近藤芳正インタビュー「みんなで大ウソつきしているのが新しい」『カムカムエヴリバディ』

特集・インタビュー
2022年01月18日

現在放送中の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合ほか)で、木暮洋輔役を演じる近藤芳正さん。

木暮はジャズ喫茶・Night and Dayの支配人兼バーテンダー。錠一郎(オダギリジョー)の出自や、どうやら過去についても知っているらしい。ヒロイン・るい(深津絵里)のクリーニング店の得意先となる。

今回演じる木暮について「自分が果たせなかった音楽の夢を追いかけている彼ら(錠一郎ら)を、すごく応援したいんだろうな」と話す近藤さん。木暮を演じる中で感じたことのほか、深津絵里さんやオダギリジョーさんの印象についてもお話しいただきました。

近藤芳正 インタビュー

◆出演が決まったときの気持ちを教えてください。

ちょうどプライベートで関西方面に引っ越したものですから、タイムリーでうれしいなと思いましたね。関西で暮らしてみて、周りは当然、関西の方なので、関西人役をやらせてもらうことで、よりことばを覚えられますし、久々の大阪放送局で、それも楽しみだなと思いました。

◆木暮に対してどんな印象を持っていますか?

木暮は、本当に音楽を愛しています。なにか過去に自分も音楽で救われたことがあるんでしょうね。志があって自分でこの「Night and Day」というジャズ喫茶を始めたと理解しています。
ジョーとの出会いがあって、かなりジョーにほれていて、出会えたことに感謝しています。木暮もたぶんサックスかトランペットかなにか楽器を吹いていたんじゃないでしょうか。
ジョーのトランペットの才能にほれ込んでいて、トミーも含めてですが、自分が果たせなかった音楽の夢を追いかけている彼らを、すごく応援したいんだろうなという気がします。音楽を愛する人たちに自分ができることは惜しみなくバックアップしたいという思いが強い人なんじゃないでしょうか。

◆共演者の方々にはどんな印象を持っていますか。

オダギリジョーさんとは、本格的に共演するのは初めてで、すごく楽しみにしていました。すごく繊細な演技をされる方なので、対面してみてやっぱりすばらしいなと思いながらやらせてもらいました。
深津絵里さんは昔よく共演させていただきました。それこそ僕、実は『踊る大捜査線』の第一話の犯人だったんです。それからもちょこちょこご一緒させていただいていました。しばらくお会いすることがなくて、久々にお会いしたので、それもすごく楽しかったですね。
早乙女太一さんは、もちろん舞台は何度も観せてもらっていて、あの殺陣を見るために大金払ってもおかしくないくらいに本当にすばらしいですよね。共演は今回が初めてですが、お芝居もすてきで、カメラの前でふとした瞬間の目線の向け方が本当に色っぽいですよね。
市川実日子さんは、医療ドラマ『白い巨塔』のときチラッと共演させていただいて、そのとき以来でした。彼女はドラマごとに、お会いするたびに印象が違います。本人に聞くと、出演するドラマに合わせて知らないうちに変わってしまう、みたいなことらしいです。

◆木暮を演じる中でどんなことを感じたのでしょうか。

僕は演じる役と実年齢が近いですが、みなさん実年齢よりも若い役をやってらっしゃって、「とうとうテレビもそういうふうにきたか」といううれしさもありつつ驚きもあります。
ある意味リアリティを無視しているとこあるじゃないですか。みんなでウソついてるというか。ふつうは回想シーンで、ちょっと若いころが出てきたりするけど、そうじゃないですよね。
ずっと、深津さんもオダギリさんも、市川さんも……みんなで大ウソつきしているっていうのが、テレビ的には非常に新しいんじゃないかなと思っていて、これを視聴者はどう受け取るのかなというのが放送後の楽しみです。

◆視聴者の方々に向けてメッセージをお願いします。

るい編は、るいとジョーの現代にはあまりなさそうな昔のちょっと切ない感じの恋愛物語。とにかく純愛物語だなぁと思っています。るい編での重要ポイントは、ジョーとトミーの演奏対決シーン。
あそこは、すごい見せ場になると思います。あれを観ないと、安子編とひなた編を見ても『カムカムエヴリバディ』を観たことにはなりませんよ。実際に見せてもらったけど、あのシーンはすごい! 絶対見たほうがいいですよ!

番組情報

連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
NHK総合ほか
毎週月~土曜日 前8・00~8・15ほか

©NHK