大竹しのぶ「それでもやっぱりお芝居がやりたい」舞台「女の一生」製作発表会見開催

エンタメ総合
2020年10月01日

11月2日(月)より上演される舞台「女の一生」。その製作発表会見が9月30日(水)に開催され、大竹しのぶ・高橋克実・段田安則・風間杜夫が登壇した。以下、オフィシャルレポートを掲載する。

昭和20年、終戦直前に森本薫が文学座に書き下ろし、杉村春子が初演した「女の一生」。杉村はその生涯で947回にわたって主人公の布引けいを演じ、観客の圧倒的な支持を得たという。物語は、明治38年から昭和20年までを全5幕7場で綴り、天涯孤独の少女であった彼女が、拾われた家の長男の妻となって家業を守る40年間が描かれている。

今回、そんな布引けい役に挑むのは、大竹しのぶ。彼女が拾われる“堤家”には、次男・栄二に高橋克実、長男・伸太郎に段田安則、次女・ふみに宮澤エマ、ふみの夫の野村精三に林翔太、女主人のしずに銀粉蝶、叔父の章介に風間杜夫という豪華キャストが顔を合わせた。さらに、段田は演出も手掛ける。

会見はまず、段田が「今回のコロナの状況を考えたときに、舞台に立てるということは当たり前のことではないと感じたので、命がけで務めたいと思っております。素晴らしい役者の方々が揃っておりますので、演出については、なにもしなくても上手くやってくれるだろうと思っております(笑)」と笑顔を浮かべながらあいさつ。

大竹も「昭和20年にこのお芝居が生まれたのだと思うと、色々なことを考えさせられます。私たちは不自由な時代に突入しましたが、それでもやっぱりお芝居をやりたいと思っています」と熱い思いを語った。

高橋は「今回は、19歳から59歳を演じるので、たくさんかつらを被ります。チラシを配ってもどこにいるのか分からないと言われたりもしておりますが、楽しい現場、そして良いお芝居ができるように頑張ります」と今後への意気込みをみせる。

風間も「南座は中止となりましたが、演舞場の公演は行うと聞いた時、役者をやっていて良かったと思いました。こんな状況ではありますが、皆様のお力を借りて1席でも多くお客様に来ていただきたいと願っております」とメッセージを寄せた。

記者からの「この半年間は経験したことのない期間だったと思いますが、それぞれどのように過ごしていましたか?」という質問に、大竹は「4月の舞台がゲネプロの直前までいって中止になってしまい、あの時の喪失感と言いますか、こんなに面白いお芝居や舞台セットを見てもらえずに散っていくという悲しさは一生忘れられないものでした」と吐露。

続けて、風間は「がっつり食べて、昼寝をして、夕方起きて散歩という規則正しい生活をしていたら、見事に太りましたよ(笑)。1度ついた肉は中々落ちないですが、今回演じる章介おじさんは痩せる必要はないので、青年を演じる克実さんの方がご苦労されると思います」と明かし、会場の笑いを誘っていた。

演出のポイントについて、段田は「明治の末期から終戦までの40年間を描いておりますので、日本も一番状況が変わった時代ですし、当時の人物の動きや空気は活かさなければいけないですね。人間の本質は明治も今もそんなに変わっていないと思います。時代の変遷がとてもよく描かれている作品で主人公のけいの変わり具合と時代の流れがマッチしているとも思いますね」と回答。

すると、大竹も「(けいが)一生懸命生き抜いたというところに共感できます。そういう方は今の時代にもたくさんいらっしゃると思います。けいの台詞にある『誰が選んでくれたのでもない、自分で選んで歩きだした道ですもの』という考え方は好きだし、私はそう思って生きてきました」と、自身の役柄への共感を明かす。

大女優の杉村が演じていた役をやることについては「私は杉村さんの『女の一生』の舞台を残念ながら実際にはみることができなかったので、どのように演じていたのか分かりません。なので、あまり意識しないで私なりの布引けいを演じなければいけないと思っています。杉村さんは当時演じていた時に立つこともできないくらい体調が悪かったようですが、台詞をいう際はピシっとされていてすごいと思いました」と畏敬の念を表し、会見は幕を閉じた。

舞台「女の一生」は、11月2日(月)から東京・新橋演舞場にて上演。チケットは、10月4日(日)より発売される。詳細は公式サイトを参照。

<公演情報>

「女の一生」
2020年11月2日(月)〜26日(木)
東京・新橋演舞場

【キャスト】
布引けい:大竹しのぶ
堤 栄二:高橋克実
堤 伸太郎:段田安則
堤 ふみ:宮澤エマ
堤 知栄:多岐川華子
堤 総子:服部容子
職人・井上:森本健介
野村精三:林翔太
堤 しず:銀粉蝶
堤 章介:風間杜夫

公式サイト:https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujyo_20201031/