飯豊まりえ「自分の身の回りに起きているかもしれない奇跡に気づいてほしい」『そのご縁、お届けします』11・3スタート

特集・インタビュー
2020年11月03日

飯豊まりえインタビュー

国内最大のフリマアプリ「メルカリ」に実際に届いた2万を超える体験談を基に書き下ろされた、オムニバス形式のオリジナルドラマ『そのご縁、お届けします-メルカリであったほんとの話-』が11月3日(火・祝)からスタート。誰かが手放した思いの詰まったモノを、新しい持ち主の元に運ぶ配達員・黒江陸を演じる飯豊まりえさんにインタビュー。

飯豊まりえインタビュー

◆実話を基にしたオムニバス形式のドラマですが、役どころについて教えてください。

私が演じる陸は、配達員としてモノを届けて縁をつないでいくストーリーテラーのような存在。このコロナ禍で人との距離が出来て、孤独を感じる機会が増えたと思うんです。この作品は、人と人の出会いがテーマ。あらためて人との関係性などを考えるきっかけになると思います。

◆陸を演じる上で意識したことはありますか?

陸は配達物を手に取ると、そこに何が入っているのか分かってしまう不思議な力を持った子です。毎回、「お届けに参りました」というシンプルな決まったせりふがあるんですが、そこは自分の中でモノローグを大切にしながら言うようにしていました。陸は私が抱いた片桐(健滋)監督の第一印象と似ているんです。目に見えていないものが見えていそうな感じや、相手の感情をくみ取っていくところとかが(笑)。あと、配達員として車を運転するシーンもあるんですが、男性スタッフさんたちに後ろから車を押してもらって、撮影しています。そのシーンが、一番のハプニングだったかもしれません。

◆陸の親代わりとして一緒に暮らす青果店「八百吉」の店主・三田史郎役を演じる塚地武雅さんの印象を教えてください。

塚地さんとは以前、『LIFE!人生に捧げるコント』というコント番組でご一緒したことがあって、それ以来です。実際に八百屋さんとして営業しているお店を貸切っての撮影だったんです。撮影が終わると、スタッフさんから「八百屋にある物、全部持って帰ってください!」という声がかかって、塚地さんと「マイケル・ジャクソンみたいなことしていいの⁉」と驚きました(笑)。撮影の合間には、K-POPの話をして盛り上がりました。

飯豊まりえインタビュー

◆全6話でさまざまな縁が描かれますが、一番印象に残っている“縁”はどの話でしょうか?

どのお話も捨てがたい…。元ミュージシャンとファンの少年との縁を描いた1話では、その少年が夢を諦めたミュージシャンの夢をつないでいくというのが胸アツでした。それに2話の離婚を考えているご夫婦がモノをどんどん無くしていって、あらためてお互いの大切さに気づいていくというのは、すごくリアルだなと思いました。4話の付き合いがなかった隣のお家の旦那さんが実は商品を購入していて、出品した家族と隣のお家の人との縁をつないでいくのも良かったです。

今回描かれている縁だけでなく、普段からこういった奇跡が起きていると思うんです。自分はいらないなと思ったモノでも、「メルカリ」のように出品して人に渡っていくことで、まだそのモノのストーリーは続いている。そういう奇跡が起きるかもしれないと思って、ぜひモノは大切にしてもらいたいですね。

飯豊まりえインタビュー

◆これまでの人生で奇跡的な縁だなと思った出来事はありますか?

この世界に入るきっかけとなったオーディションかな。雑誌『ニコ☆プチ』と今の事務所のオーディションで、審査員をしていた当時の編集長が私を選んでくださって、この世界に入れたんです。母親との約束で受けられる最後のオーディションだったので、その編集長がいなかったら、今私ここにはいないんだなと思うと、その編集長とのご縁は奇跡だったなと思います。

◆その編集長との親交は今も?

出会った時が小学5年生だったので、連絡先を交換できていなくて…。今でもずっと感謝していますし、お仕事が決まるたびに「見てくれているかな?」と思ったり。またいつかお仕事できたらなと思っています。

◆最近あったご縁はありますか?

自粛期間中に、ガラス作家さんからお皿を買ったんです。そしたらその作家さんからインスタグラムをフォローしていただいて!「ありがとうございます!」とご連絡がきたので、「私もすごく気に入って。また買わせていただきます」と返信したら、「頑張ります!」って。このドラマのような出会いでした。

◆もし飯豊さんが「メルカリ」で出品するとしたら、どんなものを出品されますか?

ファッションのお仕事もあるので洋服をよく買うんですが、着られなくなった洋服は捨てないで友人に譲ったり、発展途上国に送ったりしているんです。あと、友人が家に来た時に、自分の使っているものとかをこれ「いいね」と言われたら、どうぞとすぐにあげちゃう。熱量でいうと、きっとその友人のほうが興味を持ってくれていると思うので。私が出品するとしたら、洋服になるのかな。

◆では、買ってみたいもの、探してみたいものはどうでしょう?

以前、地方のアンティークショップで100年前のクッキーの缶を購入したことがあるんです。頂いた手紙などを入れているんですが、開けたら中がさび付いていたりして時代を感じられるし、味があってカッコいいので、またそういった缶に出会いたいですね。

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◆1話の寛(浅香航大)の「モノがあると責められている気がする」という印象的なせりふがありますが、飯豊さんご自身はそう思われたことはありますか?

責められているという感覚はあまりないので、ずっと取っておくタイプです。悲しかったことやつらかったことも、いつかは思い出したくなると思うから。マイナスな思い出にしているのは自分だと思っているので、自分が幸せだと思うタイミングで見たりすると、いい思い出に変わっているかもしれないですし。でも、モノが単純に増えるのは嫌なので、本当に使わなくなったものとかはあげたりしています。お手紙や写真はその時にしか手にできないものなので、自ら手放すことはしないです。

◆最後に見どころをお願いします。

回を重ねるごとに陸の家族の話もどんどん深掘りされていくので、そこも楽しみにしていただけたら。手放そうかなと思うモノを再度見つめ直すきっかけになるような作品ですし、人間関係に悩んでいる人にも響くものがあると思います。それも実際あったお話しなので、自分の身の回りに起きているかもしれない奇跡に、気づいていただきたいです。

番組情報

MBS/TBSドラマイズム
『そのご縁、お届けします-メルカリであったほんとの話-』

MBS
2020年11月3日(火)スタート
毎週火曜 深0・59~

TBS
2020年11月3日(火)スタート
毎週火曜 深1・28~

出演:飯豊まりえ
浅香航大、板垣瑞生/徳永えり、前野朋哉/
松本穂香、鈴木仁/ともさかりえ、浅野和之/
高橋メアリージュン、栁俊太郎、美保純
塚地武雅

監督:片桐健滋(映画「酔うと化け物になる父がつらい」(2020年)、ドラマ『きのう何食べた?』(2019年))
脚本:北川亜矢子(ドラマ『ゆるキャン△』(2020年)、ドラマ『東京ラブストーリー』(2020年))
制作プロダクション:ザフール
製作:「そのご縁、お届けします」製作委員会・MBS

<あらすじ>
黒江陸(飯豊まりえ)は、寂れた商店街の中にある青果店「八百吉」の片隅にある配送会社「エレファントエクスプレス」の配達員。
「モノを売る人はなぜ、それを手放したのか?」「モノを買う人はなぜ、それを買ったのか?」、そんなことを考えながら、今日も小さなトラックに乗り、日々売り買いされるモノたちを配達している。
夢を諦めようとする人と夢の始まりにいる人、愛する人との別れを選ぶ人たち、これから起きるかもしれないすてきな出会いの予感…。
今日誰かが手放したモノは、明日誰かの宝物になるのかもしれない。
陸が縁をつなげることで、今日もこの街のどこかで小さな奇跡が起きる。

ドラマ公式Twitter:@entodo_mbs
ドラマ公式Instagram:@entodo_mbs
ドラマ公式サイト:https://www.mbs.jp/entodo/

©「そのご縁、お届けします」製作委員会・MBS

●photo/中村圭吾 text/田中ほのか hair&make/AYA styling/徳永貴士、伊藤文香