神尾楓珠×池田エライザ インタビュー!MBS/TBSドラマイズム『左ききのエレン』

特集・インタビュー
2019年10月21日

凡才と天才、相対する2人の敗北や挫折を通して、その先に「本当の自分」を発見するまでをリアルに描き出す青春群像劇『左ききのエレン』。W主演となる神尾楓珠さんと池田エライザさんに、お互いの印象や“天才と凡人”について語ってもらいました。

『左ききのエレン』

ジャンプ作品の実写に出るのが夢だった(神尾)

◆共演してみての感想を教えてください。

池田:まだそんなしゃべっていない…(笑)。

神尾:意外と同じシーンがないんだよね(笑)。

池田:光一(神尾)とエレン(池田)は、お互いに意識してはいるんだけど、一緒にいた思い出が学生時代しかないからね。神尾君は光一みたいに結構ひょうひょうとしてる印象。でも、お芝居を見ていると、素直に受け止めてくれているなと思う瞬間があって。共演する身としてはありがたいなという感じです。

神尾:池田さんはドッシリ構えてくれてます。

池田:それ、どういうこと?(笑)

神尾:存在感もそうですけど、エレンとしてそこに立ってくれている感じがあって、受け止めてくれているのが分かるんです。でも、いつもめっちゃ緊張してました(笑)。

池田:私が怖い人みたいじゃないですか!(笑)

神尾:そんなことないけど、勘違いされることが多いんじゃないかなって思いました。

池田:神尾君はうちのお兄ちゃんに顔が似てるんだよ。似すぎてて、たまに話が入ってこない(笑)。似てるな~って思って見てたら話が終わってる時があって。「ごめん、何だっけ?」ってなる時がある。

神尾:顔の濃さが似てるの?

池田:全体的に一緒! だから変な感じ。お兄ちゃんがお芝居してるみたいな。

神尾:それは違うでしょ(笑)。

池田:うちの叔母からインスタに「これ、お兄ちゃん?」ってコメントがくるくらいだもん。でも、そんなこと言ったらお兄ちゃんのハードルが上がっちゃうけど(笑)。でも、年下っていう感じもしないかな。

神尾:ホントですか!?

池田:うん。普通に接しさせてもらってるよ。

◆役柄についての印象は?

神尾:僕は「少年ジャンプ」が大好きで、ジャンプ作品の実写に出るのが夢だったんです。だから夢がかなったという感覚で。自分のことを世間から「頑張るぞ!」みたいなタイプだと見られていないだろうと思っていたので、役を頂いてびっくりしました。こう見えて実は努力家タイプなので、うれしかったです(笑)。

池田:私は『左ききのエレン』よりも前から原作者のかっぴーさんの漫画を読んでいたんです。それでこの『左ききのエレン』の連載が始まった時に、左利きだし名前も似てるなっていう親近感から読み始めました。その時からこの役やりたいなって漠然と思っていたんですけど、連載が始まった時にはまだ今よりも自分に自信がなくて。でも、エレンを他の左利きの人がやったら本当に悔しいだろうなって思っていました。

◆神尾さんは光一に共感するところはありましたか?

神尾:僕自身はそんなに悩まないタイプなので、そのへんは違うかなと。でも光一には、悩んで、そこで腐らずに前に進もうとするエネルギーがある。僕もそういう人になりたかったので、カッコいいなって思います。

◆池田さんはエレンを演じる自信はついてきましたか?

池田:自信は一生つかないと思いますけど、たぶん年齢を重ねていけば重ねていくほど、あれはこうだったんだなって理解していくものだと思うんです。でも、今この役を頂けて幸せだなって。左利きで本当に良かったなって思います。エレンが光一を左手で殴るシーンがあるんですけど、私、そういう時は右手なんですよね。だから、ちゃんと殴れるかなって緊張してます(笑)。

◆お互いの役でピッタリだなと思うところはどこですか?

神尾:池田さんは、まとっている空気感というか、存在感がエレンと一致してるなと思いました。光一もエレンの前に行くと、ちょっと物怖じするんですよね。僕もやっぱり物怖じしちゃいますもん(笑)。

池田:神尾さんが光一役だと聞いた時に、神尾さんがどういう方なのか、どういう性格なのかというのを知らなかったので、お会いしてみないと分からないなと思っていました。見た目だけでイメージが湧くタイプではないので、会うのが楽しみで。実際にお芝居を見たら、すぐに「あ、光一だ!」と思いました。神尾さんの顔つきは、一見何を考えているのか分からないアンニュイな感じなんですけど、そのお顔立ちや、光一としてみなぎる感じが、私にはすごくすてきな掛け合わせに映ったんです。熱血漢のような顔立ちの人が頑張るよりも説得力があるなって。

『左ききのエレン』

エレンの人間らしさ、心を感じる瞬間がある(池田)

◆“天才と凡人”というテーマについてはどう考えていますか?

池田:天才を演じることにプレッシャーはあったんですが、自分を理解してくれる人がいない孤独感や、自分が納得できるものが作れなかった時の葛藤だったり、実際にエレンを演じてみてすごくその苦悩は感じました。でも同時に、そういうところにエレンの人間らしさや心も感じます。

神尾:僕は自分自身が凡人側で、天才に対する憧れみたいなものが常にあるから、そういう意味では光一は投影しやすかったです。

池田:役者さんで天才って言われる人も、努力していない天才ってあまりいないもんね。

神尾:確かに。

池田:ただあるとすれば、お芝居で自分が役に没入していくまでの瞬発力がある方は天才だなって。私はずっと入っちゃうタイプで、いわゆる才能がある人は、すぐパッと切り替えられて、直前まで雑談とかができたりするから、そういうのはうらやましいなと思います。あんなに本番直前までしゃべってたのに、カチンコが鳴ったら顔つきが変わるタイプの役者さんを、いいな~って指をくわえて見てます(笑)。

神尾:僕は役にずっと没入しているほうが天才なのかなって思ってました。

池田:それは努力じゃない? 私はめちゃめちゃしゃべりたいもん。

神尾:サッカーをやっていた時は天才だなって思う人は結構いましたね。

池田:あ~、サッカーはいるだろうね。

神尾:僕はサッカーに打ち込んでいる時も結構頑張っているタイプだったんです。でも、圧倒的に才能がある人たちに全然勝てなくて。そこで、“もっと頑張ろう”じゃなく諦めてしまったところが光一との違いなんでしょうね。

◆自分自身のここが天才だなと思うところはありますか?

神尾:うそをつくのはうまいです(笑)。

池田:神尾君が人のオーラが見えるとか言いだして、それをみんな信じちゃってね(笑)。「この色のオーラ、私っぽい!」みたいな話にまでなって(笑)。

神尾:僕、あまり表情に出ないタイプだから信じてもらいやすいんですよね(笑)。

池田:うまくいった時はちょっとニヤニヤしてるよ?(笑)でも私にはうそついてこないよね。

神尾:嫌われるかなって…。

池田:なかなか話しかけてもくれないしね(笑)。私は…集中力は高い方かも。楽器にしろ、水彩画にしろ、歌にしろ、丸一日かけてやっても全然飽きない。

神尾:いろんなことに挑戦することがすごいですよね。僕はそういう冒険心がないので、食べ物もいつも同じものばかり注文しちゃうし…。

池田:そこは一緒だよ!

神尾:入ったことのないお店にも入れないし…。

池田:それも一緒(笑)。ちょっと人見知りだよね。

神尾:そんなことないんですよ。でも、話せる人の幅が狭いかも。

池田:内弁慶だからね(笑)。

神尾:そうそう。めっちゃ内弁慶なんです(笑)。

池田:私も車でマネジャーさんと一緒になった瞬間に人が変わるタイプ。外ではきちんとするようにしてるんだけど(笑)。ちょっと似た者同士だね。でも、引きこもりではない?

神尾:引きこもり!

池田:じゃあ一緒だ!

神尾:ちょっと親近感が湧きました(笑)。

◆あらためてドラマへの意気込みを。

池田:光一とエレンだけに関わらず、この『左ききのエレン』に登場する1人ひとりが必ず誰かに寄り添ってくれる存在になっていると思います。原作はもちろん、ドラマでも主人公だけじゃなく、ここに関わる人たちの心情も丁寧に描かれているので、“天才になれなかった全ての人へ”というキャッチフレーズですけど、自分で天才だと自負している方にも、まずは見ていただきたいなと思います。

神尾:普段、人が心の中に抱えているものや、目をそらしているものを突き付けてくるシーンもあるので、自分自身を見つめ直すきっかけにもなるドラマだと思います。ぜひ見てください!

■PROFILE

神尾楓珠
●かみお・ふうじゅ…1999年1月21日生まれ。東京都出身。O型。映画「HiGH & LOW THE WORST」が公開中。映画「転がるビー玉」が待機中。

池田エライザ
●いけだ・えらいざ…1996年4月16日生まれ。福岡県出身。B型。初監督映画「夏、至るころ」が待機中。

■ドラマ情報

MBS/TBSドラマイズム『左ききのエレン』
MBS
10月20日(日)スタート
毎週日曜 深0・50~
※初回は10月20日(日)深1・15~

TBS
10月22日(火)スタート
毎週火曜 深1・28~ほか

<配信情報>
U-NEXT:10月22日(火)より毎週火曜 深2・00~独占配信

主演:神尾楓珠 池田エライザ
石崎ひゅーい 中村ゆりか 今泉佑唯 吉村界人 田中真琴 久保田紗友
八木アリサ/丸山智己

原作:かっぴー/nifuni『左ききのエレン』(集英社「少年ジャンプ+」連載中)
かっぴー『左ききのエレン』(cakes連載)
監督:後藤庸介
脚本:根本ノンジ、守口悠介
制作:共同テレビジョン
製作:ドラマ「左ききのエレン」製作委員会・MBS

ドラマ公式Twitter:@eren_drama
ドラマ公式Instagram:@eren_drama
ドラマ公式サイト:https://www.mbs.jp/eren_drama/

©ドラマ「左ききのエレン」製作委員会・MBS