小芝風花「その気持ち分かる~!と思っていただける作品になれば」『書類を男にしただけで』

特集・インタビュー
2020年10月10日

『書類を男にしただけで』

10月11日(日)放送のドラマ『書類を男にしただけで』(TBS)で、ひょんなことから男性として大企業に就職する女性・箕輪祐希を演じる小芝風花さん。女性の日常にちりばめられた理不尽さや悔しさを痛快に描いた本作の見どころを語っていただきました。

『書類を男にしただけで』

◆箕輪祐希という役どころと、役作りについて教えてください。

最初に役についてのお話を聞いた時、私で大丈夫かなと不安になりました。まず男性っぽくするために、眉毛を黒く、太く見えるようにして。一番難しかったのは声。大げさに低くしようとすると舞台っぽくなってしまうし、無理に低い声を出そうとするよりも、凛とした中性的な感じの声を目指そうと思い、発声練習をしました。難しい役ですが、同僚の女性から好意を持っていただける役でもあるので、そこは楽しみでもあって。モテる男性になって、女性に好かれる喜びを感じてみたいです(笑)。

◆男装されて大変だったことはありますか?

肩パッドが入ったものを着込んでいることに加え、靴も10センチの高さがあるものを履いているので、かなり動きづらいんです。この衣装で、走ったりするシーンがあります。

『書類を男にしただけで』

◆ご自身が一番の見どころだと思うシーンはどこですか?

冒頭からセクハラ、パワハラで始まり、上司を背負い投げするシーンがあるんですが、祐希はそこに行きつくまでにいろいろなことに耐えて歯を食いしばって頑張ってきたんだろうなというのが想像していただけるシーンなんじゃないかなと。祐希が男性として働く道を選ぶという重要な場面でもあります。日常では起こり得ないことですが、もしひょんなことから今までとは違う性別で生きることになったとしたら…と考えると、すごく面白いですよね。あとはラストのたんかを切るところ。男性だとしても女性だとしても私自身は何も変わってないんだよ、と訴えるすごく好きなシーンです。

◆もしご自身が男性になったらやってみたいことはありますか?

う~ん…、少しヤンチャをしてみたいかな(笑)。女性が夜中に一人で外を歩いていたら危ないと厳しく言われますけど、男性なら「男の子だから大丈夫」みたいな感じがあるじゃないですか。だから、男性になって友達と夜中まで遊んでみたいかな。最近では女性一人でも入れるお店も増えてきたり、社会も変わってきてはいると思いますが、やはり周りの目が気になってしまうので。男性ならできることっていうのは、まだまだ多い気がします。

『書類を男にしただけで』

◆もし身近に祐希のような悩みを持つ人がいたら?

一緒に飲んで、愚痴にもとことん付き合います!(笑)同性として共感できることは多いと思いますし。でも、問題の改善となると難しいかな。男性だったら守ってあげることができるかもしれないけど…。

◆では最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

女性の方で一度は男性になってみたいと思ったことがある方もいると思います。私自身も台本を読んで共感できるところが多かったので、見てくださる方にも「その気持ち分かる~!」と思っていただける作品になればいいなと思っています。男性の方には、世の中の女性はこういうことで傷ついているんだという新たな発見もあると思いますので、ぜひ見てください!

『書類を男にしただけで』
『書類を男にしただけで』

PROFILE

小芝風花
●こしば・ふうか…1997年4月16日生まれ。大阪府出身。A型。『トクサツガガガ』『美食探偵 明智五郎』などに出演。『妖怪シェアハウス』では民放連続ドラマ初主演を務めた。

番組情報

『書類を男にしただけで』
『書類を男にしただけで』

『書類を男にしただけで』
TBS(関東ローカル)
2020年10月11日(日)後2・00~3・00

<STORY>
箕輪祐希(小芝風花)はセクハラ上司を背負い投げしたことが原因で前職をクビに…。転職活動も不採用の嵐。そんな中、最終選考まで通過した一社…それはずっとあこがれていた広告業界最大手の一つ「インサイトエージェンシー」だった。
祐希は気を引き締めて「インサイトエージェンシー」の最終選考でもある健康診断に行くが、そこで自分の性別が男として登録されていることが発覚。健康診断を担当する医師・柏木未来(高橋メアリージュン)に「ここで女だって言ったら落とされるよ」と追い詰められ、祐希の頭の中には“女として失敗し続けた過去”が走馬灯のように駆け巡り…。
「男で天下取ってやる!」と、性別を偽りそのまま男として入社することを決意した祐希は、女性であることがバレないように奮闘しつつ仕事を頑張る。しかし、かつて心ときめいた男性、杉田哲也(竜星涼)に再会し…。

●photo/金井尭子 text/田中ほのか