劇団PatchのLIFE GOES ON【Web出張連載 vol.12】竹下健人「ジャンルにしばられず“役者として芝居をする”という生き方が理想」

特集・インタビュー
劇団PatchのLIFE GOES ON
2021年07月31日

劇団PatchのLIFE GOES ON

関西を拠点に活動する“ちょうどいい”イケメン演劇集団・劇団Patchの連載「劇団PatchのLIFE GOES ON」がWebで出張連載! 誌面では語り切れなかったはみ出しトークを紹介しちゃいます!

7月30日(金)から「ナインスコンプレックスプロデュース#6『12人の怒れる男』」に出演する竹下健人さんに、舞台の見どころや俳優としての目標、ジャニーズ愛についても聞きました。

◆劇団ナインスコンプレックスプロデュースの舞台『12人の怒れる男』には3度目のご出演です。

はい。劇団ナインスコンプレックスさんの公演としては今回で4度目。僕は2度目から出させていただいて、今回3度目の出演になります。

◆アメリカの陪審員制度をテーマした本作は、密室劇の金字塔として日本でも何度も舞台化されているんですね。

そうなんです。商業演劇でも上演されている作品で、会話劇の王道中の王道。さまざまな事情を抱えた12人の陪審員が、ある殺人事件の評決に至るまでを描いていて、演劇人なら誰もが一度は出演してみたいと思う作品なのかなと思います。今作では、演出のキムラ真さんが劇団の枠を超えて芝居が大好きな人たちを集め、この座組になりました。

◆芝居好きの演劇人が集う作品に3度目のご出演。お気持ちは?

めちゃくちゃうれしいですよ! 自分の「お芝居が好き」という気持ちが演出のキムラさんに届いたのかと思うと、本当にうれしくて。3度も同じ作品に呼んでいただけるなんて、役者として光栄です。

◆今回、竹下さんが演じる「陪審員11号」はどのような役どころですか?

実は2年前にも「陪審員11号」をやらせていただいて、昨年は「陪審員7号」という別の役でした。この「陪審員11号」と「陪審員7号」は真逆のキャラクターで、ストーリーの中でも対立する役どころなんです。
「陪審員11号」は時計職人で、12人中、唯一の移民。迫害されたりいじめられた過去があるから、内気でなかなか自分の意見が言えないんです。そして、言葉に少し訛りがあります。一方、「陪審員7号」は、野球を見に行きたいから早く終わってほしいと思っているちゃらんぽらんなヤツ。バカにされるとすぐにキレるんですけど、場を盛り上げることには長けていて、とにかくよくしゃべります。
昨年「陪審員7号」を演じた時、以前に自分が演じた「陪審員11号」と向き合うことがすごく新鮮だったんです。「そっか、7号がこんなふうに怒ったら、11号はこう反応できたんや」とか、いろいろな発見があって。そして今回、3度目の出演で再び「陪審員11号」をやらせていただくので、これまでの経験を生かせるんじゃないかと思っています。僕個人としては、そこが見どころですね。

◆一昨年とはひと味違う「陪審員11号」が見られそうですね! では、作品全体としての見どころは?

約2時間、全員が板の上に乗りっ放しで誰もはけないんですよ。セリフがない時もずっとお芝居を続けているので、何度見ていただいても「この時、この人はこういう動きやったんや」というような発見があるのがこの作品の醍醐味じゃないかと思います。
毎回毎回セリフの当て方も違いますし、「昨日まであの場所におったのに、今日は全然違うとこにおるやん」ってことも。きちんと台本があって、ちゃんと稽古はしますけど、役としてのエチュードというか、即興も必要とされている部分があって、演じる側としてはスリルがすごい。見てくださる方は「目が足りない」状態だと思います(笑)。

◆今回は裁判がテーマの作品ですが、下調べなどはされましたか?

初めて出させていただいた時は、アメリカの陪審員制度と日本の裁判制度の違いについて調べました。原作はアメリカが舞台ですが、日本のテイストをどんなふうに入れるべきか。そのあんばいを考えたりしました。
また、実際にあった裁判員制度の事件を調べて、自分がもし裁判員に選ばれたとしたら、どういう結論を出したんだろうと考え、それを役にフィードバックするという作業もしました。体験したことのない役は、知識を蓄えて想像することしかできないので。そこで妥協するのは絶対に嫌なんです。

◆研究熱心! 事前準備派なんですね。

昔は役の履歴書を作ってたんですが、ガチガチに固めすぎて失敗した過去があるんです。劇団Patchの『巌窟少年』という作品でニヒルな少年役をやったんですけど、僕のイメージが『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウだったんです。研究しすぎて、しぐさからしゃべり方まで、ジャック・スパロウになりすぎて(笑)。「竹下、それは違うで」と言われて以来、固めすぎず「ふわっと」を心掛けています。

竹下健人
竹下健人

◆では、俳優としての今後の目標を教えてください。

映像芝居というものをすごくやりたくて。ドラマに出まくりたいです!『あさが来た』(NHK)に出演したのはもう5、6年前になりますね。その後、『科捜研の女』(テレ朝系)シリーズには何度か出させていただいて、『DIVER-特殊潜入班-』と『探偵・由利麟太郎』(ともにカンテレ・フジ系)など、いろんなドラマの現場に行くたびに、舞台とは違う面白さがあるんです。
舞台は稽古が1、2か月あって、綿密に積み重ねたものを板の上に乗せていく、というものですが、映像作品はリハーサルを数回やったらすぐ本番。その中で役を生きている役者さんを見ると、自分もこういうお芝居をしてみたいって思うんですよね。
それに、映像作品ではシーンを順番に撮って行く時もあれば、時系列がバラバラの時もあるので、逆算して芝居をしないといけないことも。さも目の前に人がいるかのようにカメラに向かって芝居をすることも必要です。そういう難しさがあって、何回やってもそれが新鮮なんです。
『六畳間のピアノマン』(NHK)では同世代の方たちと芝居をして、この方たちともっと戦いたいと思いました。楽しかったけど、すごく悔しかったです。
舞台も映像も、どっちもできたらカッコいいじゃないですか。ジャンルにしばられず、「役者として芝居をする」という生き方が理想です。

◆バラエティ番組にも興味はありますか?

はい、もちろん! 僕、『マーベル』の作品が大好きで、この前、マーベルに関するクイズ番組を家で見てたんですけど、全問正解やったんですよ! それから、ずっと言ってますけど“ジャニオタ”なんで、好きなジャンルに関することなら、なんでもやってみたいです!

◆では、“ジャニオタ”竹下さんの最近の推しは?

嵐さんは不動のトップオブトップなんですけど、最近はジャニーズWESTさんも好きです。『あさが来た』で桐山照史君とご一緒したというのもあるんですけど、ジャニーズWESTさんの最近の勢い、すごいじゃないですか。ドラマでは主演、バラエティはすごく面白いし、舞台もたくさん出演されていて。僕たち劇団Patchとはジャンルは違いますけど、個々のカラーがあって、それぞれの活動をグループに還元するというスタイルに、勝手に親近感を感じています!

◆そして、竹下さんといえばスイーツ作りもお上手です。劇団Patch公式YouTubeチャンネルで、マリトッツォを作ってらっしゃいましたね。

自分で言うのもなんですけど、おいしかったです!

◆手元ばかり映っている本気の料理動画でした(笑)。

最初のころ、YouTubeの撮り方も分からなくて、僕のバストアップばっかり撮っちゃって(笑)。スタッフさんに「いや、手元くれ」って言われたんですよ(笑)。それ以来、分かりやすく、手元多めに撮るようにしています。

◆動画と言えば、前回ご登場の吉本考志さんから、メッセージを預かっています。
https://www.tvlife.jp/pickup/377372)←メッセージ内容はこちらで確認!

そんなん、メールくれたらいいのに(笑)。最近、考志とYouTubeの撮影したけど、編集については特に何も言ってなかったやん(笑)。でも興味はすごくあるよ! 確かに劇団PatchのYouTubeの編集は考志が一人で頑張ってやってくれてるから、もう1人編集が増えたらいいよね。僕、わりと機械触れるで?(笑)大阪組の企画もいいね。僕もクリエーターとして頑張ります!

◆それでは、次回登場予定の松井勇歩さんにメッセージをお願いします。

半年ぐらい会えてないから、なんか照れくさいけど…、勇歩君、元気? 今年、劇団Patchで2人目(中山義紘に続く)の30歳ですよね。30歳になってどんなことがしたいか、目標を教えてください! メンバーの誕生日はみんなでお祝いできたらいいなと思うんやけど、何かリクエストがあったら言ってください!

PROFILE

「演劇で大阪を元気にしたい!」という志の下、関西を拠点としたさまざまなエンターテインメントを発信する演劇集団。中山義紘、井上拓哉、松井勇歩、竹下健人、三好大貴、星璃、吉本考志、近藤頌利、田中亨、納谷健の10人で構成。竹下が『12人の怒れる男』(大阪公演:7/30~8/1)に、三好が『「家庭教師ヒットマンREBORN!」the STAGE』(大阪公演:8/6~8)に、近藤が舞台『はい!丸尾不動産です。~本日、家で再会します~』(大阪公演:9/4~7 姫路公演:10/3)に出演予定。「カンテレ×劇団Patchプロジェクト『マインド・リマインド~I am…~」のDVDがワタナベ商店(https://7net.omni7.jp/fair/patch)でオンライン販売中。

●text/青柳直子

この記事の写真