藤ヶ谷太輔が台本を超えた迫真の演技「そして僕は途方に暮れる」現場レポ&場面写真&メイキング写真到着

映画
2022年10月25日
「そして僕は途方に暮れる」場面写真 ©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会

Kis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔主演、三浦大輔脚本・監督の映画「そして僕は途方に暮れる」(2023年1月13日(金)公開)より、場面写真とメイキング写真が公開。あわせて現場レポートも到着した。

本作は、2018年にシアターコクーンで上演された藤ヶ谷主演、三浦作・演出のオリジナル舞台を、藤ヶ谷と三浦の再タッグで映画化。主人公のフリーター・菅原裕一がほんのささいなことから、恋人、親友、先輩や後輩、家族…と、あらゆる人間関係を断ち切っていく逃避劇を描く。公開に先駆け、現在開催中の第35回東京国際映画祭(11月2日(水)まで)ガラ・セレクション部門に正式出品されている。

撮影は2021年3月から4月にかけ、ロードムービーらしく実際に現地へと足を運んで撮影するロケーションを各地で行った。藤ヶ谷演じる菅原裕一が追いつめられ帰る北海道・苫小牧は、三浦監督の生まれ育った地でもある。

三浦監督は「そこに強い思いがあったかと言われると、そういうことでもなくて。散々、見てきた景色だったから切り撮りやすかったというのが、正直なところなんです(笑)。とはいえ、苫小牧独特の空気感がにじみ出るような映像は撮れたのかなと思っています。何より、藤ヶ谷君自身が苫小牧へ行って、菅原の生まれ故郷を体感してバックボーンを蓄積したことによって、その後の芝居においても役立ったように感じているんです」と語る。4月にもかかわらず北海道は真冬のような寒さで、肉体的にも精神的にも追い込まれ、雪の中を途方に暮れて歩く藤ヶ谷の姿はより一層のリアリティがもたらされている。

撮影にはシネマスコープのサイズを使用。三浦監督は「作品全体を“映画というもので包む”という意図があったので、仕掛けとして必要だったんです。あとは、一見、はたから見たらどうでもいいと思えるようなささいな物語なので、それをあえて映画的に見せ切ることが、いびつで面白いと思ったんです」とその意図を設恵美している。

当初、小西啓介プロデューサーはシネスコサイズで撮ることに懐疑的でもあったようだが、「前半は室内での会話シーンが多いので、シネスコサイズの効果がどれだけあるのだろうか? 現場は狭いし、いろいろ大変なんじゃないかとスケジュール面への影響なども心配していましたが、北海道ロケやドローンで撮った映像を見て、前半の窮屈な世界感と後半のギャップは効果的だと思いました」と、終わってみれば三浦監督の選択が賢明だったと称賛している。

「そして僕は途方に暮れる」メイキング ©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会

また小西Pは三浦監督の演出ぶりを見て、「終盤にある大事なシーンの撮影のワンテイク目で藤ヶ谷さんが完全に裕一が乗り移ったかのごとく…感情があふれ出す、すごいお芝居をされたんです。ただ、そのシーンの狙いとはやや違っていたため、その後も結構な数のテイクを重ねました。しかし、編集ラッシュで監督はワンテイク目を使い、裕一の感情に寄り添った劇伴までつけていたんです。私が知る限り、演出家としての三浦監督は俳優さんのお芝居に引っ張られてシーンの狙いを変えることがほぼなかった気がするんです。少しでも違うなと思うとテイクを重ねながら微調整して、完成形に近づけていく。そのあたりの徹底ぶりはすごいものがあります。でも、結果的にそのシーンではワンテイク目を使った。シーンのニュアンスを変えるほど、藤ヶ谷さんの演技に心を動かされたのだと思い、その点は印象に残っていますね」と、藤ヶ谷の芝居がもたらした三浦監督の変化にも触れた。

あらゆる人間関係を断ち切り、ひたすら逃げる裕一。そんな役柄と向き合い、現場での藤ヶ谷は黙々と芝居に臨んだ。それは演出面で三浦監督に追い込まれ、藤ヶ谷自身もあえて自分を追い込んでいたようにも見えたという。撮影が進むにつれ、どんどんやつれて疲弊していった藤ヶ谷は、まさに身を削って裕一役を演じ切ったと言えるだろう。

「そして僕は途方に暮れる」場面写真©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会

作品情報

「そして僕は途方に暮れる」
2023年1月13日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

出演:藤ヶ谷太輔、前田敦子、中尾明慶、毎熊克哉、野村周平/香里奈、原田美枝子/豊川悦司 ほか

脚本・監督:三浦大輔
原作:シアターコクーン「そして僕は途方に暮れる」(作・演出 三浦大輔)
音楽:内橋和久
エンディング曲:大澤誉志幸「そして僕は途方に暮れる」
製作:映画「そして僕は途方に暮れる」製作委員会
制作プロダクション:アミューズ 映像企画製作部 デジタル・フロンティア
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ

公式サイト:https://happinet-phantom.com/soshiboku/
Twitter:@soshiboku_movie
#そし僕 #そして僕は途方に暮れる

©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会

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