水瀬いのり「 美しさと強さ、神秘性にたくさんの感動を頂きました」『驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』

特集・インタビュー
2021年06月11日

NHKの人気自然番組『ダーウィンが来た!』の劇場版第3弾が6月11日(金)より公開。今回のテーマは「海の生き物たち」。劇中のナレーションを務めた水瀬いのりさんに気になるその内容の中身を伺いました!

◆水瀬さんは現在放送中の『ダーウィンが来た!』でも「マヌ〜ルのゆうべ」のツノミン役として出演されていますね。

はい。ですから、今回のお話を頂いた時も、最初はツノミンでナレーションをするのかなと思っていたんです。そうしたら、「水瀬いのりとしてお願いします」と言っていただいて、すごくうれしかったです。それに、今回はおなじみのヒゲじい(声:龍田直樹)やさかなクンさんと一緒に、ストーリーテラーのような形で海の生き物たちの世界を案内していく役割でもあったんです。それもあって少し緊張しましたが、いつものスタッフさんがいらっしゃるという安心感がありましたし、皆さんからの“より良いものを作るんだ!”という強い思いも伝わってきましたので、そこに私も声で携われる喜びをかみ締めながら収録に臨みました。

◆とても表現豊かなナレーションになっていましたが、収録ではどのようなことを意識されたのでしょう?

映像には生き物たちのリアルな生態が収められているので、それに寄り添う形で、より繊細に、より臨場感を与えられるようにということを心掛けました。また、言葉の持つ力を大事にしつつ、シリアスな場面では緊張感を、日常感のあるシーンでは淡々としながらもリアルさを、それに恋の行方をナビゲートする場面はBGMに合わせながらちょっと遊び心を入れたりもして(笑)。ナレーションという役割ではありましたが、そうやっていろんな声色や感情を表現していく作業はすごく楽しかったですね。

◆実際の映画をご覧になっていかがでしたか?

想像をはるかに超えた映像に圧倒されました! ザトウクジラが大きく口を開けるシーンでは、“これはどうやって撮影したんだろう?”と興味をそそられましたし、ペンギンの群れの映像では本当に自分がその中に入っているような気持ちになりました(笑)。また、当たり前のことなんですが、それぞれの生き物たちにも生活や毎日があるということがこの映像を通してすごく心に刺さってきました。今この瞬間だって、世界中のいろんな生物が生きるということに全力で向き合っている。そうした姿を想像すると、とても神秘的な気持ちになりましたね。

◆作品からは意外な真実を知ることもたくさんありました。例えばジェンツーペンギンたちが群れの中で走っているのは、実は子供たちの足腰を鍛えるためだったり。

そうなんです。ただ見ているだけだと、親子やきょうだいでかわいく追いかけっこをしているようなんですけど、実際はめちゃめちゃスパルタで(笑)。“そうかぁ、こうやって毎日を過ごしながら大人になり、それが次の子供たちにも受け継がれていくんだな”って、命の連鎖のようなものを感じました。しかも何がすごいって、誰かに教わるわけではなく、ましてや言葉や文字で伝えていくわけでもなく、本能で引き継がれていくんですよね。それを思うと、私たち人間は言葉が使えるのに人見知りとかしているのはもったいないって思ったりして(笑)。“もっとしっかり生きなきゃ!”と背筋がピンとなる思いでした。

◆では、特に印象的だった生き物はいましたか?

親子の映像はすごくかわいかったですね〜。どの世界でも赤ちゃんという存在は癒やしであり、希望なんだなと思いました。それといろんな生き物たちの求愛の仕方も面白かったです。どれもちょっとヘンテコで(笑)。興味深かったのはズキンアザラシ。オスの鼻の穴の中からちょうちんが出てきて、それをぶつけ合ってメスを取り合うんですよね。しかも、血が出るほど攻撃し合っていて。また、激しく威嚇し合うオーストラリアコウイカもそうですが、まさに男と男のけんかのようで、“これ、マジなやつだ!”と思いました(笑)。もちろん、本能で戦っているのでどれも真剣なんですけど、何となく海の生物たちって、時間の流れもゆっくりで、どこか優雅に生きている勝手な印象があったんです。でも、とっさの時の動きが驚くほど俊敏だったり、結構けんかっ早いところもあるんだなと思って(笑)。そうしたアグレッシブな面を知れたのも大きな発見でした。

◆見た目とのギャップも含め、まだまだ知らないことがたくさんあるんだなと感じました。

本当に! 陸に生きている生物たちの神秘性ももちろん気になりますが、普段なかなか見ることのできない海の深い場所に住んでいる生き物たちの生態を、こうした高画質の映像で見られる機会ってめったにないですし、その意味でも、すごく貴重でロマンにあふれた映画だなと思いました。そうかと思えば、温暖化が進むことでホッキョクグマ同士の縄張り争いが増えているという実態が映し出されていたり、無人の島にプラスチックごみが流れ着いている映像もあって。私たちの今の生活が未来を悪いほうに変えてしまっているんだなと実感することも多かったです。そのことで、あらためて生き物たちも同じ地球に暮らしているんだということを考えるきっかけになりましたし、人間としての責任のようなものも強く感じましたね。

◆水瀬さんは普段、動物の動画や映像を見ることはありますか?

はい。大好きで、すごく見ます! 水族館にもよく行きます。先ほど、言葉を使わず本能でコミュニケーションを取るという話をしましたが、生き物たちの姿を実際に見ながら、“鳴き声や動きなどで自分の状況を周りに伝え合って育まれていく命ってすごく不思議で魅力的だなぁ”といつも感動しています。

◆水族館では特にどんな生き物に興味をひかれますか?

一番はクラゲです! もう何も考えずに、いつまでもぼ〜っと見てられます(笑)。クラゲには目や鼻といった表情が分かるアイコンのようなものがないので、“何を考えているんだろう?”とか、そもそも考えるという概念すらないのかも…とかいろんなことを想像しちゃいます。それに今回の劇場版にもクシクラゲが出てきましたが、光によって自分の体の色が変化していくのも“カッコいい!”って思っちゃいます。

◆確かにクラゲは何を考えているのか分からないですけど(笑)、それでも人間を相手に時々刺してくるというのも面白いですよね。

そうなんですよね。私はまだ刺された経験がないですし、できれば今後もないままでいたいのですが(笑)、そうした刺すという行動もまさに生き物たちの本能なんだなと思います。あ、そうだ、それとチンアナゴも大好きです! 彼らも生態がよく分からないですよね(笑)。砂の中から姿を出していて、大きな魚が来るとすぐ引っ込んじゃって。目立ちたがり屋さんなのか、ビビリなのか分からないところが非常に愛らしいです(笑)。

◆動きがユニークで、思わずアテレコしたくなりますよね(笑)。

分かります!(笑) 絶対に小さな話題で盛り上がってそうですよね。「昨日のあれ、見た?」とか、「やばい、やばい、隠れよう!」とか(笑)。

◆(笑)。では、“この動物のこの謎を解き明かしたい!”というのはありますか?

そうですね…インコのように言葉をまねする鳥がいますが、あれはどういう声帯なのかなといつも疑問に思います。くちばしが硬いから、人間のように口の形を変えられないと思うんですね。ということは、口は固まった状態で、声帯だけでしゃべっているのかなぁと思ったり。それに、ハトが歩く時に首を前後に動かすのはどうしてなのかな…とか(笑)。もしかしたらどれも解明されているかもしれませんが、鳥は不思議に感じる部分がすごく多いです。

◆最後に、今回の劇場版をご覧になる方にメッセージをお願いします。

この映画には、世代を問わず楽しんでいただける映像やリアルな生態がたくさん詰まっていますので、ぜひ家族や友人などいろんな方とご覧いただければと思います。時には過酷な瞬間や残酷な一面もありますが、でもそれがあるからこそ、“生きている”といううそのない真っすぐな生き物たちの生きざまを知ることもできます。また、私たち人間が暮らしている世界と、自然の中で生きている彼らの違いもあらためて感じられると思いますので、そうした映像の数々から生命の尊さや明日を生き抜く力などを感じ取っていただけるとうれしいですね。

PROFILE

水瀬いのり
●みなせ・いのり…122日生まれ。B型。『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』(TOKYO MXほか)、『マヌ~ルのゆうべ ふしぎな生きもの大集合』(NHK総合)、映画「シドニアの騎士 あいつむぐほし」などに出演中。今後は「劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア」(2021年秋公開予定)がある。

作品紹介

映画「驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!」
2021611日(金)よりユナイテッド・シネマ豊洲ほか全国公開

STAFFCAST
監督:田所勇樹
制作:NHKエンタープライズ
ナレーター:水瀬いのり
出演・ナレーター:さかなクン ヒゲじい:龍田直樹

STORY
特別な時期だけに“大集結”する生き物や、潜水艇でとらえた神秘の深海生物など、珍しい生きものたちの姿は驚きがいっぱい! 独特な“すご技”を持つ生き物たちにもびっくりギョー天! 強烈なパンチで貝を粉々にするモンハナシャコや、魚なのに驚きの飛行術で海中でも海上でもするりと敵から逃げるトビウオなど、たくましく命の攻防を繰り広げる姿は必見です。さらに、猛ダッシュしてヒナに走りを教えるジェンツーペンギンや、貝の割り方を辛抱強く教えるラッコの子育てなど、胸キュン必至のかわいい姿だけでなく、生きるためのすべを伝える親から子への“命のリレー”には心揺さぶるドラマがたくさんあります。世界中から約60種の海の生き物たちを一挙大公開。

photo/関根和弘 text/倉田モトキ

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