小津安二郎監督「東京物語」「秋刀魚の味」など6作品をBS松竹東急で特集放送【岩下志麻コメントあり】

映画
2022年10月31日
「東京物語」 © 1953/2017 松竹株式会社

小津安二郎監督の生誕120年を記念し、12月12日(月)~18日(日)にBS松竹東急(BS260ch・全国無料放送)で代表的6作品を特集放送することが決定。最後の作品「秋刀魚の味」に主演した岩下志麻からのスペシャルコメントも到着した。

1903年に東京・深川で生まれた小津監督は、20歳で松竹キネマ蒲田撮影所に入社し、24歳のときに「懺悔の刃」で監督デビュー。その後、「生れてはみたけれど」や「一人息子」で高い評価を獲得する。

50歳のときに「晩春」「麦秋」に続く紀子三部作「東京物語」を発表。同作がロンドン映画祭サザーランド杯を受賞したのを機に、海外でも注目を集めるようになった。ローアングルの構図、親子関係や人生の機微を描く作風が特徴で、今も国内外に多くのファンを持っている。

特集では、まず小津監督の命日でもある12月12日(月)に代表作「東京物語」を放送。以降、13日(火)~16日(金)に「お茶漬の味」「彼岸花」「秋日和」「浮草」を順次放送し、18日(日)に遺作「秋刀魚の味」で締めくくる。詳しい放送スケジュールと岩下のコメントは下記に掲載。

「秋刀魚の味」 © 1962/2013 松竹株式会社
岩下志麻 スペシャルコメント
岩下志麻

◆小津監督の演出で、特に心に残っていることは何でしょうか。

失恋をしてミシンの前で巻尺を使って右に2回、左に2回半とか、指に巻き付けてポロリとほどくシーンがあり、これがどうしても段取りになってしまい、先生のお好きな自然な演技にならずに100回くらいテストをして、やっとできた記憶があります。

◆「秋刀魚の味」は岩下さんにとって転機となった作品かと思います。

小津監督の「秋刀魚の味」に主演というお話をいただいた時はびっくりして、でも本当にうれしかったです。「秋刀魚の味」は、私にとって、女優生活の中で宝物のように思っている作品です。

◆小津監督作品に数多く出演された笠智衆さん。「秋刀魚の味」で共演した時の思い出を教えてください。

笠智衆さんは普段も画面の中と同じ。無口な方で真面目な方でした。とても自然体の演技をなさるので、あまりテストを繰り返されているのを拝見したことがありません。

◆今回の放送にあたり、あらためて「秋刀魚の味」の見どころと、小津監督への思いを教えてください。

先生の独特の構図、ワンカットに必ず赤い色が入る先生の美学、絵画は全て本物、食器も赤坂の料亭から取り寄せた本物。現代にも通じる小津美学の素晴らしさをあらためてご覧になってください。「次、又一緒にやろうネ」とおっしゃってくださったのに、本当に、本当に残念でした。でも、先生の素晴らしい遺作に出演させていただき、心より先生に感謝しております。

番組情報

映画特集『生誕120年・映画監督 小津安二郎のまなざし!!』
BS松竹東急(BS260ch・全国無料放送)
2022年12月12日(月)~16 日(金)午後8時、18日(日)午後6時46分

「東京物語」(1953年公開)
12月12日(月)午後8時~
出演:笠智衆、東山千栄子、原節子、杉村春子

「お茶漬の味」(1952年公開)
12月13日(火)午後8時~
出演:佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、笠智衆

「彼岸花」(1958年公開)
12月14日(水)午後8時~
出演:佐分利信、田中絹代、有馬稲子、久我美子

「秋日和」(1960年公開)
12月15日(木)午後8時~
出演:原節子、司葉子、岡田茉莉子、佐田啓二

「浮草」(1959年公開)
12月16日(金)午後8時~
出演:中村鴈治郎、京マチ子、若尾文子

「秋刀魚の味」(1962年公開)
12月18日(日)午後6時46分~
出演:岩下志麻、笠智衆、佐田啓二、岡田茉莉子

局公式 Twitter:@BS260_official

「東京物語」©1953/2017 松竹株式会社
「お茶漬の味」©1952/2017 松竹株式会社
「彼岸花」©1958/2013 松竹株式会社
「秋日和」©1960/2013 松竹株式会社
「浮草」©KADOKAWA 1959
「秋刀魚の味」© 1962/2013 松竹株式会社
小津安二郎監督© 松竹株式会社

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