『おやすみ王子』が4年ぶりに復活!水上恒司、藤岡真威人、犬飼貴丈が芥川賞・直木賞作家による書き下ろし物語を読み聞かせ【コメントあり】

エンタメ総合
2023年10月11日
『おやすみ王子』水上恒司 ©NHK

レギュラー番組への道『おやすみ王子』(NHK総合 午後11時30分~11時59分)が、10月21日(土)に放送される。

仕事、家事、育児…日々奮闘する女性たちに向けた“読み聞かせ”の番組『おやすみ王子』が、4年ぶりに復活。テーマは「秋の果物」。

今回は3人の芥川賞・直木賞作家たちが番組のために書き下ろした物語を、水上恒司、藤岡真威人、犬飼貴丈の3人の個性豊かな“おやすみ王子”たちが不思議な本屋さんを舞台に読み聞かせをする朗読ドラマを送る。

水上は小川洋子による「桃の種」、藤岡は千早茜による「木守柿(こもりがき)」、犬飼は窪美澄による「林檎(りんご)」に出演。番組本編以外にも、VRや今回初となるARでのコンテンツも展開される。秋の夜長に読み聞かせを通して、心地よい眠りへといざなう。出演者と作者のコメントは以下を参照。

「桃の種」出演・水上恒司 コメント

ある詩人が言っていた言葉で「詩は詩人がしたためて完全なものではない。詩とは不完全なものである」と仰っていたことが強く印象に残っています。常に最良の正解を見つけようとする完璧主義のような取り組みではなく、今回の朗読は自由に読ませていただきました。犬飼さん、藤岡さんとは過去に共演させていただいていたので再会できてうれしく思いました。犬飼さんとの掛け合いでは互いに文句を言いながらもニコイチの存在であることをお互い認め合っているような空気感を作れたと思います。真威人君は純粋で澄んでいるのはもちろんのことながら、今作の世界観に相応しい何かスケールの大きいものをお持ちの方ですので大変刺激になりました。本編を観て、聴いていただきたいことはもちろんですがVR編も必見です。私はVR撮影が1番興奮しました。ぜひよろしくお願いします。

「桃の種」小川洋子 コメント

◆テレビに書き下ろして普段と違った点

何も違いはありませんでした。普段から無意識に、声にならない声で音読しながら書いているので、私の中には、文字ではなく、声が残っています。声に出した時、自然な響きになるかどうか、をいつも大事にしています。テレビで朗読される、ということにとらわれず、あまりに普段どおりに書いたので、提出したあと少し心配になりました。書き直しにならなくて、ほっとしました。

◆視聴者へのメッセージ

私の作品を聴いてくださった方々が、そのあと眠りにつき、どんな夢を見るのだろうか。それを考えるととてもわくわくします。その夢を一つ一つ小説にしてみたい、という妄想にかられています。自分の小説と、視聴者の皆さまの眠りが結びつく。すでにこのこと自体が物語のようです。魅惑的な番組に参加できて幸運です。もう今から、王子さまの朗読が楽しみで待ちきれません。

「木守柿」出演・藤岡真威人 コメント
『おやすみ王子』藤岡真威人 ©NHK

千早茜さんの紡ぐ言葉は、どこか懐かしいような、あたたかい情緒を常に感じさせてくれました。作中に出てくる「ゆかしい」という感情も初めて出会った言葉で、こんなすてきな日本語があるのかと感動したのを覚えています。「木守柿」とある通り、作中では「柿」の漢字が入った単語がたくさん登場します。一つ一つの正しいニュアンスを丁寧に意識しながら、千早さんの描く世界観が少しでも聞き手に届くよう、イメージしながら朗読させていただきました。あらためてすごく貴重な経験でした。犬飼さんは初共演だったのですが、大人の余裕があって役にぴったりの方でした。裏話的な話で言うと、会話の中で発する一言が面白くて、常に現場に笑いが起きていました(笑)。水上さんは二度目の共演で、久しぶりに現場でお会いできたのがうれしかったです! 眠れない時、疲れた時、落ち着きたい時。ゆったりした気持ちでおやすみ王子を見て、少しでも皆さんの日々の疲れを癒やす手助けとなれば幸いです。

「木守柿」千早茜 コメント

◆テレビに書き下ろして普段と違った点

漢字は象形文字もふくまれるので、目で読む物語はなるべく場面に合うような字を選んでいます。今回は朗読。耳で聴く物語ということなので、古のやわらかい音のことばを入れてみました。

◆視聴者へのメッセージ

いただいたお題が「柿」だったので、すこし悩んで作りました。眠りにつく前にあの鮮やかな色が残りますように。自分が書いた物語を、王子に読んでいただくのは初めてです。誰より私自身が楽しみにしている気がします。

「林檎」出演・犬飼貴丈 コメント
『おやすみ王子』犬飼貴丈 ©NHK

窪美澄先生の今回の作品から感じ取れた「つらいこともいつかは思い出になる」という考え方は、僕が2、3年前に提唱していたことだったので、親近感を感じながら読むことができました。作品に込められた思いが伝わるように、気持ちを込めて丁寧に朗読させていただきました。また、共演した水上さん藤岡さんとのやりとりも楽しかったです。普段は年齢が僕より上の方たちと仕事をすることが多いので、年下のお二人と共演できたことはとても新鮮で、新たな気持ちで取り組むことができました。書き下ろし小説以外の番組の見どころがセットです。本屋さんのセットがすごくすてきだなぁと思ったので、セットにもご注目ください。

「林檎」窪美澄 コメント

◆テレビに書き下ろして普段と違った点

小説は文字だけの情報ではありますが、「ん?」と思うところがあれば、自分のスピードでページを戻ったりすることもできますよね。テレビではそうもいきませんので、なるべくわかりやすい言葉を使うようにして、長い文章を避け、誤解が生まれないような表現を心がけました。それでも、書き手の私から、こういう感想を持ってほしい、という気持ちはなく、テレビを見た方が、さまざまな感想を抱いてくださればうれしいと思っています。

◆視聴者へのメッセージ

編集者の方には男女問わず、小さなお子さんを抱えながら仕事をされている方がいて、「子どもが急に熱を出して…」という話をよく聞きます。そんな話を聞くと、「いったい明日の仕事はどうしたらいいんだろう!?」と途方にくれていた子育て中の自分を思い出します。このお話を聞きながら、お子さんを看病している方もいるかもしれません。子育てに関わっているすべての方に「でも、大丈夫だからね」と伝えたい気持ちがこの作品になりました。

番組情報

レギュラー番組への道『おやすみ王子』
NHK総合
2023年10月21日(土)午後11時30分~11時59分

◆「おやすみ王子 VR/AR」

VRやARのコンテンツは「おやすみ王子 VR/AR」から展開(10月14日(土)公開予定)。
https://www.nhk.or.jp/vr/oyasumi2023/

<VR(バーチャルリアリティ※1)>
書き下ろし小説の読み聞かせを360度カメラで撮影。王子たちが、まるで自分の隣で読み聞かせをしてくれているような臨場感ある映像を味わうことができる。加えて、王子たちの日常を描いたスペシャルコンテンツも公開し、本屋の中にいる気分を味わえる。本編とは異なり、リラックスしたパジャマ姿の王子たちも。

<AR(拡張現実※2)>
NHK放送技術研究所のボリュメトリックスタジオを活用して、おやすみ王子初の3DCGを制作。スマホをかざすと、自宅やカフェなど、さまざまな場所に出演者と本屋の看板犬の3DCGが現れ、好きなアングルで写真撮影を楽しむことができる。 第3者に撮影してもらえば、3DCGと並んで写真を撮ることも可能。

※放送内容は変更になる場合があります。
※1 VR:Virtual Reality
※2 AR:Augmented Reality

©NHK