『VIVANT別版』福澤克雄監督、考察的中に「参ったなと頭を抱えました」“壮絶退場”山本（迫田孝也）の人気は予想外

12月15日（金）よりU-NEXT Paraviコーナーにて独占配信される、『VIVANT別版　～副音声で福澤監督が語るVIVANTの世界～』を前に、福澤克雄監督と宮崎陽平監督が囲み取材に応じた。

ハイクオリティな映像美に加え、堺雅人演じる主人公・乃木と彼を取り巻く公安、さらに「別班」という謎の組織が複雑に絡み合った重厚なストーリー展開で社会現象を巻き起こした、2023年を代表する大ヒットドラマ『VIVANT』。

堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、二宮和也、松坂桃李、役所広司ら豪華俳優陣が一堂に会し、モンゴルで2か月半にも及ぶ大規模なロケも行われた本作は、TVer・TBS FREEでの累計再生回数がTBSドラマ初となる5000万回を突破（解説放送を含む。ビデオリサーチにて算出。集計期間：7月16日～9月25日）。U-NEXTでも、国内ドラマ作品における歴代初週視聴ランキング1位を獲得するなど大きな注目を集めた（U-NEXT調べ（9月24日時点）／配信開始から90日間の視聴者数を計測）。

多くの『VIVANT』ファンの期待に応え、福澤克雄監督ら演出陣が作品について語る副音声版『VIVANT別版』の配信が決定。まだ世に出ていない撮影秘話、演出陣だからこそ話せる本作に込められたメッセージなど貴重な話題が満載となる。

◆ここまで1～5話の副音声を収録されましたが、いかがでしょうか？

福澤：いろんなところでしゃべっているから、自分では初出しがないと思っているんだけど…。

宮崎：世の中的には初出しいっぱいありますよ。

福澤：編集もやっていて、もう何十回も見ているから飽きるなと思っていたけど、そうでもなかったな。

宮崎：続編みたいなことを副音声では言っていましたけど…

福澤：頭の中では、3部か4部できるかなと思って、前もって役者にはこういう役ですよと伝えてやっているので、つじつまが合うと思います。

◆福澤監督的、推しキャラは誰でしょうか？

福澤：全員。でも、自分の予想を超えたのは山本役の迫田（孝也）さん。このドラマの中だとゲスな1人なのですが、何でこんな人気が出たんだろうと。迫田さんは非常にいいお芝居をやってもらいましたし、ワニズ役の河内（大和）も素晴らしい芝居でインパクトを与えてよかったなと思っています。

チンギス（Barslkhagva Batbold）、ドラム（富栄ドラム）は人気が出ると思っていたけれど、予想以上だった。でもその軸には堺さんがピシッとしていて、役所さん、阿部さんがいて、主要メンバーがよかった。

◆主要メンバーの方々との撮影で、興奮するものはありましたか？

福澤：今回一番難しい役は乃木（堺）。乃木とFの二重人格を使い分けるのは、カットずつ交互にやっているから大変だっただろうなと。ノコル（二宮和也）も嫉妬心に燃えるようなところを描きながら、父親への尊敬もあり、青年のなんとも言えない、成人しきれていない雰囲気がとてもよく出ていて助かりましたね。

役所さんが演じるノゴーン・ベキというちょっとうさんくさいキャラクターなんだけど、役所さんにやっていただいてみんなスッと入るし、悪い人なのか良い人なのか分からない感じが非常によかったなと。助かりました、役所さんありがとうございましたという気持ち。

◆福澤監督の視点で見た、この素晴らしいキャスト陣が集まった理由は何だと思われますか？

福澤：日本ドラマも外に出て行かないといけないという危機感。1億2000万人の人口相手にドラマを作って、ある程度ヒットしても、なかなか外に出ることはなくて。今回、このドラマは外向けに作っていこうという思いがあったから、きっと皆さんも賛同してくれたのかなと。

◆考察も話題になったドラマになりましたが、考察を意識されて作ったところはあったのでしょうか？

福澤：考察ドラマを作る気はなかったんですよ。1話でアル＝ザイール（Erkhembayar Ganbold）が2発撃たれているところは、「超スローで見たら実は2発撃たれている」と出た時は参ったなと頭を抱えました。本当にピッタリ当たっているものもあれば、全く外れている考察もあったし。ただ途中であまりにも多すぎて見るのをやめてしまいました…。

宮崎：僕は公式Xもやっていたので、最後まで目を通しました。「こういう感じで言われていますけど、ジャイさん（福澤）どうしますか？」と相談して、公式Xで出すものと、公式では出しづらいなというものは自分のアカウントで出したり。変に混乱して、そこだけヒートアップしてもなというところは早めに解消するようにしていましたね。ノコルの肌が白い理由は、9話ぐらいまで見てもらえれば、会社の社長としてずっと会社の中にいるからベキほど焼けていないことが分かるんですけど、そこはうまく解消するようにしましたね。

あとは5話で黒須（松坂桃李）と乃木が野崎（阿部）の車を追いかけているシーンで、「距離が近すぎて、絶対に気づいているでしょ」みたいなことが書かれていたんですが、そこはモンゴルの国道で、土煙が上がるから前後があまり見えないんですよというのを豆知識的に言いましたね。