吉田志織「1人の人間同士が本気でぶつかり合うラブストーリーです」映画「窮鼠はチーズの夢を見る」

特集・インタビュー
2020年09月09日

吉田志織インタビュー

9月11日(金)公開の映画「窮鼠はチーズの夢を見る」で、大倉忠義さん演じる大伴恭一のことを健気に思う岡村たまきを演じた吉田志織さん。撮影エピソードや吉田さんの意外なプライベートについて伺いました。

◆本作のストーリーと吉田さんが演じられたたまきについて教えてください。

大倉さん演じる恭一と成田凌さん演じる今ヶ瀬の、男と男だからとかではなく、1人の人間同士が本気でぶつかり合う、すごくピュアなラブストーリーです。私が演じたたまきは、恭一が勤める会社の部下で、恭一をとても慕っています。たまきは素直ですごく健気で、優しくて思いやりがある子。でも少し女っぽいというか、したたかさも感じられるような役です。

◆たまきをどんなふうに演じようと思いましたか?

オーディションを受ける前にまず原作を読んだのですが、笑顔がかわいいなという印象の一方で、つらい時や悲しい時でも笑顔で頑張ってしまう子なんだなという印象も受けました。笑顔でいることが余計に悲しく見えるなと思ったので、お芝居中は意識して笑顔でいるようにしようと思いました。

映画「窮鼠はチーズの夢を見る」
映画「窮鼠はチーズの夢を見る」

◆撮影中は行定勲監督とたまき役についてお話はされたのですか?

いえ、特に細かい指示はなく、自由にやらせていただきました。原作や台本を読んで、なんとなくたまきはこういう感じの子なのかなというイメージぐらいであまり役づくりはせず、笑顔でいることは意識しましたが、それ以外は撮影現場に入ってその時の感情で動きました。

◆恭一とたまきは劇中、徐々に関係性が変わっていきます。大倉さんとは本作が初共演になりますが、何か打ち合わせなどはされていたのですか?

役については全く話をしませんでした。たまたま休憩中に向かいに座っていた時に少しおしゃべりしたり、「外寒いね~大丈夫?」って気遣って話しかけてくださったり、それくらいでした。恭一とたまきは、関係性は変わっていくけどずっと少し距離がある関係でもあったので、実際にカメラが回っていないところでたくさんおしゃべりしてしまうと、あのスクリーンの中の微妙な距離感がにじみ出せないと思うので、その距離感でいられたのが良かったです。

吉田志織インタビュー

◆カフェでのシーンも印象的でした。あの撮影前も特に打ち合わせはなかったんですか?

はい、あのシーンの撮影が始まる前も大倉さんとは一切お話してないんです。先に私が座っていて、後から大倉さんがいらっしゃったんですけど、すっと恭一となった大倉さんとは特に打ち合わせとかはなく、そのまま撮影が始まりましたね。

◆では、たまきの恋敵となる今ヶ瀬役の成田さんとは撮影中の雰囲気は悪く…。

恋のライバルの役だから撮影裏でもバチバチだった、というわけではないですよ(笑)。ただ共演シーンが少なかったので、「お疲れ様でした」のようなあいさつ程度しかお話しする機会がありませんでした。

◆本作は少女漫画が原作ですが、吉田さんはこれまで少女漫画は読まれていましたか?

はい!すごく買っていました!「ちゃお」とか「なかよし」とか「りぼん」とか。私は「スイッチガール!!」や「GALS!」が好きでしたね。特に「GALS!」は東京が舞台の物語なので、読んでいた当時はまだ子供で東京に行ったことがなくて、「すごく東京に行きたい!」って思っていました(笑)。

◆そう言えば、吉田さんはご出身の北海道から「よし、明日東京に行こう」と決めてすぐ上京したというエピソードを聞いたのですが…。

そうなんです(笑)。「あ、明日行こう」と思って東京に来ちゃいました。…行動力はあるのかもしれません。

映画「窮鼠はチーズの夢を見る」
映画「窮鼠はチーズの夢を見る」

◆では、本作のツイッターキャンペーンの1つで「#好きで苦しくて幸せ」というハッシュタグを付けてお気に入りのシーンを投稿するという企画があります。それにちなんで、吉田さんが苦しくなるほど好きなものがあれば教えてください!

苦しくなるほど好き?…私、爬虫類を飼っているんです。フトアゴヒゲトカゲのスーパーレッド…。

◆すみません、もう一度お願いします。

フトアゴヒゲトカゲのスーパーレッドハイポトランスと、ヒガシヘルマンリクガメを飼っています(笑)。見ていると胸が苦しいくらいにかわいくて。愛おしいです。最初は小さかったのに最近ちょっと大きくなったんですよ。ご飯をしっかり食べて成長してくれているんだなと思うとうれしくなります! 飼い始めた時は「何で?」って友達には結構驚かれたんですけど、でも本当にかわいいから良いでしょって(笑)。

吉田志織インタビュー

◆(笑)。吉田さんはギターが趣味と伺ったのですが。

吉田拓郎さんが好きで、アコースティックギターが弾けるようになりたいなと思って買ったんです。母が拓郎さんの曲を聴いていた影響もあるけど、名字が同じ「吉田」だからかな(笑)。勝手に親近感を感じていて、それで聴き始めた気がします。まだ楽譜を見ながらですが、YUIさんの「CHE.R.RY」や「SUMMER SONG」は弾けるようになりました。Fコードはまだちょっと難しいですね。

◆では、そんな吉田さんが今後挑戦してみたい役はありますか?

まだ全然演じたことのない役の方が多いので、コメディやサスペンス、アクションなど、全部挑戦していきたいなと思っています。

◆最後に本作の見どころをお願いします。

登場人物たちが1人の人間としてしっかり生きていて、大なり小なり問題がある中で、それを真剣にぶつけ合う物語です。意志がなかった人間が最後は自分で答えを出したり。男と男だからじゃなく、すごく真剣な2人のピュアなラブストーリーですので、ぜひ楽しんで見ていただけたらうれしいです!

PROFILE

吉田志織
●よしだ・しおり…1997年3月21日生まれ。北海道出身。A型。2017年、テレビドラマ『クズの本懐』で女優デビュー。以降『突然ですが、明日結婚します』、「心が叫びたがってるんだ。」、「honey」、『仮面同窓会』などに出演。19年に映画「チワワちゃん」のチワワ役に抜擢され注目を集める。

公式Instagram:https://www.instagram.com/shiori_official_321/
公式Twitter:https://twitter.com/_shioriyoshida_

作品情報

映画「窮鼠はチーズの夢を見る」
2020年9月11日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
R-15

<STAFF&CAST>
原作:水城せとな
監督:行定勲
脚本:堀泉杏
音楽:半野喜弘

出演:大倉忠義、成田凌
吉田志織、さとうほなみ、咲妃みゆ、小原徳子

<STORY>
学生時代から「自分を好きになってくれる女性」ばかりと受け身の恋愛を繰り返してきた恭一(大倉)。ある日、大学の後輩・今ヶ瀬(成田)と7年ぶりに再会する。「昔からずっと好きだった」と突然思いを告げられ、戸惑いを隠せない恭一だったが、今ヶ瀬のペースに乗せられ、2人は一緒に暮らすことに。ただひたすらに真っすぐな思いに、恭一も少しずつ心を開いていく。しかし、恭一の昔の恋人・夏生(さとう)が現れ、2人の関係が変わり始める。

©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

●photo/中村圭吾 text/山村千晴