北川景子&中村倫也の「窪塚さんはカリスマ、緊張する」に窪塚洋介「無視されてるのかと思った(笑)」

映画
2021年01月13日

島本理生の傑作サスペンスミステリー「ファーストラヴ」が主演・北川景子、監督・堤幸彦で完全映画化。2月11日(木・祝)の公開に先立ち、完成報告イベントが行われ、主演の北川のほか、中村倫也芳根京子窪塚洋介、堤幸彦監督が登場した。

主人公の公認心理師・由紀を演じた北川が撮影を振り返り「髪の毛を切ったことを、皆さんからすごく体当たりですねと言っていただけるんですが、大切で思い入れのある役、そしてこの作品で切ることができて、むしろご縁を頂いたという気持ちです。堤組に入るのが夢だったので参加できただけでうれしく、本物の公認心理師の方が見てもちゃんと勉強しているなと思っていただけるようにしたいと勉強しました」とコメント。いっぽう、由紀と共に事件の真相に迫る敏腕弁護士・迦葉を演じた中村は、役柄との共通点を聞かれ、「共通点は、顔、身長、髪質とか特に共通していたかな…有能な弁護士に…(笑)。弁護士としても、由紀との過去がある人物としても、言葉にしない言葉をたくさん持っている役かなと思っていたので、人と会話していても少し違うことを考えていたりとか、そういう彩りを意識していました」と役との向き合い方を語った。

窪塚は12年ぶりのタッグとなった堤幸彦監督作品への参加で「12年ぶりの堤監督との再会で、お会いして『窪塚君、何もしないでほしいんだ』と言われた時に最後の仕事なんじゃないか、何も求められていないんだ、と自問自答をして(笑)。だけど実は、この役は戦地や地球の最果てに行っていたカメラマンで、その土地で出会った人々の笑顔と日本で自分の隣にいる人々の笑顔を見た上で、さまざまな経験を経て、今はしがない写真館をやっている。つまり一周回って何もする必要がない役なんだと話していただいた。僕は『寺に行ってきます』と(笑)。何もしないことをできていたのか、そんなところも見ていただけたら」と話し、会場を沸かせていた。

登場人物の人間関係が複雑に絡み合う作品にあって、キャスト同士それぞれの共演シーンに話が及び、初共演となった北川と中村は同い年ということで、「同い年の役者さんとの共演があまり経験がなくて、勝手にクランクイン前からフランクでいっていいのかな、と緊張しないで会えました。見てきた作品も一緒で同級生って感じがすごくしました」と話す北川に、中村も「話しててもあの時のあれが通じる感じ」と共感している様子で、さらに北川が「それこそ窪塚さんが(自分たちにとって)カリスマ、緊張するねと話していた」と明かすと、窪塚が「直接言ってそういうの! 無視されてるのかと思った(笑)」と突っ込むひと幕も。

北川と芳根は、以前から連絡先を交換しており、コロナ禍になる前はしょっちゅうご飯にもいっていた間柄ということで、芳根が「北川さんとのお芝居で段取りからボロボロ泣いてしまって、監督が1回でOKとおっしゃったので同じことを求められたらできるか分からないと監督に言いに行ったんですけど、実際に北川さんを目の前にすると涙があふれる。心臓の音が自分でも聞こえてたんですが、マイクでも拾っていて編集でも聞こえていたらしいんです。北川さんとご一緒できたから、この作品を乗り越えられたと思っています」と感謝を伝えると、北川が「芳根京子さんという女優さんはすごいです。何回やっても涙がたくさん出るし、力加減もう少ししていいよと思うくらい、あざを作ったり冷やしたりしながらこの役に全力。もともとそうやって感情を爆発させる人だと思っていたので、彼女が爆発させることができれば絶対にいいシーンになると思い、私が受け止めようと思ってやっていた」と振り返ると、堤監督も「かくいう北川さんもすごかったんです、2人とも”涙の魔術師”でした」と絶賛。

中村は窪塚と兄弟役とあって、思い返して「オファーを頂いた時に、お兄さんの役が窪塚さんと聞いて、断ろうかなと思ったくらい恐れ多いというか」と話し始めたところで窪塚が「やっぱり嫌われてるんじゃないですか?(笑)」と鋭く切り込み会場を沸かせつつ、中村はさらに「お芝居をさせてもらって、今も隣にいさせてもらって、自分の一ファンというフワフワした感じを出さないようにしてるんです。あんまり左が見れない…(笑)。とても光栄でした!」と語ると、一方の窪塚も「僕の撮影初日、中村くんと北川さんと一緒で、正直驚愕したというか、全部わかってやっている、眉毛のピクとかまばたきどこでやってるかも覚えているなこの人、というくらいすべてコントロールの中にある。ケツをたたかれるような、役者って面白いけど怖い、負けたくないな、と思ってしまった。でも堤さんから『何もするな』というお題が出ている(笑)。堤さんやこのお2人に委ねさせてもらった。言葉のセンスも顔も良くて面白くて、そりゃ惚れるわ」と返していた。

最後に北川は「脚本を読んだ時に人にはみんな大なり小なり悩みや苦しいことトラウマや過去が絶対あるんだなと思い、そういう重みに折り合いをつけて必死に生きていると思うと、私もこれでいいんだな、それでいいんだよ、と言ってもらえたような気がして軽くなった。何も気にせず映画館に来てください、と言えないことが心苦しいですが、一生懸命、皆さんに届くように作った作品です。由紀が環菜へかけた言葉が一筋の光になったように、この映画をご覧になったことで苦しい状況でもちょっとだけ進んでみようかな、と思っていただけたら良いなと思っています」と力を込めてアピールし締めくくった。

映画「ファーストラヴ」は2月11日(木・祝)より全国公開