古川琴音「すれ違い姉妹の緊張感を味わってほしい」Huluオリジナル『THE LIMIT』第2話「タクシーの女」

特集・インタビュー
2021年03月12日

Huluで配信中のオムニバスドラマ『THE LIMIT』の第2話「タクシーの女」に出演する古川琴音さん。“リミット空間”に追い込まれた人たちを描く本作で、「タクシーの女」は、門脇麦さん演じる弁護士の咲希と、古川さん演じるタクシー運転手の里美、乗客と運転手である2人が実は姉妹であると判明し…という物語だ。撮影の感想とともに、女優として一つの転機を迎えた昨年を経て思うことを話してくれた。

◆まずは、最初に台本を読んだ時の感想をお願いします。

ほとんど私と麦さんの会話劇がメインなので、正直少し怖じ気づきました…。でも、その何気ない会話の中にジェットコースターみたいな波がたくさんあって、演じ切れたら面白い作品になるんだろうなと思いました。

◆撮影前に準備したことはありますか?

私が演じた里美と、麦さん演じる2人は姉妹なのですが、お母さんに対する考え方がまるで違うんです。妹は家庭があることもあってお母さんに寄り添った立場である一方、お姉ちゃんは独身で、弁護士になると決めた時にお母さんから言われたことがずっと心に引っかかっていたりして。多分、台本に書かれていた以外にもいろいろなことがあったと思うので、この姉妹にどういう思い出や過去があったのかを想像したりしました。

◆門脇麦さんとは映画「チワワちゃん」(2019年公開)以来の共演になります。

事務所の大先輩ですし、作品もたくさん見ているので、「チワワちゃん」の時はものすごく緊張しました。でも、お会いしてみたら“何かあったら言ってね”みたいな感じで、気さくに話しかけてくださって。今回はそれ以来の共演になりますし、私の成長を少しでも見てもらえたらと思いました。

◆もし、また門脇さんと共演するならどんな作品がいいですか?

殺人犯と刑事とか、面白いかもしれませんね。追い追われるうちに友情が生まれる、みたいな。「タクシーの女」の印象だとキリッとした麦さんのほうが刑事っぽいので、逆に入れ替えて、私が刑事で麦さんが犯人だったら新鮮かもしれません

◆古川さん自身、タクシーにまつわることで不思議な経験をしたことはありますか?

台湾で写真集を撮影した時に、タクシーの運転手さんが協力的でした。こっちの角度から撮ったほうがいいんじゃないかみたいな感じで、いろいろ助言してくださったんです。「タクシーの女」の場合は、そんなほんわかした感じではないんですけど。狭い車内の中でワケありの姉妹が2人きりという緊張感を味わっていただけたらと思います。

◆朝ドラ『エール』では主人公の娘、『この恋あたためますか』ではコンビニで働く中国人のアルバイトを演じて話題になりました。どちらの役柄も全く違うため、素の古川さんがどんな人なのか、気になる人が多いと思います。

面白いこと、人を笑わせることが好きで、仲のいい人と一緒だとずっとふざけていることが多いです。小さいころから人を笑わせることが好きですし、お芝居のジャンルとしてもコメディにも挑戦してみたいと思っています。

◆昨年は女優として一つの転機になったと思いますが、自分自身変わったと感じるところはありますか?

以前は“こういうふうに演じなきゃ”みたいな気持ちが強かった気がします。だから思うようにできなかったり、想像の範囲内でのお芝居しかできなかったりして、悩んだ時期もありました。でも少しずつ周りを見る余裕が出てきましたし、どんなことでも取りあえずやってみるという前向きさも生まれた気がします

◆今後、どんな作品に出てみたいですか?

先ほど「面白いことが好き」とお話ししましたが、『この恋あたためますか』に出演させていただいて、ラブストーリーが好きな自分にも気がついたんです。すごく切ないラブストーリーなどにも出てみたいです。

PROFILE

●ふるかわ・ことね…19961025日生まれ。神奈川県出身。出演作にドラマ『この恋あたためますか』『エール』、映画「十二人の死にたい子どもたち」など。『コントが始まる』(日本テレビ系)が2021年4月スタート。映画「街の上で」が2021年4月9日(公開予定、「偶然と想像」が公開待機中。

番組紹介

Huluオリジナル『THE LIMIT

Huluで毎週金曜、新エピソード独占配信中(全6話)

<STAFF&CAST>

脚本:玉田真也(第1話、第2話、第4話)、岩崎う大(第3話、第5話)、荻上直子(第6話)
監督:賀内健太郎、吉田真也、中嶋駿介
チーフプロデューサー:茶ノ前香
プロデューサー:中村好佑、小室秀一

出演:古川琴音、門脇麦 ほか(第2話)

 <STORY>

(第2話「タクシーの女」)弁護士の宮田咲希(門脇)はタクシーに乗り、羽田空港から福岡へ向かうことに。クライアントの商品でけがをした消費者と示談の話し合いをするためだ。咲希は車内で少し眠ることにするが、目を覚ますとタクシーは空港と逆方向に走っていた。実は運転手は、咲希の妹・里美(古川)。姉を危篤の母の元へ連れて行こうとしていたのだが、咲希は母との確執を引きずっており…。

photo/関根和弘 text/小山智久