上坂すみれとヒャダインが初コラボ!「“いつか機会があれば”とずっと思っていました」

特集・インタビュー
2021年10月26日

上坂すみれ「生活こんきゅーダメディネロ」インタビュー

◆「ものどもの宴」はどのようなテーマで作詞をされたのでしょう。

事前に頂いたお題が《夜の舞踏会》だったんです。また、曲調にも優雅さと俗っぽさが交互に出てくる印象がありましたので、あまり貴族っぽい舞踏会になりすぎず、普段は一般的な暮らしをしながらも、ときどき非日常的なパーティーをして楽しむ人物をイメージして書きました。

◆こちらも表題曲同様にテンポ感のある楽曲ですが、歌詞を書く上で難しさを感じた部分はありますか?

やはり、テンポが速いと言葉数が多いので大変ですね。それに、「ものどもの宴」は譜割りが複雑でしたので、余計に難しくて。でも、書けるとすごくうれしいです。4行くらい書いたら達成感にあふれ、“よし、今日はもういいだろう!”と思ったり。そうやって、いつもちびちびと書いています。

◆一気に書き上げるタイプではないんですね。

そうなんです。全然、集中力が続かなくって。なので、締め切りはいつも余裕を持っていただいています。

◆歌詞を書く時のルーティーンなどはあるんですか?

私はいつも、スマホでメールの下書きに書いてますね。メールの件名のところに曲のテーマを書いておいて。そうすると時間をかけて書いていても、内容がブレることがないんです。たまに頭の中が迷宮入りして、どんどんと変な方向にいってしまうこともありますが、その時は潔く一度全部消して書き直します。

上坂すみれ「生活こんきゅーダメディネロ」インタビュー

◆では、もう一曲の「ドロップス」についても教えてください。

先ほどもお話したように、こちらはすごくオシャレな曲です。3曲目に収録されることが決まっていたので、「生活こんきゅーダメディネロ」と「ものどもの宴」を乗り越えてきた皆さんに向けて、“お疲れ様”という思いを込めて、癒やしをあげられるバラードにしました。

◆そんな優しさが(笑)。歌詞も「ものどもの宴」とは言葉のチョイスを含め、ガラッと変わっています。

デモを聞いた時、私にしては珍しく今風のシティポップ感のある曲だなと感じましたので、これまでになかったテーマで歌詞を書いてみようと思ったんです。そこで、いつもは私が別人格のキャラクターになり切って歌詞を書くことが多いのですが、今回は頑張って自分に向けて書いてみました。それもあって、ものすごく難航しましたね。仕事が終わってから近所をウロウロ歩き回ったりして書いた歌詞ですので、“こういうオフの時間を過ごしたい!”という願望や、“上坂さん、お疲れ!”という思いが滲み出ていて。その意味では、とても人間らしい曲だと言えます。

◆作詞はいつも苦労されるとのことですが、普段からインプットするためにされていることはありますか?

特別な何かをすることはないのですが、昔の歌謡曲が大好きで、よく聴いています。昔の歌は言葉の数が多くないので、スッと入ってくるんです。それに、一曲の中にたくさんのドラマが表現されていて、情景も浮かびやすい。とはいえ、勉強のためというより、純粋に好きで聴いていることが多いですし、結果的にそれが自然と自分の身になっているのかなと思います。

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