく学校の先生をしていた女性でりんとしていたというお話を聞いて、それはすごく楽しみだなと思いました。今は女性の活躍がフィーチャーされる時代になってきているけど、大正時代にはかなりかっこいい女の人だったんだろうなと思いますし、演じるのもわくわくします。
江戸川乱歩さんってミステリアスな方かなと想像していたので、まさか太郎さんのようなひょうひょうとしていて、しかもおとぼけな部分もある設定だとは(笑)。平井太郎さんという本名にも親近感が湧きました。

◆脚本やご自身の役柄についての印象、演じていて印象的だったシーンなどを教えてください。

隆子さんはりんとした強い部分があり、腹が据わっている温かい人という印象です。太郎さんの才能にほれていて、私が一番のファンよ! という感じの、湿っぽさのない明るい強さがありますね。実際に、太郎さんの才能を引き出すプロデューサー的な存在だったともお聞きしました。
2人はあまりお互いの顔を見ているわけではないんです。特に太郎さん(笑)。太郎さんって、平気で隆子さんのことをその場に置いてどこかへ行ってしまうんですよ。私だったらしゅんとしますけど(笑)、隆子さんは「また行っちゃったわ」という感じで、どしっと構えているんです。とても広い視野で太郎さんを見ているんだろうなと思いました。
私は今28歳。何も知らない「新人」でもなくて「若手」という状態からもちょっと抜けつつあるけれど、そんなにたくさん経験があるわけじゃない。いろんなことが変わっていく時代の中で、自分が中途半端な場所にいるような感覚が『探偵ロマンス』で描かれている太郎さんたちの青春と似ているような気もします。だから隆子さんの「私は私で行く」という生き方を見て、あ、それでいいんだと思えました。そう教えてくれた隆子さんに出会えてうれしいです。

◆収録に参加されてみて、共演者の皆さまの印象、現場の雰囲気はいかがですか?

太郎役の濱田岳さんとは今回が初めましてです。やっぱり第一印象は「プロだな!」と感じました。本当に全体を見てらっしゃってお芝居も的確だし、スタッフさんとも仲がいいから自分のお芝居以外のことも周りと会話しながら進めていらして。大人だなあと思います。随所に優しさを感じる方ですね。
街中のシーンでは洋装の人、洋装に羽織を合わせている人、着物のカップルなど和洋の文化が入り乱れているのが面白い! 私のときめきポイントです。洋装を素早く取り入れる人もいれば、そんな格好は絶対にしない! と思っている人もいるような時代の狭間というのが感じられて楽しいですね。え! この服にこれを合わせるの!? とか、家のデザインはモダンだけど瓦屋根なんだな〜とか、ワクワクしながら見ています。

◆放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

謎解きのようなストーリーに、めくるめく展開。映像的にもすごく華やかですし、大正時代についての発見もたくさんあると思うのでそこも楽しんでいただきたいです。スペイン風邪が流行してちょっと不穏な空気が流れるという時代背景が、コロナ禍の今とぴったりと重なるのですが、そんな時代に隆子さんのような、りんとした女性や、不安に負けない人たちがいたということがすごく面白いし勇気づけられると思います。
落書きされた壁の中に、こそっと疫病封じの妖怪・アマビエが描かれているのも面白いところ。きっと美術さんの遊び心でしょうね。皆さんもよかったら探してみてください!

番組情報

土曜ドラマ『探偵ロマンス』(全4話)
NHK総合
毎週土曜 午後10時~10時49分

©NHK