市川実日子インタビュー「ファンであることを恋だと思っているのかな」『カムカムエヴリバディ』

特集・インタビュー
2022年01月13日

現在放送中の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合ほか)で、ベリー役を演じる市川実日子さん。

ベリーはジャズ喫茶に通う女子大生で、錠一郎(オダギリジョー)にほれている。錠一郎とヒロイン・るい(深津絵里)の関係に気もそぞろで、るいに対して敵対心むき出しで迫る一面も。

そんなベリーについて、「圧は強いんだけど、繊細でもある」と語る市川さん。本作出演への思いや演じていく中で感じたこと、そして印象に残っているシーンについてお話しいただきました。

市川実日子 インタビュー

◆出演が決まったときの気持ちを教えてください。

うれしかったです。深津さん、オダギリさん、おふたりが出演される“朝ドラ”は、どんなものになるんだろうとワクワクしました。
深津さんはお会いするのも初めてで、オダギリさんとは以前、大河ドラマに出演したときに、同じシーンはないけれどご挨拶だけしたことがありました。今回ご一緒できるのが楽しみでした。
大阪のNHKに行くのも初めてで、初めてづくしです。高校生のとき“朝ドラ”が好きで放送を観てから学校へ行っていたんです。だから毎日遅刻していました(笑)。

◆ベリーに対してどんな印象を持っていますか?

ベリーは勢いがある印象です。るいさんも、ジョーさんも、静かな印象で。静かな方々の中、ポンと動いているような人。発言に裏表もないし、自分の思ったことと行動が一直線につながっています。
台本を読んでいるとバシバシとものを言う印象を受けましたが、京都ことば特有のものなのか、実際には直接言っている感じがしないというか…。ちょっとかわしている感じもしています。相手に言ってるようで、実は言ってないというか。圧は強いんだけど、繊細でもあるんです。
最初は、ベリーがジョーにどういう想いでいるのかちょっと考えました。ファンなのかな? それとも、恋心なのかな? と。紙一重ですよね、そういう想いって。でも、今は熱烈なファンなんだろうなと思っています。ファンであることを、自分では恋だと思っているのかなと。
ジョーはジャッジしないというか、線を引いてない感じがする人ですよね。いい悪いで判断していないような。自分のトランペットのことに関しては情熱を持って真剣にやっているけれど、その他のことに対しては穏やかで。何にもなびかないような、打っても全然響かないような、ベリーはそういうところにも興味をもっている気がします。

◆特に印象に残っているシーンは?

演奏のシーンです。台本を読んで想像していた音が、いざ目の前に。それはやっぱりすごかった! るいさんが「Night and Day」に初めて来たシーンだったかな? 生の音で聴かせてもらえました。
最近は、現実の世界でもコンサートへなかなか行けない状況です。ひさしぶりの生の音に感動しました。

◆視聴者の方々に向けてメッセージをお願いします。

『カムカムエヴリバディ』は、音との出会いや人と人とのつながりが描かれている物語です。あたたかい気持ちになる人々の交流があって、それが何代もつながっていきます。
ふだん、あたりまえに自分のいる場所から世界を見ているけれど、大正や昭和には私たちのご先祖さまがいて、みんなにも若い時がある。自分が今いる現在は、過去としっかりとつながっているのだと改めて感じました。こうして半年間、“朝ドラ”でそのつながりを観られるのは、すごくよいことなんじゃないかなと思いました。
金子さんの音楽も、楽しみです。視聴者の方にも楽しみにしていただけたらうれしいです。

番組情報

連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
NHK総合ほか
毎週月~土曜日 前8・00~8・15ほか

©NHK