二宮和也が語る演技へのこだわり 映画「TANG タング」撮影現場レポート&メイキングカット到着

映画
2022年07月14日
©2015 DI ©2022 映画「TANG」製作委員会

8月11日(木・祝)公開の二宮和也主演映画「TANG タング」より、撮影現場レポートとメイキングカットが到着した。

原作はベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた、イギリスのハートウォーミング小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」。ゲームざんまいで妻に捨てられたダメ男・春日井健(二宮)の前に、記憶をなくした迷子のロボットが現れる。自分のことを“タング”と名乗るロボットは、どこから来て、何のためにやってきたか分からない。この“迷子同士”の運命の出会いは、まさかの驚きに満ちた壮大な冒険の幕開けだった。

主演の二宮は「嵐」の活動休止以降、初の主演映画となる本作で、初めて“ロボット”と共演。監督は「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2016)、「フォルトゥナの瞳」(2019)の三木孝浩が務める。

このたび、監督と話し合いながら真剣に撮影に挑む二宮をとらえたメイキング写真と撮影現場レポートが到着。主人公・健を演じる二宮和也と、その妻・絵美を演じる満島ひかりのクランクインは、3月26日。この日、都内にある洋館風のハウススタジオで撮影されたのは、華やかなホームパーティのシーン。室内には色とりどりの花やバルーンが飾られ、テーブルの上には丸寿司やブルスケッタ、生ハムサラダなど豪勢な料理が並ぶ。ドレスやスーツに身を包んだエキストラたちがそろったところで、三木孝浩監督がシーンの説明を開始。「テーブルに沿って一列になり過ぎなので、もう少しばらけて自然な形にしましょう」など、丁寧かつ的確に指示を出していく。二宮はスタッフと歓談しながらその様子を眺め、『TANG タング』の作品性を表すような穏やかな空気が早くも流れていた。そこに満島ひかりと、健の姉・桜子役の市川実日子が登場するとさらに場が華やぐ。室内で10数名がそれぞれ動くシーンのため、グラスを持つ、持たないといった細かなニュアンスについて三木監督と入念に確認する満島と市川。だが2人とも、真剣な中にも笑顔を絶やすことはなく、待ち時間中も二宮・満島・市川で談笑するなど、早くも抜群のチームワークを見せた。

順調に撮影が進んでいく中、ハイライトといえる、絵美が開けたシャンパンのコルクが大きく弧を描いて飛んでいき、最後尾にいた健がキャッチするシーンに。実際にはコルクを正確に飛ばすのは難しいため、そう「見せる」ために長テーブルやエキストラの面々を挟んだ満島と二宮がタイミングを合わせないといけない場面だったが、二宮の「飛んできたコルクをキャッチする」演技のうまさにより、こちらもスムーズに撮影完了。実際にコルクは飛んでいないにもかかわらず、そうとしか見えないさすがの表現力と瞬発力を見せつけた。

初日を振り返った二宮は「ここからどうなっていくか想像がつかない。タングとの会話も実際には1人で演じますからね」と気を引き締めつつ「ロボットとの共演に縛られ過ぎず、いい芝居を優先したい」と語っていた。

4月2日には、健とタングの出会いのシーンを千葉県内の牧場で撮影。広大な牧草地を有し、その一角には立派な1本の木がそびえ立つエリアがあり、その幹に寄りかかるタングを健が見つけたことから、2人の大冒険が始まることになる。

ぼたん桜が満開に咲き乱れる陽気の中、この出会いのシーンは陽が落ちるまでに撮り切らなければならない全編ロケ撮影のため、早朝からスタッフが準備に奔走。加えて今回はタングを自在に動かすため、大掛かりなCG処理が必須となるため、撮影自体も特殊な工程を踏む必要がある。撮影前からかなりの試行錯誤が予想された現場といえるが、現場にはピリピリした空気はなく、和やかな中にも心地よい集中力が流れていた。

その中心にいる二宮もまた、常に自然体。重要なシーンとあって三木監督からは健の一つひとつの動作や、その時々の心情について出された細かいリクエストを二宮は即座に理解し、疑問があればすぐ確認するなど柔軟に対応していた。加えて、初対面となるタングを前に冗談を飛ばすなど、さりげなく“抜き”の時間を作り、現場の空気を穏やかにキープしていた。

その二宮が演じる健の相棒・タングの撮影にはいくつかの過程を踏む必要があった。ポンコツロボットという設定を具現化すべく、ボディのあちこちをさび付かせたほか、傷み具合のディテールにもこだわりが光るタング本体を実際に現場に置いて撮影をする行程。タング本体は取扱注意の一点物のため、手足や首を動かすシーンにおいては、専門のスタッフが黒子的にタングを動かし、二宮と演技を合わせていく。さらに、シーンによっては腕だけのパーツなどを使って撮影が行われた。

そこから、細部まで作り込んだ「本番用」と「簡易版」を使い分け、さらには合成あり、なし、実景のみ等々、一つのシーンにおいても無数に撮影が生じることになった。それに合わせて二宮は同じシーンを何度も繰り返さねばならない状況だったが、集中力は一切途切れず、常にフレッシュな演技を披露していた。

撮影の合間に二宮に話を聞くと「CGと合成を使う現場らしさを感じています」と語りつつ、「人間がポップにやらないと、CGに追いつけない」と完成形を見据えた演技のこだわりを明かした。

二宮がクランクアップを迎えた5月10日は、旅の最終地点となる海岸線が一望できる岬で撮影。波の音が間近に聞こえる絶好のロケーションで、物語の終盤に用意された健とタングの絆が光るエモーショナルなシーンが撮影された。二宮にとってはこの日がクランクアップだが、全体の撮影スケジュール自体も、実景の撮影以外はここで終了。初日から最終日まで、二宮と共に走り抜けた作品となった。

二宮は最終日も気負うことなく的確な演技を披露し続け、トラブルもなく完走。クランクアップを迎えた際には「本当にうれしいです」と充実感をにじませつつ、「誰一人新型コロナウイルスの感染者が出なかった。これは我々の映画への愛情です」と感染対策を徹底して撮影を行ったスタッフ・キャストを労った。その言葉に聞き入っていた三木監督は「みんなが手探りだったけど、考え抜いてタングと一緒に成長できた」とコメントした。

作品情報

「TANG タング」
2022年8月11日(木・祝)全国公開

<CAST>
二宮和也
満島ひかり/市川実日子
小手伸也、奈緒、京本大我(SixTONES)
山内健司・濱家隆一(かまいたち)、野間口徹、利重剛、景井ひな/武田鉄矢

<STAFF>
原作『ロボット・イン・ザ・ガーデン』(デボラ・インストール 作/松原葉子 訳/小学館文庫)
監督:三木孝浩
脚本:金子ありさ

配給:ワーナー・ブラザース映画

映画公式サイト:tang-movie.jp

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