趣里「月子の一歩踏み込めない恐怖心にすごく共感を持てた」『初情事まであと1時間』

特集・インタビュー
2021年07月21日

◆今回、渡辺さんとは初共演になりますが、共演されての印象を教えてください。

渡辺さんとは、スタイリストさんが共通の知り合いだったりするのですがこれまでお会いしたことがなかったんです。お芝居に対して、一直線に向き合うような印象がありました。真摯に1つひとつ考えていらっしゃっていて。実際にやりとりしていく中で、どんどん変化していって、お芝居を一緒にするのがとっても楽しかったですし、現場がすごく心地よかったです。多くを語らずとも、芝居でコミュニケーションが取れたという感覚がありましたし、またご一緒したいです。

◆印象的な演出はありますか?

雨のシーン中に私の寄りのカットがあるのですが、そこでは陽太君の想像の中で月子が誘惑している様子が描かれているんです。そのシーンは結構弾けさせていただきましたし、演じていてすごく面白かったです。大九さん節だなと思うのは、「あらら~」と月子が陽太君に手を引っ張られるところや、小道具のヘアピンを外すシーン、ワニの縫いぐるみにスマホがぶつかるカット、ろうそくを持っていく演出などです。そういうちょっとしたところに大九さんのセンスが入っていて大好きなんです。撮影中も、演出でどんどん豊かになっていく感じがしましたし、コメディでありながら、すごく狭間の心に寄り添っている感じがとても好きです。

◆月子のようなマイナスな考えを持った女性を演じてみていかがでしたか?

すごく分かります。何で自分ってこうなんだろうとか、思考のクセみたいなものって、皆さんもあると思うんです。月子みたいに絶対に男性とうまくいかないっていう、彼女の一歩踏み込めない恐怖心や悩みというのは私もすごく共感できました。それを補ってくれる陽太君の存在が、それこそ月と太陽の名前のような、そういう関係がすごくすてきだなと思いました。そこに飛び込んでいける勇気がある月子もすごいですよね。

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