もう中学生、キー局初冠番組に「ほろっと涙が出た」実家の母から注意されたこととは?

特集・インタビュー
2021年11月29日

もう中学生『もう中学生のおグッズ!』インタビュー

テレビ朝日の平日深夜のバラエティ枠『バラバラ大作戦』。同枠でこの秋スタートした新番組の中から注目芸人にインタビューするTV LIFE本誌の短期連載を、誌面に入りきらなかった未公開トークも含めた特別版としてTV LIFE webでお届け! 第2回は『もう中学生のおグッズ!』(毎週(月)深2・36~2・56)からもう中学生さんが登場。同番組では自身のオリジナルグッズを作って発売するべくロケを敢行し、予測不能の“もう中ワールド”を繰り広げている。キー局では初となったこの冠番組への思いを語ってくれました。

 

◆最初にオファーを受けた時のお気持ちは、どんなものでしたか?

うれしさは30パーセントくらいで、70パーセントくらいは「どうしよう…」という気持ちでした。「もう中さんでやりたい」とか、「この仕事デカいですよ!」とご依頼いただいても、正直、喜びよりも「自分にそんなことできるのかな…」という不安が大きくて。「ヤバい、ヤバい!」という方で頭がいっぱいでした。でも、今までお笑いをやりたくても、できなかった時期が長かったですし。ここ11年くらい、「今後どうなっていくんだろう…」とずっと思っていて。そんな自分がガラス張りのまぁるいビル…テレビ朝日さんの社屋でお仕事をさせていただけるなんて。今日の朝もほろっと涙が出たくらいです。

◆ライブを中心に活動されている時期もありましたよね。

マネージャーさんが変わるたびに、“僕はこんな人です”というプロフィールシートのようなものを書いてお渡しするのですが、そこにはテレビ出演のことなんておこがましくて書けなくて。劇場や営業のお仕事で何とか生活だけは続けていけるように、ということだけお伝えしているような状態だったんです。だから、まさか新聞や雑誌のラテ欄に自分の芸名が載るようなお仕事をいただけるとは思っていなくて。ありがとうの気持ちをお笑いに変えてきっちりお返ししたいです。

もう中学生『もう中学生のおグッズ!』インタビュー

◆収録の手応えはいかがですか?

最初のころは、「アジャパー。また変なこと言っちゃった」と反省ばかりだったんですけど、放送を見たらちゃんと番組になっていて。僕の中では、“変なこと”でしかなかったものを、スタッフさんが編集で面白くお料理してくれたり、分かりやすく伝えてくださったりしていて。全面的に編集に助けられています(笑)。

◆独特の“もう中ワールド”がさく裂していますね。

いえいえ。僕はもともと自由に笑いを取るようなポップな人間ではないんです。昨日も2リットルのお茶を1日掛けてちょっとずつ飲みながらチンしたものを食べて…という生活をしていましたから。そんな僕をピーオーピー、すなわち“ポップ”に見えるように仕上げていただいて、ありがたさ満載です。放送を重ねるごとにあれもしたい、これもしたいと、ポジティブな気持ちや夢が増えていって、今は未来に希望ばかりです。

もう中学生『もう中学生のおグッズ!』インタビュー

◆“生ワイプ”としてワイプ風の枠を装着してその場でツッコミを入れる、毎回のゲスト芸人さんの存在も大きいですか?

そうですね。ゲストの方にもとても助けられています。それなのに僕は収録が始まると、どうしても自分のことで頭がいっぱいになってしまって。冠番組だからこそ、ゲストで来てくださる方を立てないとダメなのは分かっているんですけど。昨日、放送を見た母ちゃんからも、「あんたは自分がいいふうに映ることばっかり考えてる。人を立てるだよ!」と注意されました。ゲストの方がキランと光るようにできれば、僕自身も器のデカい、本当の意味で大きな人になれると思うんですけど。早くそんなちゃんとした人間になりたいです。

もう中学生『もう中学生のおグッズ!』インタビュー

◆そもそもこの番組は、もう中さん自身の趣味であるタレントグッズ集めがきっかけで生まれたそうですね。

小学生のころからよく変てこりんなものを拾ってきて、それで遊んだり、何かを作ったり。そうやってふんわりといろいろなものを集めていて。それである日、そのコレクションの1つを授業中にピッと出したら友だちが笑ってくれたんです。でも、そのことがお笑いを目指すきっかけだったかというと、そうじゃなくて。グッズ集めはちょっと変わった趣味だと思っていたので、人に言えなくて。自分の中だけに半ば封印していたことなんです。

◆なぜその封印を解こうと?

今年、『(マツコ&有吉)かりそめ天国』さんからロケ企画のオファーを頂いて。あのマツコ(・デラックス)さんと有吉(弘行)さんがご覧になるわけですから、手作りの小道具でいつもどおりのネタやボケをしても絶対に笑ってもらえないだろうなと悩みまして。それで、ちょっと懐かしい物とかを出したら、笑ってはもらえなくても、ほほ笑みくらいは浮かべてもらえるかなと。それをきっかけに、皆さんに披露するようになりました。

◆ネタで使ってらっしゃる手作りの小道具は、どういう発想から生まれるんですか?

思いついた物を作っているという感じです。だから、こういうネタがやりたいからこういう小道具を作ろうと考えるんじゃなく、この前作ったあの小道具は何かのネタに使えるかなと考える“逆輸入パターン”なんです(笑)。ちょうど昨日も囲碁盤を作っていたんですけど、それも何かのためにという目的があったわけではないんですよね。

◆どこで材料を調達して、どのくらい時間を掛けて作るものなんですか?

材料の段ボールは、地元の長野にある段ボール屋さんのワタナベさんから仕入れています。ケーキを10個持っていくと交換してくれるんです(笑)。作業は休みの日にがっつりと、ではなく、毎日ちょっとずつ進めていって、いつの間にか完成しているという感じで。仕事が全然ない時でも絶対にサボらないように、一日に一度も小道具作りをしない日はないように、と自分の中で決めているんです。いつか何かに使えるかもしれませんから。

もう中学生『もう中学生のおグッズ!』インタビュー

◆毎日作っていたら、それを保管しておくのも大変そうですね…。

実は去年の自粛期間中に、ほとんど捨ててしまったんです。劇場や営業のお仕事がなくなって、もう使うことはないだろうなと思って。近所の方はびっくりしたでしょうね。資源ゴミの日とはいえ、謎の段ボールが大量に出されていたわけですから(笑)。その後、やっぱり捨てなければ良かったかなとちょっと後悔もしたんですけどね。あれがあったらあのネタにはめられたのに…という物がいくつもありましたから。ただ、今は「これからガンガン生産していくぞ!」というポジティブな気持ちになっています。この番組も含めて、すごい場所でお笑いをやらせてもらっているので、命を捧げるくらいのつもりで。

◆番組においても、もう中さんからどんなグッズが生まれるのか楽しみです。

番組のロケで各局のグッズショップを回らせてもらって、そのおかげで多種多様なグッズに触れることができたのですが、結果、一つに絞れなくなってしまって。最初はノートとか消しゴムとかがいいかな…と安易に考えていたのですが、今はちょっと迷いだしています。これからかなりこじれるかもしれないなと(笑)。ただ、僕自身がこれまでグッズで幸せな気持ちになってきたように、皆さんにもそうなっていただきたくて。皆さんが笑ってくれて、しかも生活の中で使ってもらえるようなグッズの発売を目指して頑張ります!

PROFILE

もう中学生『もう中学生のおグッズ!』インタビュー

もう中学生
●もうちゅうがくせい…1983年2月14日生まれ。長野県出身。O型。自作の道具を作ったネタでおなじみ。今年、『マツコ&有吉 かりそめ天国』などに出演してその独創性がマツコ・デラックスや有吉弘行からも絶賛され、再注目を浴びている。

番組情報

『もう中学生のおグッズ!』
テレビ朝日 毎週(月)深2・36~2・56
※Tver、TELASAなどでも配信中

 

photo/映美 text/海老原誠二