劇団PatchのLIFE GOES ON【Web出張連載 vol.4】
中山義紘

特集・インタビュー
劇団PatchのLIFE GOES ON
2021年04月04日

劇団PatchのLIFE GOES ON

関西を拠点に活動する“ちょうどいい”イケメン演劇集団・劇団Patchの連載「劇団PatchのLIFE GOES ON」がWebで出張連載! 誌面では語り切れなかったはみ出しトークを紹介しちゃいます!

新年度を迎え、新体制でスタートする劇団Patch。劇団最年長の中山義紘さんが、2021年度の目標のほか、劇団員1人ひとりへのメッセージを。愛情あふれるメッセージはもちろん、ちょっとした暴露話も…!?

◆9年目を迎える劇団Patch、2021年度の目標をお聞かせください。

中山:2020年度は劇団結成8周年を記念して、カンテレさんとコラボさせていただき、音楽朗読劇『マインド・リマインド~I am…~』を上演しました。音楽朗読劇という形態で、回替わりの出演者は4人のみ。言葉の力と最小限のボディアクションで訴えかけるという、かなり絞り込んだ演出の舞台を経験させていただきました。だからこそ、このコロナ禍がいつまで続くのか分かりませんが、状況が許すならば次の劇団公演では全員が板の上にずらっと並んだ作品をやりたい、その姿をお客様に見ていただきたいという思いが強くなりました。
今はまさにそのための準備期間で、おのおのが自分の仕事を精いっぱいやって、仕事を通して得たものを自分の中に蓄積しいく時期だと思っています。得たものをどれだけ劇団に持ち帰ることができるのか、日々の活動の中で常に意識していかなければいけないなと思っています。

◆それぞれが経験を通して得たものというのは、目に見えて分かるものなのでしょうか。

中山:そうですね、実感としてあります。舞台に立った時の見せ方、おそらく自信みたいなものですね。おのおのが外で得た達成感や培ったきたものをどれだけ劇団公演で出せるかという。「あれ、こいつ、こんなに背中大きかったっけ?」と感じたり、後輩が頼もしくなっていたりするとうれしいです。お互いにさぼっていたと思われたくないですし、「また同じ芝居をしてるな」と思われたくないという気持ちがあるんですよね。

中山義紘
中山義紘

◆なるほど。それでは、リーダーの中山さんから、メンバーの皆さんにひと言ずつ「新年度メッセージ」をお願いします!

中山:うわ、どうしよ。ちょっと恥ずかしいですね(笑)。

【(井上)拓哉へ】
朝ドラ、すごくいい作品に出させてもらってるなと思って、毎日見てます。拓哉は“マイリマ”の時もそうやったけど、よく僕に意見を求めに来てくれるよね。「どうだった? オレの芝居」みたいなことを。拓哉のそういうところ、実はうれしいよ(笑)。頼ってくれてるな、みたいに感じられるのはうれしいです。

【(松井)勇歩へ】
勇歩とは、同じゲームのアプリ入れてるとか、読んでる漫画がたまたま一緒とか、そういうの、よくあるよね。またお薦めがあったら教えて。イベントのMCについては、実はもっとちゃんとやったらいいのに、と思ってます(笑)。すぐにふざけたがるから(笑)。それを喜んでくださるお客さんもいるけど、もっと締めるところは締めてください! よろしくお願いします!

【(竹下)健人へ】
健人は2月の僕の誕生日に、一番に「誕生日おめでとう」LINEをくれたよね。“マイリマ”の楽屋でも、健人が自分のお弁当のゴミを捨てに行く時、「義君、それ、一緒に持っていくで」って僕のゴミも一緒に持って行ってくれたり。さりげない気遣いができる人だと思っています。これからもお世話になります(笑)。

【三好(大貴)さんへ】
三好さんもね、僕のこと、めっちゃ好きなんですよね(笑)。もともとゲラで、三好さんしか笑ってないところで膝から崩れ落ちて爆笑とかはよくあるけど、僕のちょっとしたことですごく笑ってくれたり、楽しんでくれたりしてるなっていうのは感じるので。そんな三好さんを見て、実はオレも楽しんでます。僕のこと、ツボなんかな(笑)。

【星璃へ】
星璃も僕に芝居のことよく聞いてくれるよね。「芝居どうやった?」とか、すごく恥ずかしそうに聞いてくる(笑)。星璃は褒められたい欲求が強めやから(笑)、「あのシーンよかったよ」とか言ってあげると、「ああ、よかった。義君に面白かった、よかったって言われるとすごい落ち着くわ」って言うねんな。弟的な感じだと思ってます。

【考志へ】

考志はエンターテイナーなイメージ。嫌みがないし、お客さんも安心して笑える 空気感を持ってるなと思ってます。考志とは一緒にコントしたいな。

【近藤(頌利)へ】
“マイリマ”の“僕”役、今までああいう役をやってる近藤を見たことがなかったから、すごく新鮮でした。僕の“僕”役とアプローチの仕方が全然違っていて、面白いなって。近藤はもともと向上心が強いタイプやけど、芝居に対してより前のめりになってるなと感じました。一緒に芝居したいな。がっつり絡んだ芝居、例えば力関係が逆転する、みたいな。すごい攻められたいし、すごい攻めてみたい(笑)。

【(田中)亨へ】
亨ともまた一緒に芝居したいなあ。亨の出演する舞台、結構観に行くんだけど、いい作品に恵まれてるなというイメージ。うらやましいなという思いもあります。亨はミステリアスな部分もあるし、光も影もあるのが面白い。ただ人見知りなだけなのかもしれないけど(笑)。つかみ切れてないからこそ、一緒に芝居したいんですよね。

【納谷(健)へ】
“マイリマ”の時、「外の現場やと共演者と一緒に楽屋にいても携帯いじってあんまりしゃべってない感じやけど、劇団Patchの楽屋ではずっとみんなとしゃべってて、それが楽しい」って言ってたやん? 結構ガッツリめにコミュニケーション取りたいほうなんやってことを初めて知りました。勝手にやけど、一匹狼的なイメージを持ってたから。劇団のこと、好きなんやなってことがあらためて分かって、よかったです。

◆4月6日(火)から、新国立劇場の舞台『斬られの仙太』にご出演されます。見どころや意気込みをお願いします。

中山:キャスト全員をフルオーディションで選ぶという、新国立劇場さんが毎年やられている企画なのですが、今年その企画に初挑戦しました。3次審査まであったのですが、16名のキャストの1人に選んでいただき、とても光栄です。オーディション中、演出の上村(聡史)さんが、「あなた方オーディション受ける側も審査が進んでいく中で、この作品に本当に出たいかを見極めた上で参加してください」というようなことを言ってくださったんです。役者と演出家が同じモチベーションで、「この作品だから出るんだ」という思いを持つということは、当たり前のようだけど確かに大切なことだなとあらためて気づかされました。「出る」からこそ、役者という仕事を「やる」からこその意気込みがさらに強まりました。稽古場でも役者同士の意見交換が盛んに行われていますし、すごくいい環境で稽古させてもらっているなと感じています。
『斬られの仙太』は幕末から明治を舞台にした時代劇で、殺陣もガッツリあります。上演予定時間は4時間40分、2回休憩の3幕という、出演者もお客様も覚悟がいる作品です。そして約80ある役をキャスト16名で演じます。僕は9役やるのですが、メインは賭場の親分の息子・瀧三。主役の仙太郎に父親を殺されて…という役どころです。他にも、農民や町人や侍や渡世人やいろいろな役をやるので、ぜひいろんな中山を見ていただけたらと思います。
作品としてはとにかくめっちゃ面白いです! 大河ドラマ『青天を衝け』と同時代を描いた作品なので、『青天を衝け』をご覧の皆さんには、歴史の点と点がつながる面白さというか、そういった見方もしていただけますし、そうでなくても歴史ファンの方にはものすごく楽しんでいただける作品だと思います。主役の仙太郎の一生を、すごく濃密な時間としてお届けできると思います。

◆最後に映像作品への思いもお聞かせください。

中山:そうですね。出たいな~(笑)。「大河に出たいな~」と思いますし、(井上)拓哉が朝ドラに出ているのを見ると「朝ドラいいな~」と思いますし。舞台も大好きですけど、映像作品にももっとチャレンジしていきたいという思いもあります。やっぱり顔を知っていただくきっかけとして、映像の力は絶大だと思うので。なんでもやりたいです!

◆大河や朝ドラ、時代ものに興味がおありですか?

中山:僕ね、着物や軍服が似合うんですよ(笑)。時代にマッチすると思うので、どんどん出ていきたいです! 関係者の皆さま、オファーお待ちしています!

◆昨年出演されたドラマ『DIVER -特殊潜入班-』での刑事役もよくお似合いでした。

中山:ありがとうございます! どんな職業でもマッチできるんで、僕(笑)。時代劇も現代劇もなんでも出たいです!

PROFILE

「演劇で大阪を元気にしたい!」という大きな志の下、関西を拠点としたさまざまなエンターテインメントを発信する演劇集団。中山義紘、井上拓哉、松井勇歩、竹下健人、三好大貴、星璃、吉本考志、近藤頌利、田中亨、納谷健の10人で構成。井上が連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合/BSプレミアム)に出演中。

●text/青柳直子