『どうする家康』音尾琢真が“殿”松本潤との共演振り返る「殿って本当によく泣くなと思います(笑)」

ドラマ
2023年11月05日
『どうする家康』音尾琢真©NHK

松本潤が主演を務める大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合ほか 毎週日曜 午後8時ほか)で、鳥居元忠役を演じた音尾琢真からコメントが到着した。

大河ドラマ第62作は、誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の生涯を脚本家・古沢良太が新たな視点で描く『どうする家康』。ひとりの弱き少年が、乱世を終わらせた奇跡と希望の物語だ。

本作で音尾が演じた鳥居元忠は、鳥居家代々の家訓に従って人質時代から家康に付き添い、生涯を通じて主君を守り続けた徳川一筋の忠義者。普段は不器用で明るい男だが、戦場ではスイッチが入ったかのようにその活躍を見せてきた。

このたび、クランクアップを迎えた音尾からコメントが到着。現在の心境や千代(古川琴音)との関係性、第42回(11月5日(日)放送)の台本を初めて読んだ際の感想や徳川家臣団の一員を演じ切っての思いなどを語った。

鳥居元忠役・音尾琢真 コメント

『どうする家康』音尾琢真©NHK

◆クランクアップを迎えた今のお気持ち

次々と他の家臣団がアップしていったので、いつか自分もと思ってはいましたが、いざ迎えてみるとやっと抜け出せたような、寂しいような…。長いこと撮影していましたので、本当に終わったんだろうかと、実感が持てず不思議な気持ちです。でもこの作品に参加できて良かったなと、しみじみ感じております。

◆千代と結ばれることについて

役について学ぶ中で、武田家の女性をちゃっかり自分の奥さまにしていたというエピソードは知っていたので、今作でも描かれるのかなと気にはなっていました。結果的に千代さんを妻にするという思いもよらない形で描かれました。当初は想定されていなかったそうですが、ある日突然、監督から「千代と結婚することになりそうなんですけど、彦さん(彦右衛門=鳥居元忠)どうですか」「武田の女性を見つけ出して妻にしたという言い伝えとジョイントした形にはなるんですけど…」と言われました。相手がまさかの千代ということで、台本をいただく前はいつか寝首をかかれるのかなと想像しましたが、いざ台本が完成すると、彦さんはOKだけど周りのみんなが反対するという形。なるほど、と思いました。
このエピソードを描いてくれて良かったなと思いましたけれど、これは千代人気が高かったから再登場させたんじゃないか!? と個人的にはいぶかしんでおります(笑)。

『どうする家康』左から)音尾琢真、古川琴音©NHK

◆第42回の台本を初めて読んだ時の印象

伏見城の戦いと言えば、“血天井”をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、配下の皆さんとともに戦い抜いて死ぬ、古風な時代の男らしさというか。壮絶で孤独なにおいがするイメージでした。でも今作では千代さんがそばにいるので、妙に幸せなムードもあるというのが新しいなと思いました。伏見城で千代と最後に言葉を交わすシーンで、僕は遠くを見ていました。そのシーンの撮影後、監督から「あれはどういう表情だったんですか。殿(家康)を思っていたんですか」と聞かれましたが、改めて振り返ると「違うなぁ」と思って…。武士として殿のために死ねるというだけで幸せなのに、隣を見たら千代がいて最期まで一緒にいられてさらに幸せで。元忠さんにとっては、本当に幸せでしかない時間だったのかなと思いました。撮影が始まった頃には全く想像もしていなかった最期になりました。元忠さん1人で最期を迎えていたら、もっと混沌とした空気になっていたんじゃないかと思いますし、従来の戦国作品であればこういう描き方にはならないと思いますが、まだまだ幸せが続きそうとさえ思えるような、『どうする家康』ならではの新しい描き方になっていていいなと思っています。

◆第41回で殿と最後に言葉を交わすシーンについて(伏見城の留守を任される場面)

事前に台本を読んでいる時点では、お互い涙する場面なのかなと想像はしつつも、泣けるのかな…一気にそこまでいけるのかな…と1人で考えていました。でも殿とあらかじめ読み合わせをして、目を見た時、「これは泣けるな」とすぐに分かりました。殿にもそう伝えると、「俺もやばい、泣く場面のもっと前から泣きそうでどうしよう」と言っていまして(笑)。戦のない太平の世を成し遂げるまでは涙の別れはしない、という思いでやっていたと思いますが、すぐ泣きたくなっちゃうらしいので。あの撮影の間、殿も泣かないように頑張っていたそうです。この作品を振り返ると、あらためて殿って本当によく泣くなと思います(笑)。お芝居の中ですけど、松本潤という人は感情がピュアでよく泣けるというか。ストーリーの中にすっと入って涙を流される方で、いつもすごいなと思っていました。それがこのシーンでも現れていたと思います。単純にせりふとせりふをぶつけ合うのではなく、役としての気持ちと気持ちの交換がきちんとできる人なんだなと思っていました。

『どうする家康』左から)松本潤、音尾琢真©NHK

◆徳川家臣団の思い

家臣団メンバーみんなが、クランクインしてからずっと変わらず持ち続けていた共通の思いがあると思っていて。それは、役として徳川家康という人を支えたいし、役者として松本潤さんという人を支えたいという気持ちです。それを、1人ひとりが、それぞれのやり方で実行してきたという感じがします。誰もが自分勝手じゃなくて。自分が“こうしたい”“こう魅せたい”ということよりも、何より殿を支えたいという気持ちを持って作品に参加していたと思うので、それが素晴らしいし、いいチームだったなと思っています。

番組情報

大河ドラマ『どうする家康』
NHK総合 毎週日曜 午後8時~
BSプレミアム/BS4K 毎週日曜 午後6時~

©NHK