EMILY「監督に教えてもらって身についたことを生かせている」品川ヒロシ最新監督作「リスタート」

特集・インタビュー
2021年07月16日

716日(金)に全国公開となる品川ヒロシ監督の最新映画「リスタート」に主演したEMILYさん。HONEBONEというフォークデュオのボーカルでもある彼女は、今作でお芝居に初めてチャレンジしました。品川監督からオファーを受けたきっかけから、撮影中のエピソードまで、明るい人柄が分かる楽しいお話を聞かせてくれました。

◆品川ヒロシ監督から主演のオファーを受けたそうですが、映画に出演することになったきっかけから教えてください。

私はHONEBONEというバンドをやっていて、監督がTwitterで「HONEBONE、カッコいいね」ってつぶやいてくださったので、「HONEBONEEMILYです。ありがとうございます。映画などで何かできることがあれば声をかけてください」とDMしたんです。そしたら「芝居に興味ない?」と聞かれて。演技の経験がないので何とも言えないけど、ここは食らい付いていきたいと思って、「何でもやります」とお返事しました。その後、「今、こういう映画を作ろうと思っていて、その主役を探している」と言われました。最初は信じられないというか、そんなにうまい話あるわけないと思いましたね(笑)。

◆いきなり主役のオファーがくるわけないと。

はい。私を主役にするなんて話が通るわけがないと思っていたので信じられなくて。私みたいに売れてもいない、誰も知らない、経験もない人を起用するわけがないとずっと思っていたので、本読みをすることになって「ホントにやるのかな」と思いました(笑)。

◆脚本を読んでどんなことを感じましたか?

主人公・未央の口調や立場があまりにも自分に似過ぎていたので、監督に「これ、私のことですか?」と聞いたら、「そうだね。半分当て書きだから」と言われました。それでちょっと怖くなりましたが、監督に「いい経験になるんじゃないの?」と言われて。その言葉を聞いて、これをやり切ったら1つ成長できるんじゃないかと思い、「やります!」と引き受けることにしました。

◆脚本を書く前に監督からヒアリングはされたんですか?

監督が私の楽曲やミュージックビデオから、そしてブログを過去までさかのぼって探ってくださったみたいです。なので初めて会った時には、私のことをかなり知っている感じでした。

◆演技の経験がないということですが、映画で演じるのはミュージックビデオの延長線上のような感じでしたか?

全然違いますね。せりふを言ったことがなかったので。自分の書いた言葉を自分で感じた感情を入れて読むことはできますけど、他の人が書いたせりふをその方が既に抱いているイメージに寄せて言うのが難しいと思いました。

◆脚本を読んで未央と似ているところや違うと思ったところは?

未央って、家族や地元の友達など意外とみんなに愛されているんですよね。それは自分も同じなんですけど、あそこまで周囲の人におんぶに抱っこした状態でいるのは、甘えじゃないかと思って、「未央はちょっと自分勝手すぎる。世の中はこんなに甘くない」と監督とめちゃめちゃ話し合いました。だから最初は未央がそんなに好きじゃありませんでした。だってどん底まで落ちたのは、自分の落ち度もあるから。もちろん転落したのはかわいそうだけど、そこから浮上して最終的に前を向くまでの準備をほぼ周りの人にやってもらえてうらやましいと思いました。私は自分の活動は自分でやっているから。そういう弱い部分は私とは違うなって思いましたが、私もネガティブな性格なので、「私なんて死んじゃえばいいんだよ」って言うような“かまってちゃん”っぽいところは似ていますね(笑)。

◆監督からどんな演出を受けましたか?

「このシーンはこういう気持ちの延長だから、こうなるよね」って1行1行マンツーマンで本読みしてくれました。そして分からないことがあれば昼夜を問わず連絡してねと言っていただいたので、その言葉を鵜呑みにして疑問があればすぐに質問しました。とても丁寧に答えてくれました。そして現場では監督が手取足取り演技を教えてくれました。いかに自然に演じるかということに重きをおいて、うそっぽくなった時は「そんなに気張らなくていいよ。もうちょっとこんな気持ちで」って、監督が目の前で未央を演じてくれたんです。それが分かりやすくて助かりました。

◆未央の心情を事細かに監督が教えてくださったんですね。

しかも私は生意気にも脚本に対して文句を言ってしまったんです(笑)。最初の脚本には、転落するきっかけになった彼氏だと思っていた人に、未央がファンの悪口を言うシーンがあったんです。「キモイよね」って。私にはこんなこと言ったら、映画を見る人が最後まで未央を応援できなくなるんじゃないかって懸念がありました。だって未央はアーティストになる夢を果たせずに、ファンが応援してくれて地下アイドルをやらせてもらっている状態なんですよ。

◆確かにそのひと言があったら、未央に対する見方が変わるかもしれないです。

監督に「私は未央嫌いです。全然頑張ってないし、こいつダメじゃないですか」って言ったんですよね(笑)。そしたら監督は「こういう子もいる。一生懸命頑張っているけど報われない子もいるんだよ。だから未央を愛してあげて」とおっしゃいました。今思うと生意気だったなって(笑)。でも演技をするのは最初で最後だと思ったので、悔いのないようにしたいと思って感じたことははっきり言わせてもらいました。

◆最終的には未央を愛することはできましたか?

そうですね。憎めないやつというか(笑)。手のかかる子ほどかわいいんだなと思いました。

◆演じていて難しかったシーンはありましたか?

中野(英雄)さん演じる血のつながらないお父さんと初めて向き合うシーンです。私が素人すぎて、映画の撮り方を分かっていなかったんですね。私が気持ちの持っていき方の配分を間違えて、中野さんや他のキャストの方のアップを撮っている時に、いっぱい泣いて自分のアップを撮る時には気持ちも涙もかれてしまって。「じゃあEMILYのシーンで」となった時には泣けませんでした。何度撮っても泣けなくて、監督も仕方なく「次で最後にしよう」とおっしゃったんですね。そしたら中野さんが「EMILYはそれでいいの?」って聞いてくださって。それなのに私はちょっとやさぐれて返事をしてしまったんです。でも中野さんは私の気持ちを汲んで「もう1回やりたいって」と言ってくださって、そうしたら監督が私の横に来て、気持ちを作れるようなお話をしてくれました。そこでなんか…私のスイッチが入ったんですよね。今にも泣きそうってなった瞬間に監督が「(カメラ)回してー!」と言って、中野さんのほうを向いたら中野さんも泣きそうになっていて、最後に使われたシーンは号泣していました。そこは中野さんにおんぶに抱っこで用意してもらったシーンでしたね(笑)。

◆終盤のライブシーンは普段歌っている時と違いがありましたか?

あれは自分のライブスタイルと全く一緒です。ライブの場面に関しては演技をしていないかもしれないです。お客さんに向かって歌うことしか頭になかった。下川町に住んでいらっしゃる一般の方がエキストラに参加されていたので、何度も撮る中で皆さんが飽きないように全部本気で歌いました。監督にも全部全力で歌ってと言われて、順撮りで撮ったのであのシーンが撮影的にもほぼラストだったんです。歌う瞬間に最高潮に気持ちを持っていけたので、歌い終わった時は達成感がありましたね。

◆もともとwebでコラム連載を持つくらい映画がお好きだそうですが、今回、映画のお仕事に参加してみてどんな経験になりましたか?

映画に参加する前と後では、ミュージシャンとしての表現の幅が広がったと思います。お客さんからも映画以前と以降では全然違うという声ももらっていて、自分では伝えているつもりだったけど、伝わってなかったというのがよく分かりました。それこそ、自分の歌は自分が書いた歌詞を読み上げているだけだったのかもしれないと。でも映画に参加した以降は、一字一句意味のあることだと思いながら歌っているので、監督に教えてもらって身についたことを生かせているなって気がします。

PROFILE

EMILY
●えみり…1990918日生まれ、東京都出身。フォークデュオ、HONEBONEのボーカル。日本語にこだわったリアルな歌詞を歌い、EMILYのキレのあるMCも人気。『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)への出演をきっかけに品川ヒロシ監督に見いだされ、今作の主演に抜擢される。

作品紹介

映画「リスタート」
202179日(金)より北海道先行公開中/716日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル新宿ほか全国公開

STAFFCAST
監督・脚本:品川ヒロシ
音楽:HONEBONE
出演:EMILYHONEBONE)、SWAYDOBERMAN INFINITY/劇団EXILE)、品田誠、朝倉ゆり(エラバレシ)、夏目ベール(純情のアフィリア)、藤井俊輔、向井日菜海、阿部隼也、かんた、岩崎う大、もりももこ、西野亮廣(キングコング)、松田大輔(東京ダイナマイト)、庄司智春(品川庄司)、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、黒沢あすか、中野英雄

STORY
北海道下川町で育った未央(EMILY)はシンガー・ソングライターを夢見て上京するが、現在は売れない地下アイドルとして活動していた。ある日、有名アーティストとの不倫スキャンダルが週刊誌に載り、世間からバッシングを受けてしまう。夢に破れ傷付いた未央は故郷に帰るが、家族ともうまく接することができない。そんな中、同級生の大輝(SWAY)が未央を思い出の場所へと連れ出す。豊かな自然と周りの人々の優しさに癒やされ、未央は少しずつ前を向くようになる。

©吉本興業

photo/関根和弘 text/佐久間裕子 hairmake/杉野加奈 styling/村井素良

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