『あたりのキッチン!』ドイツ在住の原作者・白乃雪が語る物語が生まれたきっかけ「自分と重ね合わせるように…」

ドラマ
2023年11月04日
『あたりのキッチン!』辺清美(桜田ひより)©東海テレビ ©白乃雪/講談社

桜田ひより主演の『あたりのキッチン!』(東海テレビ・フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分)より、原作者・白乃雪のコメントが到着。さらに11月4日(土)放送の第4話に登場する料理も公開された。

極度の人見知りで他人とまともな会話ができず、目すら合わせられない。コミュニケーション能力ゼロ、ゆえに友達もできず空回りばかりしてしまう大学3年生の辺清美。そんな清美が、唯一可能なコミュニケーション手段は「料理」だった。本作では、料理を通じて清美の成長を描く。

辺清美を演じるのは、女優として目覚ましい活躍を見せる桜田ひより。清美が働く定食店「阿吽」の店主・中江善次郎に渡部篤郎。また善次郎の一人息子で、父親に素直になれずお互いに壁を感じている高校生・中江清正を窪塚愛流が演じる。

そんな本作の原作者・白乃雪は、ドイツ在住の漫画家。放送に合わせて帰国し、撮影現場を訪れた白乃に芝居の様子やセットの感想、ドイツで日本の定食店を舞台にした漫画を描くことの苦労などを語った。

原作者・白乃雪 コメント
『あたりのキッチン!』©東海テレビ ©白乃雪/講談社

◆漫画「あたりのキッチン!」は、どのように生まれたのでしょうか?

「あたりのキッチン!」を描き始めたのは、ドイツに移住して2年目ぐらいの時期でした。当時はあまりドイツ語を話すことができず、周囲とコミュニケーションを取れずにいたんです。そんな自分と重ね合わせるように、苦手なコミュニケーションを得意な料理で行う、辺清美の物語が生まれました。日本の食材や調味料は現地でもある程度入手できますが、なるべく現地で普通に売られているものを使いたいという想いがあって、ちらし寿司の具にゆでたカリフラワーをしょうゆで和えたものを乗せたりしたことも…。そうしたアレンジも、「その人に合わせて料理する」清美の姿勢に反映されているかもしれません。

◆撮影現場をご覧になった感想を教えてください。

「阿吽」のセットが、とても細かな部分まで作り込まれていて驚きました。「自分もこんなふうに店内を描きたかった…」と思ったほどです。もちろんキャストの皆さんも、私が思い描いたキャラクターを体現してくださっています。実写ならではの強度を持った、「本物の清美と善次郎」が画面の中にいると感じました。何より作品全体の空気感から、皆さんが愛を持って作ってくださっていることが伝わってきましたね。

◆ちなみに、白乃さんにとっての思い出の味は?

第1話にも登場した、鶏肉を乗せたうどんでしょうか。実家でよく食べていて、母からも「あれはウチのレシピね」と言われました。ちなみにドイツでこの漫画を描いていた時に、調理の所作が分からなかったりと苦労することがありました。そんなときは母に頼んで調理の様子を動画に撮ってもらい、参考にしていました。だからドラマに登場するレシピには、我が家の味が反映されていると思います。

◆原作者として、どんな部分に注目してほしいですか?

笠原将弘さんに監修していただいてレベルアップした料理にも注目してもらいたいですし、清美の成長物語もとても丁寧に描いてもらっているので、そこも見てもらいたいですね。この物語の主軸となるのは、料理を通して気持ちが通じ合っていくところ。思いやりの世界をしっかりと描いていただいているので、ぜひそんな部分を感じていただけたらと思います。


『あたりのキッチン!』©東海テレビ ©白乃雪/講談社

先週放送の第3話で、善次郎と清正のギクシャクした関係を思い出のメンチカツで取り持った清美。本日放送の第4話では、辛いものが苦手な桜(工藤美桜)にも麻婆豆腐をおいしく、そして楽しく食べてもらおうと清美が奮闘。この麻婆豆腐も、東京・恵比寿の「賛否両論」店主の笠原将弘が料理監修を行った必見のレシピとなっている。

「辛くない麻婆豆腐って、ただの肉味噌豆腐なのでは?」。そんな疑問が頭をよぎる人にこそ食べてもらいたいのが、この「阿吽」の麻婆豆腐。ポイントはうま味を引き出し、唐辛子とは異なる辛さをアクセントにすること。また、清美が考えた中華料理ならではの「皆でおいしく食べるための工夫」にも注目だ。

『あたりのキッチン!』©東海テレビ ©白乃雪/講談社

1つ目のポイントは「ひき肉をしっかり炒め、うま味を引き出す」。辛さを抑えた麻婆豆腐を作る際に大切なことは、うま味や甘みを感じられるようにすること。ひき肉を炒める際も十分に水分を飛ばして味を凝縮させることで、ひき肉ならではのうま味を引き出すことができる。

『あたりのキッチン!』©東海テレビ ©白乃雪/講談社

2つ目は「爽やかな辛さの山椒を活用」。辛くない麻婆豆腐といっても、やはりある程度の辛さは必要。そんなときに役立つのが山椒。山椒の魅力は唐辛子のようにいつまでも舌に残る辛さではなく、鮮烈で爽やかな辛さにある。中国料理によく使われる花椒がお薦めだが、粉山椒でもOK。「でも、やっぱりガツンとした辛さがほしい」という人がいたら、食卓に出す際にラー油を添えるといい。

さらに、笠原からは「『お父さんは辛いほうが好きだけど、それだと子供が食べられない』など、家庭で麻婆豆腐を作る際に、どれくらいの辛さにしようかと悩む人も多いと思います。今回のように辛みを抑えたり、ラー油を添えたりするのも一つの手ですよね。また麻婆豆腐を作ったら辛いのが好きな人の分だけ先に取り出して、残りに溶き卵を加えるという手も。ちょっと意外な方法ですが、卵の効果でお子さんでも食べられる、まろやかな味に仕上がりますよ」といった提案も。

『あたりのキッチン!』左から)兼原秋斗(遠藤健慎)、辺清美(桜田ひより)、鈴代桜(工藤美桜)©東海テレビ ©白乃雪/講談社

第4話 あらすじ

『あたりのキッチン!』左から)辺清美(桜田ひより) 中江清正(窪塚愛流) 兼原秋斗(遠藤健慎)©東海テレビ ©白乃雪/講談社

清美(桜田ひより)を訪ねて「阿吽」にやって来た謎の男の正体は、同じ大学に通う兼原秋斗(遠藤健慎)だった。兼原はキャンパスで見かけた桜(工藤美桜)にひと目ぼれし、仲を取り持ってほしいと清美に頼み込む。清美と桜がよく昼食を共にしているのを目撃し、友人同士であると思っていたという。「友達だなんてとんでもない」と恐縮する清美だが、渋々兼原の提案を承諾し、桜の心中を探ろうとするが…。

番組情報

『あたりのキッチン!』
東海テレビ・フジテレビ系
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分

原作:白乃雪「あたりのキッチン!」(講談社アフタヌーン KC)
企画:市野直親(東海テレビ)
脚本:橋本夏(『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)、『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~』(読売テレビ・日本テレビ系)、『ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系)ほか)
ニシオカ・ト・ニール(『賭けからはじまるサヨナラの恋』(U-NEXT)、『イケメン共よ メシを喰え』(テレビ大阪)ほか)
音楽:MAYUKO、眞鍋昭大
演出:岩田和行(『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』『家族ゲーム』(フジテレビ系)、『黒鳥の湖』(WOWOW)ほか)
菊川誠(土ドラ『リカ』、『純愛ディソナンス』(フジテレビ系)、『悪魔はそこに居る』(Paravi)ほか)
本間利幸(『アイゾウ』『シンデレラはオンライン中!』(フジテレビ)、『左ききのエレン』(TBS)ほか)
木下高男(『ばらかもん』『警視庁いきもの係』(フジテレビ系)、『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)
プロデューサー:遠山圭介(東海テレビ)(土ドラ『三千円の使いかた』『おいハンサム!!』『その女、ジルバ』ほか)
貸川聡子(共同テレビ)(『忍者に結婚は難しい』『推しの王子様』『知ってるワイフ』(フジテレビ系)ほか)
制作協力:共同テレビ
制作著作:東海テレビ

番組サイト:https://www.tokai-tv.com/atarinokitchen/
番組Instagram:https://www.instagram.com/dodra_tokaitv/

©東海テレビ
©白乃雪/講談社