市川実日子、『LOST10』は「“分からない”と言える現場」小栗旬と初の夫婦役で「本来のかわいらしい感じが垣間見えた」

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3時間前
『LOST10』
『LOST10』

横浜流星が主演を務める金曜ドラマ『LOST10(ロストテン)』(TBS系 毎週(金)午後10時~10時54分)で直(小栗旬)の妻・あかねを演じている市川実日子のインタビューが到着した。

本作は、映画「国宝」でも横浜とタッグを組んだ脚本家の奥寺佐渡子、『Nのために』『最愛』など数々の名作を世に送り出してきた塚原あゆ子監督・新井順子プロデューサーが集結して送る、完全オリジナルのヒューマンサスペンス・エンタテインメント。

北海道の壮大な自然を舞台に発生した遭難事故「支樺岳(しからだけ)事件」をきっかけに、消えた生存者を追うため東京へ向かった小駒(横浜流星)と直(小栗旬)。手がかりを求めて訪れた直の家でふたりの前に現れたのが、市川実日子演じる直の妻・あかねだ。

謎めいた過去と複雑な思いを抱えるあかねという人物を、市川はどうひもとき演じているのか。台本を読んだときの興奮や共演者との裏話、撮影現場で感じたチームの温かさについて話を聞いた。

市川実日子 インタビュー

◆脚本を読んだ感想を教えてください。

脚本に「すべてを疑え」というセリフがありましたが、読み進めると、本当にどんどんみんな怪しく思えて来て。第1話の終わりで事故から事件に変わったことで、続きの第2話を早く読みたくなって、その後も「次!」みたいな感じで脚本を読む手が止まりませんでした。

警察官と保険調査員がバディを組むという、初めはお互い情報を言えない関係性で、それでも協力しなければならないことが生まれていく。そこも面白かったです。

◆奥寺さんが脚本を手がけられていると知ったときは、どんな印象を持ちましたか?

出演のお返事をしてしばらく経った頃、BS-TBSで『最愛』が再放送されていることに、第4話くらいのタイミングで気づいたんです。放送当時も見ていたのですが、気になったので録画をして見始めたら…、以前見たことをすっかり忘れてしまうくらい、すごく面白かったんです(笑)。
それで、途中で『あれ、(脚本が)奥寺さん?』と気づいて、『そうだ、(プロデューサーは)新井順子さんだ』と、逆にそこからつながっていったんです。

本当に毎週楽しみで、続きが気になってDVD買おうかなと思うくらい夢中になっていて。でも、再放送だけど、次回までの1週間を待つという時間がすごくいいなとも思って。そして途中で「『LOST10』はこのチームなのか!」と気づいたんです。だから、余計に自分の中で震えるところがあるというか。これからご一緒するチームの作品を、視聴者としてこんなに心を動かされながら楽しみにしている面白さを感じつつ、緊張感も生まれました。

実際に『LOST10』の脚本を読んで、「余白があって、読む人によって想像が変わってきそうな本だな」と感じました。ト書き(セリフ以外の登場人物の動作や情景のこと)での説明も少ない気がしていて、きっと塚原さんや撮影現場を信じている脚本なのかなという勝手な想像をしています。

◆横浜さんとは『DCU』(2022年)以来の共演ですね。今回、共演が決まったときはいかがでしたか?

流星くんと久しぶりにお会いできてうれしかったです。『DCU』以降もたくさんの作品に出演されていますが、変わっていなくて、アドリブからもう優しい。塚原さんとも「小駒、優しいね」と話しているのですが、きっと流星くん自身が優しいから(役にも)出てくるんだろうなと思っています。

安心するんですよね。「なんで安心するんだろう」と考えると、どこか昭和っぽい真っすぐさを感じるんですよね。良い意味の昭和っぽさです(笑)。空手をされていたからなのかな(笑)。

◆受け止めてくれる印象もありますか?

そうですね。全部キャッチしてくれるんです。私の独り言にまで、「そうっすよね」って。

流星くんも「悩んでいます」とは言わないけれど、合間もずっと探っている。考えているし、ちょっと話したりすると、「そうなんですよね」って。みんな悩んでいるんですよね。

◆小栗さんとはこれまでも共演されていますが、今回は初めての夫婦役ですね。

多分、小栗くんが(夫婦の雰囲気がでるような)そういう環境を作ってくれています。彼がいてのあかねですよね。脚本から想像していた以上に、直とあかねって、ざらざらっとした関係だなと撮影をしながら感じていて。こうなるまでに実はいろいろなことがあったということを表現するのが難しいですよね。

塚原さんが、小栗くんと私それぞれに、直夫妻のここ数年や現在の温度感を「結構だと思いますよ」と話してくださって、夫婦像の道筋が見えた感じがします。

◆これまでの共演とは、また違った印象がありましたか?

小栗くんとは、彼が20歳ぐらいの時に舞台でご一緒しています。それが私の初めての舞台だったんですけど、その時のことを今回、撮影の合間に初めて話せています。

その後も映画などでご一緒しているのですが、なぜか毎回、お互い深刻な状況の時の役が多くて(笑)。撮影の合間に会話を楽しむというような感じではなかったんです。

でも今回は、直という役の柔らかい、軽やかな感じもあって。初めていろいろとお話しできて、すごくうれしいです。

小栗くんって、覇王みたいな空気があるじゃないですか(笑)。だけど、今回、本来のかわいらしい感じが垣間見えたといいますか。こういう夫婦の関係性を、ぎゅっと短時間で作らなくてはいけなかったからこそ、初めて目が合った感じがして、今回共演できて良かったです。

◆あかねを演じるにあたって、役作りではどのようなことを意識されましたか?

塚原さんと直接お話ししてみないと分からないなと思っていました。

人物表と脚本を並べて読んでいても、「このシーンでどんな気持ちを大事にしたらいいんだろう」と、思うところがいっぱいありすぎて、分からなくて。だから、塚原さんと1個1個相談しました。

脚本はもちろん大事ですが、撮影現場で起きることも同じくらい大事。あかねの人物表に「人見知り」と書いてあっても、直がどういう人なのか、現場はどういうムードなのか。そういうものを見ながら考えていきました。

◆脚本を読んだだけでは分からない部分も、現場で探っていったんですね。

そうですね。第4話で娘・みのり(倉田瑛茉)と直とあかねの3人で星を貼るシーンと、1人で飲み物を飲むシーンは撮影前に追加されました。その2シーンが入ったことで、私はすごく救われたんです。

あかねって、結構なことを言うじゃないですか。「あの人のこと、信用しないほうがいい」とか。初対面の人にそう言ってしまう心境が撮影の出発点だったので、あかねの家族とのしあわせな時間や、1人の時間を体感できたのは大きかったです。

◆撮影現場では、皆さんで話し合いながら作っていくことも多いそうですね。

撮影初日は特にそうだったのですが、私のシーンは、みんな探り探りだったんです。だから、小栗くんも「家での直はどんな感じなんだろう」とか、みんなで「うーん」と言いながら、悩んでは話してということが健やかにできています。

それがすごく居心地がいいというか。「こんなに『分からない』って言っていいのかな」と思わずに、「分からない」と言える。

「分からない」と言える現場って、すごくないですか。みんなが同じ地図を持って、「こっちに行ったらいいんじゃないか」と、作品に向かっている感じがして、すごく温かいなと思いました。

◆そうした意見も率直に伝えられるのは、皆さんの関係性があってこそですね。

そうですね。このチームは役者に対しても、スタッフに対しても。監督に対しても、プロデューサーに対しても、本当にそれぞれのリスペクトがあって、ユーモアもあって。

以前、映画「ラストマイル」のときに「ここ、なんでこうなんだろう」「こうじゃない?」「そうだそうだ」って、石原さとみさんと私が塚原さんと話している姿に、新井さんが「つかさんのこの姿、久しぶりに見た」とおっしゃっていたんです。塚原さんがそういう相談しやすい空気を作ってくださっていると感じています。

今回も、みんなよく塚原さんのところに行って相談していて。やりとりもすごく早いんですよ。そういうところも含めて、このチームの空気感だなって、うれしくなっちゃう。 幸せですよね。役作りは難しいですが、合間はそうやって楽しいです。

クランクイン前に塚原さんと新井さんと3人でしゃべっていた時に、あかねは最初どんな人物か分からない登場の仕方だから、「情報解禁とかで、直の奥さんとか絶対言っちゃダメだよ」って言ったんです。 そしたら塚原さんも「絶対ダメだよ、それ」って乗ってくださって、新井さんが「えー」と悩んでいました(笑)。そうしたら本当に、みんながフルネームじゃなく、役柄もちょっと伏せ気味という形で新井さんは応えてくださって…!

私が視聴者だったら、先に言わないでほしいので(笑)。犯人探しも一つの楽しみかもしれないけど、この作品はそれだけじゃないと思っています。

◆最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

なんて言えばいいんだろう…、一つの側面から見ていた人物の、くるっと違う側面も見えて来たり。作品全体もですが、今後も変化し続けていくので、楽しんで見ていただけたらうれしいです。

番組情報

金曜ドラマ『LOST10』(読み:ロストテン)
TBS系
毎週(金)午後10時~10時54分

<キャスト>
横浜流星、小栗旬、中村アン、飯豊まりえ、井口理、岩谷健司、松下洸平、市川実日子、野呂佳代、斉藤由貴

<スタッフ>
製作:TBSスパークル TBS
脚本:奥寺佐渡子(映画「国宝」「おおかみこどもの雨と雪」「望み」、ドラマ『下剋上球児』『最愛』『リバース』『Nのために』『夜行観覧車』など)
音楽:ガブリエル・ロベルト(映画「嫌われ松子の一生」「脳男」「イニシエーション・ラブ」「夏目アラタの結婚」、ドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』シリーズなど)
主題歌:Maya「LOST」(Sony Music Labels Inc.)
演出:塚原あゆ子(映画「ファーストキス 1ST KISS」「ラストマイル」、ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』『海に眠るダイヤモンド』『最愛』『Nのために』など)
プロデュース:新井順子(映画「ラストマイル」、ドラマ『海に眠るダイヤモンド』『下剋上球児』『最愛』『Nのために』など)
編成:荒木沙耶

©TBS

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