花江夏樹&坂本千夏インタビュー『デジモンアドベンチャー tri. 第6章「ぼくらの未来」』

特集・インタビュー
2018年05月03日

『デジモンアドベンチャー』テレビ放送開始から15周年を記念して、シリーズ最新作であり、初代『デジモンアドベンチャー』の続編となる新シリーズ『デジモンアドベンチャー tri.』(全6章)の第6章「ぼくらの未来」が5月5日(土)より劇場上映される。ついに迎えた最終章上映を前に、八神太一役の花江夏樹さんとアグモン役の坂本千夏さんに、いまの想いを語ってもらいました。

花江夏樹&坂本千夏インタビュー◆ついに第6章が上映となりますが、いまどんな気持ちですか?

花江:長かったようであっという間な感じがしています。1章のときは、ついに1章か、3章が来たときは折り返したけどまだまだあるなって思っていたら、もう6章で。
結末を迎えて「お疲れ様でした」という気持ちもありますし、終わってしまった寂しさみたいなものもありますが、全6章を無事に演じ切ることができてよかったです。

坂本:1章が始まるときは、驚きと期待と不安があって。今はやっぱり達成感と寂しい気持ちがないまぜになっています。

◆第5章の衝撃のラストからの第6章ですが、最初に台本を読んだときの感想は?

花江:太一が全然出てこないなって(笑)

坂本:私も思った!(笑)

花江:5章からどう終わらせるのかなっていうのは一番気になっていたので、こう来たかと思いましたね。

◆坂本さんはいかがでしたか?

坂本:太一がいない…って(笑)

◆収録にはどんな思いで臨まれましたか?

花江:今までの積み重ねで6章まで来て、重みのある言葉が出てくるので、そこはやっぱり気合を入れなきゃなと。今までの成長があり、最終的にかっこいい太一がいるので、そこは外せないなって。

坂本:やっぱり年月を経て始まった作品の最後なので、子どもたちも“デジモン”たちも今まで積み重ねてきたことをしっかり皆さんに伝えたいという気持ちでふんどしを締め直して(笑)、頑張りました。

◆“選ばれし子どもたち”の成長が描かれてきましたが、演じる上で意識してきたことはありますか?

花江:特に意識はしていなくて、物語の中でおのずと変化があったので、そこに合わせて演じていった結果として、太一が成長していったというのがあるんです。
全6章をかけて、ということでは長い期間ですが、この作品中での時系列的には目まぐるしい感じだと思うんです。この短期間でいろんな出来事があって、太一も相当いろんなことを考えて変わっていったんだなということを感じます。

◆第5章までを振り返って印象に残っているシーンはありますか?

花江:太一的に言うと「いつかなんて待ってたら、あっという間に大人になっちまうよな」っていうせりふがすごく自分にも響いたので、印象に残っています。
5章だったら「仲間の痛みから逃げない」っていうせりふですね。5章では“仲間”っていう言葉がいっぱい出てくるんですけど、そこが印象に残っています。

坂本:「待ってたら~」は、本当にもう大人になってしまった人にも、まさに大人への階段を上っている途中の人にも響くと思うんです。あれはグッときましたね。
あと、最初に出会うところ。始まりの出会いのところはやっぱり外せないかな。

花江:そうですね。

花江夏樹&坂本千夏インタビュー◆全6章を終えて、それぞれご自身が演じたキャラクターに声をかけるとしたら?

花江:まずは、お疲れ様と声をかけてあげたいですね。あとは…大人って大変だよねって(笑)

坂本:(笑)

花江:これからは大人になっていくにつれてもっといろんな葛藤があると思うんです。なので、いまの気持ちを忘れてほしくないなって思います。

◆坂本さんはいかがですか?

坂本:アグモンはいいなあって。好き放題やって、真っすぐで。アグモンになりたいくらい(笑)

◆アグモンはデジモンたちの中でも特に純真無垢な存在でしたね。

坂本:そうですね。でも全然いやな感じがしないから。そんな人に私はなりたい(笑)。アグちゃんはいいな。

花江:(笑)

◆では今度は、お互いのパートナーに対してひと言かけるとしたら?

花江:アグモンは変わらないでほしいですね。いつも純粋なところに太一は救われてきたので。変わることはないと思いますけど。あとは食べすぎ注意(笑)

◆アグモンが出てくるとホッとしますよね。

花江:シリアスな中でもちょっと笑えるというか。

坂本:緊張感を奪う係(笑)

◆でも、第6章ではそんなアグモンがキリッとした顔を見せるシーンも…

坂本:スイッチが入ったときのあのキリッとした顔!私、あんな顔初めて見た~(笑)

花江:(笑)

◆坂本さんから太一へひと言お願いします。

坂本:太一にはちょっといい男になったねって(笑)。そのまんまかっこいい大人になってほしいです。

◆全6章の最後の締めくくりとなる、エンディングテーマ「Butter-Fly~tri.Version~」が流れるエンドロールは涙腺崩壊必至ですね。

坂本:素晴らしかったです!誰がどこを歌っているかすぐ分かるじゃないですか。よかった~。泣けたわ~。

花江:「Butter-Fly」は小さいころからずっと歌っていて、まさか自分が歌うことになるとは思っていなかったんです。レコーディングってだいたい2時間くらいはかかるんですけど、30分くらいで終わって(笑)

坂本:歌詞カードも見ずに?(笑)

花江:歌詞は覚えているし(笑)、何回も歌ってきた曲なので一発OKくらいの感じで、すごく楽しかったです。

◆ご自身にとって『デジモンアドベンチャー tri.』はどんな作品になりましたか?

花江:こんなに長く同じ役をやることってなかなかないですし、僕も小さい頃からずっと見ていた大好きな作品にこうして太一として関わるっていうのは、いまでも不思議な気持ちでいっぱいなんです。
声優の仕事をしている中で、分岐点というか大きな経験になったと思います。
『デジモン』で太一をやっていたということを10年後、20年後も思い出して、いまの気持ちを覚えていると思います。とても大切な作品になりました。

◆「無印」時代から出演されてきた坂本さんはいかがですか?

坂本:アニメでやっていたときは、終わってからこういう形になって、この作品に出会えるとは思っていなくて。長きにわたって同じ役をできるっていうことは、役者にとって本当にありがたいことなんですね。
それだけ皆さんにかわいがってもらって、そして成長した子どもたちということで新しい出会いがあって。
私の中では何だかすごく不思議な気持ちです。本当にだんだん“進化”していったと感じています。

◆第6章を待っているファンにメッセージをお願いします。

花江:全6章やってきて、本当に太一はかっこよくなったなって思います。
応援してくださっているファンの皆さんの声があって、自分の中で自信になっている部分が大きいので、周りに支えてもらいながらやってきた全6章だったなと思っています。
その分の気持ちはお返しできるように気持ちを込めて演じましたので、いろんなキャラクターたちがそれぞれどういう結末を迎えるのかをぜひその目で確かめていただきたいです。
そして見た後も、末永く愛していただきたいなと思います。劇場でお待ちしています。

坂本:長いこと一緒に見守ってきたこの作品ですけれども、子どもたちは成長し、みんな同じように大人になって、いろんな経験も積んできました。そうやって積み重ねてきたものは、必ず形を変えて自分に戻ってくるんじゃないかなと私は強く思いました。呼吸を止めないで、息をするのを忘れないで見てください。私は何度も息をするのを忘れてしまいました(笑)

 

■作品情報

『デジモンアドベンチャー tri. 第6章「ぼくらの未来」』『デジモンアドベンチャー tri. 第6章「ぼくらの未来」』
5月5日(土)より全国17館にて3週間限定劇場上映

上映館:札幌シネマフロンティア、MOVIX仙台、新宿バルト9、渋谷TOEI、T・ジョイPRINCE品川
TOHOシネマズ 上野、横浜ブルク13、MOVIXさいたま、T・ジョイ蘇我、シネシティザート、TOHOシネマズ 浜松、109シネマズ名古屋、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、広島バルト11、T・ジョイ博多、鹿児島ミッテ10

<ストーリー>
世界の崩壊がはじまった。
暴走するメイクーモンは、暗黒進化したテイルモンを吸収し、
強大な力を持つオルディネモンに姿を変える。
イグドラシルの思惑通り、現実世界がデジタルワールドに呑み込まれようとしているのだ。
絶望が迫りくる中、選ばれし子どもたちは懸命に前を向く。
太一のいない今、代わりになれるのはヤマトしかいない。
「世界を救うために、やるべきことがある!」

ガブモンはヤマトを力づけ、アグモンは信じている、太一は必ず戻ってくると。

一方のホメオスタシスは、もはや手のつけられなくなったオルディネモンを処分するため、
現実世界を巻き込む最終計画を実行に移そうとする。
何とか破滅を食い止めようと、子どもたちとパートナーデジモンは必死の戦いを続ける。

「すべての光はメイクーモンの中に…」

失意に沈むヒカリに届く、テイルモンの声。
そして子どもたちに、最後の決断を下す時が訪れる。
選ばれし子どもたちが、自ら選んだ未来とは―?

今、再び 冒険が進化する―

CAST:花江夏樹、坂本千夏ほか

公式サイト:http://digimon-adventure.net/

©本郷あきよし・東映アニメーション