又吉直樹、映画『ジョーカー』の衝撃語る「しばらく席から立てなくなって…」

映画
2020年01月27日
映画「ジョーカー」ブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信記念イベント

 映画「ジョーカー」ブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信記念イベントに、ピースの又吉直樹と映画評論家の松崎健夫が登壇した。

 冒頭で又吉は前回のイベントを体調不良により欠席したことについて、お詫びの言葉を述べ、MCから「元気な顔が見れてよかったです」と声を掛けられると「元気には見えないと思うんですけど、体調は回復しておりますので」と、会場の笑いを誘った。

 公開後すぐに本作を観に行ったという又吉は「観終わったあと、映画館のスタッフに声を掛けられるまでしばらく席から立てなくなって。どう消化したらいいんだろうと、考えらながら歩いて帰りましたね」と語り、2日後にリピート鑑賞したことも明かした。

 松崎は「又吉さんだけじゃなく、映画を観た全ての人が、社会問題や実生活など、リアルな自分の人生と重ねてしまうことで衝撃を受けるんだと思います」と、本作が大きな反響を呼んだ理由を分析した。

 同じコメディアン・芸人として、共感する点について聞かれた又吉は「主人公のアーサーは人を楽しませたいだけなのに、悲しい惨めな想いをするというシーンがあるんですけど、僕も芸人になりたくて上京してきた頃に、バイト先のオーナーから、芸人ではないバイトの先輩の方が又吉よりも面白いと言われたことがあって(笑)。人を楽しませたいだけなのに、“なんでこんな悲しい想いせなあかんねやろ“ということが多々ありましたね」と、上京当時のエピソードを語った。

 松崎が「現実なのか、妄想なのか、あえて分かりにくい演出がされていて。例えば、時計が映るシーンが何度もありますが、いつも同じ時間を指していると分析している方もいます」と語ると、又吉も「それは観返してみたいですね」と興奮気味に反応した。

 数々の映画賞を受賞している主演のホアキン・フェニックスについて又吉が「なんでこんな表情ができるんやろうって。笑い方もすごいですよね」と賛辞を送ると、松崎も「スクリーンを観ている人にも感情を読み取らせることができる、そう信じて、内面性から創り上げるというアプローチをしていますよね」と語った。

映画「ジョーカー」ブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信記念イベント

 SNS上で日本でも話題となったNY在住の相方・綾部祐二の成り切りジョーカーがスクリーンに映し出されると、又吉は「ユージ・アヤベ。何してるんですかこれ(笑)」「話題になっている場所で写真が撮れるという精神力。それが素晴らしいですよね(笑)」とツッコみ、会場が笑いに包まれた。

 さらに、昨年出版した著書『人間』と本作の共通点について「若者が夢を追っている設定や、誰しも心当たりがあるアーサーの憂鬱な感情は、小説の登場人物にも共通しているところがあるかもしれませんね」と分析し「アーサーが元々持つ論理と“ジョーカー”になったあとの言葉には、若干飛躍があるなとは思うんですけど、そこに違和感はないんです。その、なんとなく痛快な部分が面白いなと感じて、こういう表現もできるんだと思いましたね」と語った。

 最後に又吉は「僕みたいに共感の視点で観る人だけじゃなくて、全く異なる面白がり方で楽しんでいる人もいて、それぞれで自由に観ることができる映画なのかなと思います」と。松崎は「いろんな作品のオマージュが隠されていたり、今起きている社会問題とつなげてみることができたりと、いろんな楽しみ方ができる“今”観るべき作品だと思います」と語った。

映画「ジョーカー」ブルーレイ&DVDリリース/デジタル配信記念イベント

「ジョーカー」ブルーレイ&DVD
1月29日(水)発売
デジタルレンタル同時配信
デジタルセル先行配信中
2月7日(金)よりIMAX®、ドルビーシネマ(一部劇場を除く)で再上映決定

【初回仕様】ブルーレイ&DVDセット
¥4,980(税込)
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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