『ファイトソング』武田梓P&岩崎愛奈Pインタビュー「最後まで大きく心が動くようなドラマにできれば」

特集・インタビュー
2022年03月14日

◆岡田さんが紡ぎ出すせりふに共感できる部分が多いなと感じます。

武田:現場で清原さんも“めちゃくちゃ共感できる”って言われていたのが、4話の冒頭で芦田からキスされそうになった時にパンチで撃退した後に「女の子みんな同じじゃないんだから、そういうので喜ぶと思ったら大間違いだ」みたいなことをばーって語るシーン。そして、ただの胸キュンじゃないという点では、1話の最後に告白されて2話の頭で「好きな歌を歌ってもらった感動が今ので台無しだ」みたいなことをわーって言い返すシーンもそうですね。普通のドラマだとそのまま女の子がキュンとして話が進んでしまうような場面に、このドラマは“いや普通はないよ”というせりふが入っていて、そういうところは岡田さんの台本の良いところで、私たちも共感できるところだなと思いました。

岩崎:せりふに優しさや愛情がすごくあふれているなという瞬間がいっぱいあって。慎吾のひと言に、想いを積み重ねてきたからこそ紡ぎ出される言葉みたいな背景を感じるし、思いがとても乗っかっているのを感じるんです。だから花枝や芦田や慎吾が言っているせりふももちろんだし、それを見守る直美さんや迫さん、葉子(石田ひかり)さん、弓子(栗山千明)さんたち大人の言葉も、泣けてくるような優しさがあります。愛情を持ってそういう言葉を投げかけてくれているという、言葉に背景を感じるせりふっていうのは本当に魅力だなって思います。

◆せりふを提案されたりとかは?

武田:もちろんこういうシーンを入れたいとか、こういうことをこの人に言わせたいみたいなことは打ち合わせでお願いするんですけど、こういうせりふにしたいと一語一句指定することはあんまりないです。例えば、こういう雰囲気にしたいので、ここでちょっと花枝を元気づける慎吾っぽいひと言を言わせたいとお願いしたら、慎吾っぽいせりふがちゃんと返ってきて。それは岡田さんがキャラクターを分かってくださっているので、すごくありがたいです。

◆先ほど、菊池さんが歌うことが台本に反映されたとのことでしたが、他にドラマが放送されてから、キャラクターが踏襲されたところはありますか?

武田:結構ありますね。リアルタイムで撮影しているドラマなので、岡田さんがオンエアを見て取り入れてくださってることがあります。4話で芦田がムササビの真似をして飛ぶところは、間宮さんが現場で生み出した動きなんですけど、編集でそれをしつこいぐらい重ねたところは、すごく面白がってくださったのか、もう1回やってほしいということで6話のキャンプ場でのムササビが台本に落とし込まれていました。

◆岡田さんから感想をもらったシーンは、ほかにもありますか?

武田:4話の最後にカフェで芦田が花枝に曲を聞かせて途中で芦田が寝ちゃうシーンや、それこそ慎吾のアドリブの歌は台本にはないので、「すごく面白いですね」と言ってくださいました。台本にない工夫みたいなところを褒めていただくことが多いです。

『ファイトソング』

◆ムササビをもう一度やることになった時の間宮さん反応はいかがでしたか?

岩崎:ちょっと照れていた気がします(笑)。岡田さんをはじめ、スタッフもムササビを気に入っています。ちょっとスベって気まずそうにしている芦田も含めてかわいいっていう、間宮さんがあの動きとか表情とか全て含めて、すごく上手に作ってくれたと思っています。

◆最終回に向けての見どころをお願いいたします。

武田:我々も最後どういうふうに着地するか、まだ100%決まっていない状態ではあるんですが、最後は見ている人たちがみんな幸せになれればいいなと思っています。登場人物たちもみんなが幸せになれるような結末にしたいので、そこは楽しみに安心してご覧いただきたいです。最後まで大きく心が動くようなドラマにできればなと思うので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

岩崎:私も同じくなんですけど、登場人物に私たちもたくさんの愛情を注いで描いてきたので、それぞれがどんな幸せをつかむのか、どんな未来に向かって歩いていくのかをぜひ見届けてもらえたらうれしいなと思います。

PROFILE

武田梓
●たけだ・あずさ…2016 年にTBSテレビに入社。今作がチーフプロデューサーとして初めて手掛けた作品。

岩崎愛奈
●いわさき・あいな…2017年にTBSスパークルに入社。これまで手掛けた作品は『私の家政夫ナギサさん』『#家族募集します』など。

番組情報

『ファイトソング』
TBS系
毎週(火)後10・00~10・57

この記事の写真

©TBS

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